2022年に高校で、日本史と世界史を統合した「歴史総合」の授業が始まるということで、それにあわせて一般向けにもそういう視点での本を提供しようと、3年ほど前につくったのが「歴史総合研究会」。日本史、東洋史、西洋史の権威6名にお集まりいただき、年に3回の研究会を続けている。本日がその8回目の会合である。

 

 最初は問題意識の交流と勉強から始まった。実験的にそういう授業をやっている高校の先生をお呼びしたり、歴史の研究と勉強のありようについて、議論を闘わせたり。

 

 その後、おおまかにどういう区分が考えられるか、どういうテーマを重視すべきかを議論し、6人で分担してそれぞれの責任で案を提示してきた。そしてようやく本日から、1人ずつの著作についての検討に入る。

 

 なにせ、どの本にも日本史、東洋史、西洋史が含まれるし、どの本にも古代史から現代史までの要素が含まれるという、かつてないチャレンジである。全員が集まって議論することで、「それは日本現代史の記述だけど、こういう中国の古代史の話も入れる必要がある」ということになるわけだ。面白い。

 

 「戦争」を扱う本も出て来る。基本は二度の世界大戦ではあるが、戦争を扱うとなると、「そもそも戦争はいつから始まったのか」とか、「戦争をしない時代はあったのか」などにも触れないわけにいかない。「国家」を扱う本もあるが、「戦争をしなかった帝国」などの経験も出てくる。

 

 ということで、個人的にも刺激を受ける日々である。刊行は3年後の2022年ということで、6年かけて6冊の本をつくるわけだ。いい本にしたいな。終了後、お花見でもしようとお弁当を用意しているのだけれど、会社の近くでは開花はまだみたい。