最近、文在寅大統領批判なら何でもOK、という感じのニュースが目に付く。これもそうだ。フジテレビの昨夕のニュース。

 

【独自】「信用されず」「尊敬されず」...トランプ氏 文大統領を批判

9/26(木) 17:10配信 Fuji News Network

 日米首脳会談の中で、トランプ大統領が、韓国の文在寅大統領について、「北朝鮮から信用されていない」などと批判していたことが、FNNの取材でわかった。

 政府関係者によると、トランプ大統領は、日本時間の26日午前に行われた会談で、安倍首相に対し、「最近、韓国とうまくいっていないんだって?」と切り出したという。

 これに対し、安倍首相は、韓国をホワイト国から除外した経緯や、いわゆる徴用工問題について、日本の立場を説明した。

 それをうなずきながら聞いていたトランプ大統領は、「文大統領は、北朝鮮からも信用されていない」、「尊敬されていない」、「最近は金委員長から電話もかかってこないらしい」と、文大統領を批判したという。

 

 文在寅大統領を批判するのはいいよ。私だって、もうすぐ上梓する『日韓が和解する日』の中で、安倍首相も批判しているが、文在寅大統領もかなり批判している。

 

 しかし、その批判の基準として、「北朝鮮から信用されていない」ことをあげるのか。北朝鮮から信用されている国はいい国で、信用されていない国は評価に値しない国というのが、このニュースを流しているテレビ局の立場なのだろうか。

 

 常識的なものの見方では、トランプさんがもし誰かを評価する言葉を聞いたら、その誰かを疑ってかかるのではないか。誰かを批判する言葉を聞いたら、「まともなヤツかもしれない」と思うだろう。

 

 いや、トランプさんがそういうのは、まだいい。だって、何とか北朝鮮との間で核問題での合意に達しようと努力しているわけだから、リップサービスにせよ、少しは相手を持ち上げるだろう。

 

 しかし、もともとは北朝鮮が文在寅大統領を評価していないという話なのである。普通の感覚を保持していれば、北朝鮮から持ち上げられる人物や国家ほど疑ってかからなければならないと思うのではないか。北朝鮮から批判されるのはまともな証拠だと思うのが常識なのだ。

 

 私は滅多にメディアの批判はしないのだけれど、韓国批判のためならメディアが北朝鮮と価値観を共有する時代に入ったのかと思うと、情けない。困ったものである。