はい、昨年末に刊行した『平和のための安全保障論』(渡邊隆)ですが、自衛隊機関紙の「朝雲」(1月9日号)に書評が出ました。「若い隊員にとっては大先輩からさまざまな教訓を学べる優れた教科書」とされています。

 

 自衛隊の各種の教育で使われたりするとうれしいです。護憲派が政権につくことがあるとして、まさか教科書を廃止するわけではないでしょうし。以下、全文を紹介します。

 

 自衛隊初の国連平和維持活動となった1992年のカンボジアPKOで初代指揮官を務め、その後は幹部候補校長、統幕学校長などとして若い幹部の教育に特に力を注いできた元東北方面総監(元陸将)の著者が、国際政治を学ぶ学生や隊員向けに書いた「平和構築」のためのテキストだ。

 

 本書は著者が退官後に教えた25の講義を元に構成され、古代から第2次大戦、そして冷戦に至るまでの戦争の特徴について説明。その上で今日の集団安保、集団的自衛権、紛争防止、予防外交などの施策をやさしく解説している。続く日本の安全保障では、日米同盟のメカニズムや安全保障上の取り組みを紹介、これが東日本震災時に日米共同の救援活動にも生かされたことを自身の体験から語っている。

 

 最後は今日の問題として難民流入や各国の取り組みを記述。各講義間にはPKOや周辺事態のシナリオ研究、米陸軍大学留学時の思い出など体験談を交えたコラムもあり、若い隊員にとっては大先輩からさまざまな教訓を学べる優れた教科書となっている。