最後の校正ゲラを投函してきました。その後、さらに修正することを思いつき、メールで追加修正してご迷惑をおかけしたけど、もう終わり。

 

 

 写真は、仕事が終わってヒマ化したので、別件で午後に訪ねた滋賀大学教育学部。かつて全国を回るような立場で学生運動をしていたから、国立大学はほとんど訪ねたことがあるのだけれど、ここは来なかったなあ。入り口にある郵便ポストがレトロですばらしい。

 

 もとに戻って、北朝鮮本のこと。『北朝鮮問題のジレンマを「戦略的虚構」で乗り越える』というタイトル、いかがでしょうか。

 

 以前のブログ「編集長の冒険」では、ジレンマの存在とその性格付けについて、何回か書いたことがありまして、それらは全部、アーカイブとして残っています。しかし、それをどうやって解決するのかには言及していませんでした。

 

 でも、2014年に国連人権理事会に任命された調査委員会の調査報告があって、これが45万字にもなるのですが、それを読んでいるうちに、「ああ、これなら解決できるんじゃないか」と感じることがあったのです。

 

 これって、米朝首脳会談と異なり、「北朝鮮の体制を保証してはならない」ことを結論的に勧告している報告書なんですよ。だから、これを読むことによって体制保証と非核化の両立という米朝首脳会談の合意を実現する道筋が見えてくるって、常識的に考えるとあり得ないんですが、あるんですね、こういうことが。内田樹さんが帯の推薦文を書いてくださったのも、この結論部分を支持してくれたからです。

 

 ということで、本を買ってもらわないといけないので、これ以上は書きませんけれど。損はさせないと思います。

 

 北朝鮮問題をどう捉え、どう乗り越えるかは、北朝鮮の実態が日本国民全体にあかるみにされた1990年代初頭以降、左翼の宿痾のようなものでした。まず朝鮮半島の第一次核危機が起こり、「ソウルを火の海に」発言で北朝鮮の正体を知ることになり、続いて拉致問題があって他人事でないことを実感し、その後、さらなる核・ミサイル危機の進行があったわけです。

 

 その度に、左翼は「北朝鮮の同類」扱いされ、「違う!」と弁解しても相手にされない事態が続いてきました。現在も、米朝首脳会談の合意をめぐって、金正恩はいい人だみたいなアプローチをする左翼もいて、同類扱いが続いています。

 

 それに対してどうやって有効な反撃ができるのか。それが本書のめざすところです。次に書く本は、『徴用工問題の闇の飛ばし方』にするかな。