先週は水木と2日間を使って福岡方面に里親のフォスタリング事業や、ショートステイ里親事業について視察してきました。


格安航空券を手配していたのですが、格安=第3ターミナルだと思い込んでいたら、まさかのPeachは第1ターミナル。大急ぎで移動、更に手荷物の重さがオーバーと大慌てではじまりどうなることかと思いましたが、他は大きなミスもなく無事帰ってきました。
朝早い便で電車の乗合せも悪いのでかなり早めについていたのが幸いでした💦
私みたいなミスをする人は少ないと思いますが、
みなさん、ターミナルにはご注意を💦

児童相談所業務、里親委託事業、里親養育包括支援業務の取組を学ばせていただきました。

【福岡県:里親養育包括支援業務(フォスタリング事業)】
委託先のOHANAカフェを運営している慈愛会さんの担当者さんと県の担当者の方にご説明をいただきました。
母体となる慈愛会は児童養護施設、乳児院、医療型障害児入所施設・療育事業、養護老人ホームなどを経営している社会福祉法人。
6年前から日本財団の事業として2年間里親フォスタリング事業を行っており、4年前から福岡県の里親養育包括支援事業(フォスタリング事業)を受託しています。
久留米地域で、里親制度の周知やリクルートのための広報活動や「OHANAカフェ」と題し、カフェや公共施設で月に数回小規模でアットホームな説明会を行っています。
リアルだけでなくZOOMの活用も。

里親事業について調べていた時にかわいらしい行きたくなる内容が詰まったHPが目に留まったのが「OHANAカフェ」を知ったきっかけです。


千葉県でも里親養育包括支援事業(フォスタリング事業)を行っていますが、HPはなかなかヒットせず、今度お示ししますが、アンケートを取っても見たことがある方の数が非常に少ない。いろいろと課題を感じています。



福岡県では政令指定都市を除いた4つの地域に分けてフォスタリング事業を委託しており、児相と連携して、里親の募集から研修、委託後のフォローまで一貫した里親支援を行っています。
実際お話を聞いていると、支援員さんと里親さんとの密な関係が見えました。
千葉県も広い県ですから、一括で一つの事業所が行っている今の形には無理がありそうです。

また一時保護の里親や施設への委託も行っており、その際には園や学校への通学希望に対応して送迎などから考えて支援しているとのこと。

短期里親には、やはり里親の担い手獲得に一定の効果を感じているとのことでした。

単なる周知ではなく、子どもたちにより良い環境を届けるために動くことで結果的に効果がでている、そんな現状を見せていただきました。



思わず受け取りたくなるパンフレット類

いかにも行政のお知らせぽくないのが、プラスに働いていると思います。


乳児院の前

他に児童養護施設、障害児入所施設や、療育や診察もと同じ敷地内に児童支援の施設が集まっています。


増設されたばかりの児童養護施設

小規模化が進んでいます。

この一角にファスタリング事業を担う「OHANAカフェ」の事務所もあります。


電車と思ってましたが、地元の方はバスと言ってました。


【福岡市:ショートステイ里親・SOSこどもの村】

ショート里親の周知から受付、手配までを請け負っているNPO法人SOSこどもの村さんに事業の内容や法人の事業全体のお話を伺いました。また実際に博多区役所で開催された「里親ってカフェ」に参加させていただきました。


福岡市に伺ったのは、その里親等委託率の驚異的は高さ。
福岡市は 全国1位の59.3%
ちなみに千葉県は32.5%


里親ってカフェ 資料

そしてショートステイを里親さんが担う、ショートステイ里親事業を行っています。

ショートステイは
保護者が育児疲れ、病気や出産などで家庭で子どもを一時的に養育できない保護者が申請をして利用するものです。
虐待などになる前に、行政ができる支援としても注目されています。

松戸市でもありますが、なかなか混みあっていて使えないという声も多く聞こえてきます。


福岡市ではショートステイ自体の利用数が伸びており、育児疲れの理由が増加


里親ってカフェ 資料


里親ってカフェ 資料


ショートステイ事業は行っていても、それを里親に委託する運用をしている自治体はさらに限られます。
また里親というと養子縁組里親をイメージする方が多く、ショートステイは数日から1週間ほどですので、それだけの短期の里親があることで里親事態のハードルが下がり参加する人の掘り起こしにもつながります。

