兵庫県の九条の会と自衛隊を活かす会の共催企画が近づいてきた。3月7日(土)午後2時より、神戸市勤労会館の多目的ホールである。

 

 「9条と自衛隊の関係をどう語ったらいいのか」がテーマで、九条の会関係者と元空将補の林吉永さん、元内閣官房副長官補の柳澤協二さんが語り合う企画である。9条1項と2項は変えずに、3項に「自衛隊」を明記するという加憲案に反対するにせよ、賛成するにせよ、9条と自衛隊の関係をどう語るのかの探求は、欠かすことができない。

 

 せっかくの機会なので実りの多いものにしたいのだが、どうも加憲反対の側からは、自衛隊を批判する材料をたくさん集めて、「だから反対」という論理で闘いたいという意向が強いようだ。加憲案が出て以降、そういう傾向が強まっていると感じる。

 

 「国防軍」を明記するという案が話題になっているときは、そうでもなかった。「これで自衛隊が専守防衛でなくなる、変質する」と批判すればいいので、現在の自衛隊を否定するようなもののいい方は少なかったのである。ところが、自衛隊を明記するだけということになると、自衛隊を批判することによって、「だから明記すべきでない」として反対世論を高める上で正攻法だという感じになってくる。

 

 神戸の企画でも、黙っていると、せっかく護憲派の自衛隊元幹部が来るのだから、あまり知られていない自衛隊を批判する材料が分かるのではないか、みたいな期待があるような気がしてならない。そうなると、自衛隊幹部に対する質問会みたいになって、なんのために九条の会と自衛隊関係者が語り合うのか、分かりにくくなる。

 

 しかし、そんなやり方をしたところで、自衛隊を批判する世論が過半数を占めることになるとは思えない。過去、何十年にもわたってそういう世論が形成されたことはないし、九条の会ができて以降も、ずっと自衛隊をリスペクトする世論は増え続けているのだから。別のやり方を見つけないと、加憲反対が圧倒することにはなっていかない。

 

 ということで、先日の打ち合わせで、自衛隊に関しては内部問題も含めて翌日、徹底的に聞いてもらおうということになった。林さんには申し訳ないのであるが、本当に自衛隊のことを徹底的に知りたいと考えている方は、翌日にもご参加ください。