映画「空母いぶき」を観てきた。記事を書くと長くなりそうなので、明日以降にして、本日は沖縄のこと。

 

 沖縄の玉城知事は昨年の知事選挙で、選挙公約とした重要政策(基地問題、情報ネットワーク、経済財政、人材育成・教育福祉・女性、自然・文化・スポーツの5分野)について外部の識者から意見を聞く「万国津梁(しんりょう)会議」の設置を公約した。昨日、そのうち基地問題の最初の会議が開かれ、委員長にわが「自衛隊を活かす会」代表の柳澤協二さんが選ばれた(他にマイク・モチヅキさんとか孫崎享さんなど5人)。

 

 この会議の性格について、知事選挙の時から「辺野古の代替策を出すもの」と言われてきた。だから、会議終了後の柳澤さんの記者会見でもこの問題に質問が集中したようで、各紙ともそれを見出しにしている。

 

 産経新聞は揶揄しているというか、ホッとしているみたい。「沖縄県、辺野古反対へ「理論武装」 有識者会議初開催も委員長は代替案「できっこない」」

 

 ただ、柳澤さんは、他のメディアを見ても以下のような文脈で発言している。それが「できっこない」見出しにつながっているようだ。

 

 「辺野古の新基地建設の代替案案を検討するかについて「知事の権限能力を超えることを言うつもりはない」と否定した。(沖縄タイムス)

 「県知事の権限を超えたことを申し上げるつもりはない」と述べ、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の代替案を提案する意向はないと強調した。(琉球新報)

 

 「県知事の権限を超えたことを申し上げるつもりはない」というのは当然だろう。だって、沖縄の県知事が「○○県に持って行くのが代替案だ」なんて言えるわけはないのだから。いちおうは柳澤さんのもとで「自衛隊を活かす会」の事務局長をさせてもらっている私も、そういう代替策を柳澤さんから聞いたことはない。

 

 じゃあ、辺野古問題では何も出さないのか。そうではないだろう。以下の発言が柳澤さんの心境をよく表していると思う。

 

 「沖縄県民と日本政府の間に大きな溝があるのはどちらにとっても不幸だ。この現状を何とかしたい」(毎日新聞)

 「本当にどっちにとっても不幸だと思うので、そこは何とかブレイクスルーが見つからないかなというのが率直な思いです」(琉球放送)

 

 沖縄の県知事の権限で可能な解決策が出れば、日本政府もアメリカも黙っているわけにはいかないだろう。沖縄の新しい挑戦を応援したい。