参議院選挙でも、その結果でも、いろいろ注目されている。これまで何も書いてこなかったけれど、どう評価しているのかを簡単に。

 

 昨年までは、あまり注目していなかったというか、評価もしていなかった。私は福島の生業訴訟に関わっていて、その方面でいろいろと考えることが多いのだが、山本氏は、福島のおコメは危険だとか、さんざん主張してきたからだ。私のお友だちの農家の人は、放射線を検出限界以下にするため必死に努力していて、すべて検査して出荷しているのに、それはないだろうというのが率直な思いだった。

 

 違った評価が加わったのは昨年の末頃だろうか。秘書を名乗る方から「自衛隊を活かす会」の事務局に電話があって、軍事法廷を現行憲法下でどこまで認められるか勉強したいので関連資料を送ってほしいということだった。一般的な資料というのでなく、会のシンポジウムで具体的に言及されていたもので、それを読んだ上で資料請求をしてきたんだね。

 

 この分野では、いわゆる改憲勢力も何も言わない。おそらくそんなことを考えていると知られると改憲にとって不利だと考えているのだろう。

 

 一方、護憲勢力は思考停止である。自衛隊を縮小したりするための立法なら思考の範囲に入ってくるのだろうが、強化したり、固定化したり、任務を拡大したりするものは、すべてノーという態度が一貫している。

 

 その中で、自衛隊が人道法違反を犯したときの法体系をつくらないでいいのか、リベラルが人道法を無視していいのかという伊勢崎さんの訴えが響いたのだと思うが、国会議員の中で唯一、会に電話をしてきたというわけだ。私が名乗ると、「あなたの『改憲的護憲論』は読んでいます」とも言っていた。

 

 率直に言って、「へえ、ちゃんとした問題意識を持っている人なのだ」と感じた。福島の問題も、本当なら間違いだったと認めるべきだと思うが、少なくとも過去の主張を現在繰り返すようなことはしていないようだ。

 

 この30年ばかり、いろいろ新党が生まれ、政界再編がやられてきた。しかし、それらはみな、「右」からのものだった。左翼は、新しいものを打ち出さない保守派、みたいに国民(とくに青年)から受け止められるようになってきた。

 

 だから、「左」からの新党が必要なのになあと思ってきたのだが、そこに出現したのが「れいわ新撰組」だったので、やはり注目はしている。いつか記事で書いたけど、野党共通のものになりうる経済政策というか、新しい社会像を打ち出したいと考えていることもあるしね。それをつくりながら、山本太郎という人物に関しても、もっと考えを深めていきたい。