そのスローガンを野党が掲げたい気持ちは理解する。陣営内部では結束を強める意味がある。だけど自民党に投票しようとしている有権者には響かないのではないか。


  昨夜、党首の演説をNHKが流していた。安倍さんは6年前に負けたのは自分の責任だと率直に認め、そこから教訓を得て現在があることを強調していた。民主党政権の悪夢を繰り返さないともね。


 おそらくそこが有権者の評価を得て、野党より安倍さん、という人が多い。そういう人を獲得しないといけないのに、安倍政治がダメだと強調しても心は動かないだろう。


  まず安倍さんが何回も繰り返す民主党政権の評価は不可欠だ。悪夢とまでは言わないが、失敗だったと認めてその原因に踏み込んでいくのか。それとも安倍政治よりマシだったと開き直るのか。その辺りの戦略が見えない。


  安倍さんが揶揄する自衛隊違憲の共産党と組んでどうするんだという問題もそうだ。立憲などは共産を政権の相手として考えていないから、踏み込まない。防衛政策を野党で議論すると違いばかりになるしね。共産も防衛政策自体を考えていないから、議論しない状態に安住している。


  このままでも与党は改選議席が多いから、野党は議席を増やしたと喜ぶ結果にはなるだろう。だけど政権への勢いをつけるには、まだまだ課題が多すぎる。