1988年度製作作品。手に入らない作品とか。NHKBSで放送された機会に録画。キョンキョン22歳、自らをアイドルと称した時代の作品相棒に真田さん小泉さん主人公で真田さんを振りままわす傑作作品。監督はこれが2作目の和田誠さん

 

おしゃれで、子気味いい、とにかく可愛いキョンキョンの作品です。一方、こんなひょうきんな真田さんという作品でもある。(笑)確かに、今では貴重な作品です。

 

ファッションに歌、宝石店にタワーマンション。1988年という年の詰まった作品でした

 

監督・脚本:和田誠、原作:ヘンリー・スレッサー、撮影:丸池納、美術:中澤克巳、音楽:八木正生、主題歌:小泉今日子、編集:冨田功。

 

出演者:小泉今日子、真田広之、水野久美、加藤和夫、伊佐山ひろ子、天本英世、高見恭子、吉田日出子、斎藤晴彦、奥村公延、岡田眞澄、木の実ナナ、陣内孝則、冨士眞奈美、秋野太作。

 

 

あらすじ

母(水野久美)とふたりでアパートに住む林轍(真田広之)。ある朝、窓に写る美しい女性!上の階に引っ越してきた女性。気になりつけると“遊びにいらっしゃい”。

 

そこで聞く話。彼女は加藤留美というフリーのスタイリストだが、本当はルビイ(小泉今日子)という名の快盗だという。轍は驚いた!

 

しかし、轍は勤めるDM発送会社に出勤しても彼女が忘れられない。そこに電話で呼び出しが掛かる。係長(加藤和夫)を気にしながら会話して、早退して彼女の部屋に。徹はさっそく相棒として犯罪を手伝わされる。

 

まずは食料品屋の親父(天本英世)から売上げ金を盗むことにした

鉄が自転車で転び、それを助ける親父さんからルビイがバッグをすり替えるというもの。先ずが轍の自転車練習から始まった。 (笑)盗んでみたが中味は大金とは程遠くて経費を差し引くと赤字だった。バッグを返すことにして役目は轍。親父さんに感謝されてキャビアを戴いた。(笑)

 

次が銀行襲撃を計画したルビイは轍と盗むのが楽しくて止められない。びびる轍に「ピストルでなく窓口で脅迫状を渡せばいい」と説得するルビイ。こんな可愛い子に説得されたら断れないよ!

身だしなみをしっかりと、洋服を買うところから始まった。しかし、徹が脅迫の手紙を母親の買物メモと間違えて受付嬢(吉田日出子)に渡し、バカされて失敗。大笑い!

 

ルビイは凝りずに、宝石店詐欺を計画した

宝石店の店主(斎藤晴彦)に「イヤリングの片方を失くした」と探させ、同じものを見つけてもらい盗むというもの。「これで大成功する」とふたりで唄い踊る!ミュージカルになっていた。(笑)

 

しかし、持参したイヤリングが安物で、あっさり店主に見抜かれ失敗に終わった。(笑)

 

タワーマンションに住む富豪から大金を盗むことにした

犯罪計画を楽しむような二人は豪華マンションに忍び込む計画。2週間かけて実行。マンションで行われるダンスパーテイに参加ふりをして1週目に管理人(奥村公延)から鍵を盗み、翌週に実行。

 

しかし、部屋には忍び込んだが、轍が浴室に入り自動ロックで閉じ込められた。そこに家主(岡田眞澄)と彼女(木の実ナナ)が戻り、“いちゃいちゃ”が始まる。(笑)それも知らずに轍は入浴して失敗。ルビイは配管工事人になりすまして轍を救出。鉄がバスタオルで逃げ出すという大失態。

 

ふたりはがルビイの部屋に帰ったところに、ルビイの彼氏がやっきた

彼氏(陣内孝則)が「風呂あがりの匂いがすると」ルビイを責める。ひと騒動起こりそうな雰囲気なので轍は逃げ出した。

次の日、ルビイから会社に「夜来て!」と電話があり、夜、アパートの屋上で会った。ルビイから「あいつと喧嘩になったのはあなたが原因」と言われ「恋人に泥棒とは言えない。今なら間に合う!あの人に出した手紙を取り返して欲しい」と言われた。「捕まったらどうする」と聞くと、「手紙にヴィールスがついていると言えば返してもらえる」と教えられた。

 

轍は彼氏のアパートの郵便ポストを見張り、配達された手紙を盗むことに成功したが、近所の主婦(冨士眞奈美)に見つかり、お廻さんに捕まった。

 

警察に捕まり、手紙のヴィールス検査が行われた

警察では轍の言い分を認めたが手紙を戻してくれず、確認のため手紙を鑑識課に廻された。その結果は「“カンゲワチ”菌だ、美人の姉さんかガールフレンドがいるのか?」と聞かれた。(笑)「いいやつか、バカなやtyだ」と釈放された。

 

ルビイのアパートに戻りこの話をすると、ルビイは「 “カンゲワチ”という名が分かるお廻りさんはしゃれた人よ、逆に読んだのよ!他に何か言った?」と聞く。「いいやつかバカなやつか?と聞いた」と返事した。するとルビイは轍を抱いてキスした。

 

轍は「犯罪はもうやめる。一緒に住もう。指輪買おうか?」と言うとルビイが「無理しないで!」いう。鉄が指輪を盗む案を出す。(笑)

 

感想

この時代。松田聖子さんや中森明菜さんに囲われた中で “私はアイドル”と宣言したキョンキョンらしい作品だった。(笑)

 

しっかりもののルビイと気の良いすこし“おっちょこ”の轍の泥棒騒動。

キョンキョンのセリフと可愛らしさ。真田さんのちょっと間の抜けた演技で見せる作品。笑った!

小泉さんの喋り方に、可愛らしさと説得力がある。これに惹かれて犯罪につき合う真田さんの阿呆っぽさが面白い。とても今日では想像できない。(笑)金持ちのアパートを狙い、風呂に入りバスタオルで逃げ出すバカ泥棒の真田さん。「なんということをさせるか和田さんは!」と笑った。まだ携帯電話がない時代の話。こんな話が作れた、いい時代だった!

 

ラストで彼氏を振るのに手紙を盗ませ、それがラブレターになるという“落ち“

 

ふたりがキスするシーンが良い。こんにち、こんなシーンが見られるとは思わなかった。次の作戦を練るふたりを、本のページをめくるように、窓枠で幸せそうに語り合う二人をとらえたエンデイングシーン。和田さんの洒落感がたっぷり出ていてこんな楽しい時代だったんだ。1988年を感じさせる懐かしい思い出作品になりましたね。

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