昨日の深夜というか本日の未明というか、YahooNewsをボヤッと見ていたら、ハンセン病の家族に賠償を命じた判決について、国は控訴するという朝日新聞のニュースが流れていた。ところが朝、起きることに見ると、国は控訴しないと決めたという共同通信のニュースに変わっていた。

 

 家まで届いた紙の朝日新聞は、届いた時点ですでに「誤報」のカテゴリーに入っている。夕刊には「おわび」が掲載されていた。安倍さんは、すごいなあ。

 

 朝日の誤報は一面トップだから、それなりに自信があったのだろう。自信というより確証とでもいえばいいか。実際、報道されている内容を見ても、当初、控訴するという方向で動いていたのを、安倍さんの決断で変えたみたいだ。さから誤報ということにもなったのだね。

 

 思い出すのは2001年のハンセン病の本人の同じ熊本地裁の判決。同じく参議院選挙の真っ最中で、私は比例区の候補者として活動していたのだが、小泉さんが控訴しないと表明したことを受けて、広島の街宣車の上から小泉さんの決断を高く評価する演説をしたものだった。

 

 当時も、この日本という国家の慣例を踏襲すると、当然控訴だと言われていた。それを小泉さんが押し切った形であった。今回も、前例踏襲でいこうとする関係省庁に対し、安倍さんがまったをかけたのだろう。一強政治のなせるわざというか、官邸主導のいい面を最大限に発揮したということだ。これで悪口なんてとんでもないことだ。

 

 小泉さんの時は総理大臣になったばかりで、郵政選挙の小泉劇場はまだ先の話だったが、明らかに支持が広がって、自民党復調のきっかけとなった。共産党は、その前の選挙の3分の1に落ち込むことになる。その再現にならないよう努力するだけだ。

 

 ここは、安倍さんを褒め倒して、さらに前に進むよう激励すべきではないか。被害を受けた方々、その家族の人権にまで思いをいたしている安倍さんを心から尊敬し、そういう安倍さんだからこそ、他の人々の人権も大切にする政治を実現しようと呼びかけていくことだ。

 

 ハンセン病の原告は法律にもとづいて隔離され辛酸をなめた。法律にもとづく行為であっても、被害があれば賠償するというのが小泉さんの先例であり、それを被害者本人だけでなく家族にまで広げるという点で、安倍さんの決断も日本国家の歴史上、画期的なものである。

 

 それなら、治安維持法で被害を受けた人々への補償はどうかという話につなけられるだろう。国家総動員法にもとづいて動員された人々だって同じだ。生まれた可能性を最大限に生かしていきたい。