現在、東京に出張中。本日夜に帰りますけど。

 

 出張の新幹線を利用して(ガラガラですよ。今月後半は「のぞみ」の運行本数を減らすって、社内のニュース画面でアナウンスされていました)、『我、自衛官を愛す 故に、憲法九条を守る』の執筆に集中し、ようやく本日、第一章を書き終わる予定です。

 

 この本、わたしのこの数十年の体験記録という面もあるんです。個人の体験を通じて考える九条と自衛隊という感じです。その中で、自衛隊というものと自衛官を区別して向かい合うことも大事だと欠くつもりです。だから、13年前に企画した『我、自衛隊を愛す 故に、憲法九条を守る』とは、タイトルが一字だけ違っているんですけれどもね。

 

 『我、自衛隊を愛す…』の著者の一人に、防衛庁の官房長を務めた竹岡勝美さん(故人)がいました。何回かお会いしている内に、わたしの過去の経歴を話すことが求められる局面が出てきたのです。

 

 そこで、意を決して(というのは、正直に言ったら、本を書かないと言いだすのではないかと怖れたからですが)、学生時代に全学連の委員長だったことを告白したのです。そうしたら、竹岡さん、突然立ち上がり、「昔は追い回して申し訳なかったねえ」と頭を下げられたのでした。

 

 実は竹岡さん、もともと警察官僚であり、何県かで警察本部長も歴任したような方でした。ですから、公安警察が何をやっているか知っているというか、指揮していたわけですね。

 

 わたしは全学連委員長に就任したとき、先輩から「常に三人の公安警察が分担して監視しているから注意するように」と申し送りを受けました。実際にそうだと確かめたわけでなく(相手だって尾行相手に感づかれるほどアマチュアでないでしょうし)、いまもそうかは知りませんけど。

 

 ということで、竹岡さんは、そういうことを謝罪されたのであったでしょうね。びっくりしました。

 

 自衛隊について「反人民的」「国民の銃口を向ける暴力装置」という見方があります。そういうことを言いだすと、自衛隊よりも警察のほうがずっと上ですよね。

 

 わたしがびっくりしたのは、仕事で反政府団体を監視していても、個人としては別の考え方をしている人がいるんだなあと分かったからです。当然ですが、組織と個人は区別しておかねばならないということです。

 

 だから護憲派は、自衛隊のことを否定的に見ていても、自衛官やご家族、お子さんの気持を傷つけないというか、その程度ではなく、共感を持ってもらえるように、自衛隊と九条の関係を語らなければならないと思うのです。早く第二章に移らなければ。