天女のお母さんは 父の兄さんのお嫁さん。鎌倉出身の方だ。茶道が

できて 華道(池坊 )ができて 和裁ができて 洋裁もできた人だ。

 

妹が言う。この町で こんなにできた人は、あの人だけじゃないかと言う。

私も想いだす。私の実家の裏玄関で 大島つむぎの 着物と羽織を着て、

 

裏地は赤だ。私は 目を白黒して 20万円の着物よねと 心の中で

考えている。仕立ては自分で されたろう。

 

しかし どう考えても 表玄関のイメージが出てこない。合理的に

考えれば 彼女の家から 1kmを ぞうりで歩いてきたから 疲れたろう。

 

表玄関まで あと 50m 歩きたくないだろう。

不思議に思うのは 母と母の妹は とても 親しいのだ。

 

それなのに 母の妹は 訪ねて来る時は 必ず 表玄関から来る。

裏玄関の方が近いが 表玄関から来る。簡単なお辞儀でも良いのに

 

ぎょうぎょうしい あいさつをしていた。親戚の人は 皆そうだ。

 

ながれがあるのだ。表玄関から ごめんください → はーい →

かってに仏壇のところ(奥の部屋 )へ行き → 茶の間 → 正座 ふかぶかの

お辞儀 畳におでこがつきそう

 

一般の人は 表玄関から ごめんください → はーい →

 → 茶の間 → ぎょうぎょうしいお辞儀はしない

 

たぶん 江戸時代からの習慣だろう。野良仕事とか 田植えを お互い

手伝っていた。上から目線で 人をみていたら 農業をやっていけない。

 

今年もよろしくお願いしますと ふかぶかと お辞儀をするのだろう。