先日、自衛隊を活かす会で、「日本における軍事法廷の是非」というテーマのシンポジウムを開催した。その動画を公開したので、関心のある方はどうぞ。

 

 そこでナタニエル・クラフトさんが「Absence of Military Law in Japan」というテーマで報告しているが、軍事法廷のみならず軍事法そのものが欠けていることは、論者が共通して指摘していることであった。それを必要としているかどうかは別にして。

 

 自分の仕事を増やすことになるので、これまで少し躊躇していたのであるが、今後、その欠落している軍事法をちゃんとした条文のかたちで提示する作業をしていきたいと思う。活字でおおやけにして、逃げ場をなくしておきたい。

 

 そう、伊勢崎賢治さんがいつも提起している問題だ。私のまわりでは、伊勢崎さんがどんどんヒートアップしているのを見て、「どんどん松竹さんとは立場が離れてきていますね」という人もいる。そう見えるんでしょうね。

 

 でも、全然違うのだ。まず、仲は良い(と私は思っている)。しかも大事なことは、ちゃんとした軍法が必要であることについては、共通の問題意識を持っていることだ。

 

 ただ、その軍法が、現行憲法のもとで可能かどうかでは、違うところはあるかもしれない。それだったら、実際に法律としてつくってみれば、問題がより鮮明になると思うのだ。

 

 ということで、先日のシンポジウムのあと、伊勢崎さんに、「法制局に頼んで法律案をつくりましょうよ」と提起した。国会議員抜きにはできない作業なので、その協力は不可欠だけれども。

 

 それをつくる過程では、法制局のほうから、「交戦権を否定している憲法のもとで、交戦を想定した法律はつくれない」だとか、「PKOにおける自衛隊の業務は「武力行使に当たるものであってはならない」と明記しているので、武力行使を想定した法律はつくれない」だとか言われるかもしれない。

 

 しかし、私の立場は、交戦権を否定しようが武力行使を否定しようが、警察力の行使でも相手に人道被害を与えることはあり得るから、立法措置は必要だというものである。そういう国際人道法を守るための立法措置を憲法が否定しているなんて、絶対にあり得ないという立場である。

 

 ということで、何か月かかるか分かりませんが、やっていきますね。伊勢崎さん、まずは11月1日、国会でお会いしましょう。