というタイトルで本をつくるため、いよいよ動き始めた。昨日は東京で、このタイトルのシンポジウムで司会進行をしていただく方との打合せをしてきた。

 

 まず9月半ば、この方に「問題提起」みたいなものを5000字程度でつくってもらう。それをシンポジストに送って、10月末までに一万字程度の「報告」を作成してもらう。それを全員がよく読んで、12月の当日にシンポジウムを開催するという段取りかな。初日は報告に止め、二日目に討論というのもあり得るかも。

 

 いろんな立場の方がいるので、議論をかみ合わせるのが難しい。「中国は社会主義として成功途上」という方もいれば、「現在は国家独占資本主義段階で、将来は社会主義に向かう」という方もいれば、「独裁体制のもとで社会主義にはなり得ない」といいう方もいれば、「社会主義はアソシエーションなので、中国はそこから外れている」という方もいる。

 

 もちろん、シンポジウムをやったからといって、認識が一致することはあり得ないのだが、聞いていて(あるいは将来に本になった段階で読んでみて)、的外れな議論をしていると思われたら、イベントとしても本としても失敗である。そこで、事前に、お互いの見解を深くつかんで、何が違っていて何が一致していてを理解し、何が違いを生み出しているのかくらいは一致するような議論でないとダメだと感じている。

 

 それにしても、習近平になってからも、それ以前と議論が同じでいいのかという問題もある。何より、それ以前は、いちおう社会主義的民主主義を重視するということで、選挙でも複数立候補などの努力もされていた。習近平時代は、暴力的思想統制が実態として進んでいるし、建前だけでも民主主義を唱えるようなこともなくなっている。以前連載したけれど、全人代では、軍事力を最大限に強化するのが社会主義であるかのような、コミュニストなら恥ずかしくて口にできないようなことを、正式の決定にするようになっている。

 

 私としては、できるだけ早い段階で、「もう社会主義ではない」と宣言しないと、そのうち大きなダメージを受けると感じる(宣言したとしても立ち直れないかもしれないが)。ということで、本が出来上がるまで、これも連載を続けていく。