週末は土曜日までに仕事を終わらせて、その後の二日間、何も仕事のことを考えないで過ごした。日曜日はラグビーのスコットランド戦もあったしね。

 

 高校の時の体育の先生がどこかの大学のラグビー部出身で、授業でもやっていたし、少しだけの関心は持ってきた。だけど、私の日本ラグビーの印象は、いつもスクラムで圧倒され、悔しい思いをするというものだった。そこが圧倒的に変化していることが、一番の感慨だろうか。

 

 今回のワールドカップが始まり、試合終了後の選手のインタビューが面白かった。アイルランド戦のあとだっただろうか、何人もの選手が「犠牲を払ってきたから当然の結果だ」という言い方をしていた。

 

 スポーツにおける「犠牲」って、これまであまりいい印象がなかった。自分を殺してはげしい練習に耐えるという感じで。

 

 だけど、ラグビー選手が言う「犠牲」って、そういうものとは違う感じだよね。うまく言えないけれど。たしかに通常の意味での犠牲というニュアンスもあるのだろうけれど、もっと努力という言葉を何十倍かであらわすとそんな感じになっていくというか。

 

 昨日、リーチ・マイケル主将が、次の試合ではディテールにこだわって勝負するというようなことを言っていた。スポーツ選手がそういう言葉を口にするのも珍しいと思う。

 

 犠牲もディテールを磨き上げるという感じがするんだよね。スクラムで負けていた時代から時は経ち、たしかに日本選手は大きくなったとはいえ、まだ体重差では負けている。それを乗り越えるために、肩の組み方とか足の角度とか、まさにディテールにこだわって練習を積みあげてきた。その結晶ですよね。そういう意味では科学の世界における犠牲である。

 

 次の南アフリカ戦、よく考えたら、昼間は私の講演会だった(兵庫県民会館)。だから、終了後、軽く食事をして、その後はテレビの見られるカラオケボックスに入って、飲み放題しながら観戦することになった。どうど、当日、いっしょに盛り上がりたい方は、講演会からご参加ください。