「里親ってカフェ」では運営の法人の方の説明や説明DVDの視聴、実際にショートステイ里親を行っている里親さんから話が聞ける会となっていました。
説明のDVDも堅い感じではなく、イラストでの説明や、実際の里親家庭のインタビューも交え、里親家庭の魅力が伝わってきました。
参加者の方々もリラックスして気になることをどんどん聞いておられました。
場としても楽しく過ごせ、知りたいことはじっくり聞いていける満足度の高い集会だと感じました。
里親に登録しようと思われている方のお気持ちや心配事もお聞きできました。
こういった場があることで、現状をよくくみ取りサポート側もさらに工夫ができるのでしょう。

市町村がショートステイ事業を担いますが、県が連携し事業を行えるようサポートすること、里親の登録は県。市町村と県がしっかり連携していかなければ行えない事業です。

政令指定都市が里親委託率も高くなっています。県は規模が大きい欠点を補い工夫していく必要を痛感します。

【久留米児童相談所・一時保護所】
他の自治体に視察に行くと、大きく自分の自治体と異なる場合、だいたいショックを受けます。
今回一番のショックは一時保護所の環境とあり方の違いでした。
まずそのきれいさ。
令和3年に改修されたので新しいので、それだけで全く印象が違いますが、基本1人部屋であることです。(兄弟児で同性であれば同室もある)
中央、市川、柏と視察させていただいていますが、多くが4~6人部屋の現状を見ていたので、強くショックを受けました。同じ保護をされた子どもたちなのに、住んでいる県が違うだけでこんなにも環境が変わってしまう。千葉の子どもたちに本当に申し訳ない。


一時保護所 外観


これが1人分のスペース


学習室


庭もある


入り口


福岡県では一時保護所の定員が福岡18、久留米16、田川18、大牟田10、宗築14で県内合計で76人です。
千葉県は中央55、市川28、柏31,銚子15,君津25合計171人。そして月に多い時には受け入れ230人と定員超過が常態化しています。

人口は千葉県約627万人と福岡県約509万人、令和3年度の一時保護児童の受付総数も千葉県971人と福岡県951人と人口や件数自体はそこまで違っていません。
その違いは一時保護の施設などへの委託数です。

一時保護所なので日々変動はありますが、福岡では定員いっぱいまで受け入れていることは非常に少ないという事でした。1人部屋は6畳ほどの広さがありました。


受け入れ日数を2か月を超えての保護人数が多いことも千葉の課題です。所内一時保護児童 2ヶ月を超えて一時保護した件数(令和3年)千葉県 425人、福岡県 45人と大きく開きがあります。


千葉では複数の児相で、児相や一時保護所の改築や新設を予定して動いていますが、受け入れてくれる児童養護施設や里親の絶対数の不足もあるので、受け入れ先を増やしていく工夫も絶対に必要です。


久留米地域は管内に児童養護施設と乳児院が複数あり、施設が多く恵まれているとお話しされていました。まちのこれまでの歴史や風土もあるのでしょうが、施設があることで安心して児相が動けていることから、やはり児童養護施設などの不足を補う必要も痛感しました。


そして何より、子どもたちを家庭的な環境で育つ権利を確保するために里親での受け入れを確保していく必要があります。

【日本と諸外国との比較】

血縁を重視する、戦後多くの孤児を施設で担ってきたなどの歴史的背景もあるとは言われていますが、やはり里親制度の周知がもっと必要です。


里親というと養子縁組と考える方がまだまだ多いという事でした。受け皿が多いことで、子どもにあった里親家庭を用意することができます。


里親ってカフェ 資料より

養育里親の周知、サポート体制強化の必要性を学んだ2日間となりました。

おまけ
千葉で議論が始まった宿泊税
福岡はすでに導入されています


地下鉄空港線を博多で降りるとすぐ目に入る場所に宿泊税のご案内がバーン


ホテルチェックイン時に現金で200円徴収となりました。知らないと戸惑いそうですね。