先日(27日)の朝日新聞に注目した。タイトルは、「「豪州の日」は「侵略の日」」。

 

 オーストラリアでは、イギリスが入植を開始した1月26日は、「豪州の日」として国民の祝日だという。だから、お祝いの日であって、式典をしたり、コンサートなどの祝賀行事もされてきたらしい。

 

 ところが、シドニー圏内にあるインナーウェストという市が、今年、式典は開催したが、祝賀行事を取りやめたという。オーストラリアには500くらいの自治体があるが、これで祝わない自治体は8つになったそうな。「少数派だが、近年増えて」いるとのこと。

 

 理由は、「「侵略の日」と受け止めている先住民(アボリジニピープル)が多いことに、近年、自治体側が配慮し始めた」ことによるという。インナーウェストの市長も、「1月26日は植民地化と(先住民の)追放、言語・文化の破壊の始まりだった」と述べている。

 

 ただ、そうはいっても、500分の8である。記事でも、「「入植は豪州を近代的な社会にした」として、この日を肯定的にとらえる意見も根強く、議論が続いている」とも書いている。

 

 そうだよね、植民地責任の克服って、アボリジニが目の前にいるオーストラリアでもこの程度なんだ。すでに手を引いた日本や欧米諸国が克服していくのはもっと難しい。

 

 しかし、相手のあることだから、黙っていていつか解決する問題でもない。どのようにすればいいのか、考えなくちゃいけないよね。

 

 ということで、明後日2月2日は、市民社会フォーラムの第245回学習会があります。「日韓が和解する日に向けて──北東アジアの非核・平和のために」と題して、康宗憲さん、池田香代子さんとわたしが語り合います。午後2時から、神戸の元町映画館2階イベントスペースです。よろしければどうぞ。