東京に出張している。本日は、東京大空襲・戦災資料センターと、中国の重慶爆撃の被害者弁護をしておられる方の事務所とを回った。明日は立命館大学平和ミュージアムを訪れ、ゲルニカ、ドレスデンも含む4つの無差別爆撃を知る旅と本との打ち合わせ。

 

 今回の旅と本、成功間違いなしかな。もともと、広島の平和記念資料館前館長の志賀賢治さんが、新しい展示をするにあたって、以下のように朝日新聞に語ったことに触発された。

 

 「ドイツ・ドレスデンの軍事史博物館には、二つの世界大戦を語る部屋の前に広島の被爆資料が象徴的に置いてありました。真珠湾の記念館も、最後は広島でした」

 

 「結果的に、科学技術を戦争に応用する発達史をたどってきたのだと感じました。ゲルニカがとてつもない数になっていくのが東京であり、広島・長崎。無差別大量殺戮の究極が原爆です。そうすると、広島はそれらをつなぐ、いわばハブになれるのではと考えました」

 

 そうなんだよね。原爆投下をこういう観点で捉えるというのは新しい考え方ではない。しかし、それぞれの平和博物館を結んで一つの旅、一つの本をつくるというのは、まだ誰もやっていないことだ。

 

 東京大空襲・戦災資料センター、中国重慶の三峡博物館、ドレスデンの軍事史博物館、ゲルニカの平和博物館である。この4つを順番に訪ね、それぞれの専門の研究者に語ってもらうのである。

 

 おそらく第1回は東京で11月4日(月・祝)。これは続く3つの博物館ツアーの案内も兼ねた企画になる。重慶は1月で(成都とか近くの世界遺産ツアーも組み入れなくちゃ)、ドレスデンとゲルニカは4月22日から29日まで(26日がゲルニカ空爆の日)。

 

 博物館の協力が得られるとなると、写真等の資料も充実したものが提供して頂ける。だから、一般書だけでなく、学校図書館のセットものの本までできちゃいそうだ。

 

 わくわくするなあ。世界には平和博物館が100以上あるから、いろんなテーマを設定して意味のあるツアーができ、重要な意義をもつ本ができそうな予感がある。

 

 画像は、三峡博物館を紹介する重慶の日本国総領事館のホームページ。以下のような紹介文がある。

 

 「前身は1951年に開設された西南博物館。その後の変遷を経て、現在の三峡博物館は2005年にオープンした。巴蜀(四川省と重慶の旧名)文化、三峡(長江にある3つの峡谷の総称)の自然文化、古代史、重慶爆撃を含む抗日戦争期などの主要展示があり、収蔵物11万セット、展示スペース2万平方メートルは国内最大級。周囲には重慶市人民政府庁舎、人民広場、人民大礼堂などの施設がある。」