この金土で大阪の田島南小中一貫校で行われた公開授業・講演会に行ってきました。


子どもたちの心の傷をいやし生きる力を伸ばすそんな授業が行われていると聞いてずっと見たいと思っていたものが、公開され、しかも議員でも参加できる、こんな貴重な機会は中々ありません。


『「生きる」教育とは
子どもたちにとって一番身近であり、心の傷にちょっけつしやすいテーマを授業の舞台にのせ、社会問題として捉え直します。そこで示された「人生の困難」を解決するために必要な知識を取得し、友だちと真剣に話し合うことで、安全な価値観を育みます。授業の力で子どもたち相互にエンパワメントを生み出し、個のレジリエンスへつなげることを目指しています。』

最初に授業提案として、中心となり「生きる教育」を行ってきた小野田先生から、「生きる教育」を進めてきた背景や今日行われる授業の概要や目的、背景などをお聞きしました。

切っ掛けは学校の荒れ、尋常ではない暴力などが行われる中で見えてきた課題の解決として取り組んだとのことでした。

2日間見ただけでも、先生方が子どもたちの可能性を力強く信じていて、その手ごたえを感じ、ここまで授業を深めてこられたんだという事が伝わってきました。


「授業の力を信じています


今日楽しかった
明日も学校に来たい

その気持ちが
安心安全に繋がる

人によって傷ついたことは

人によって癒すことが出来る」


と繰り返し述べられていた先生の姿が印象的でした。

主にこのような内容で授業が行われます。

1年生 
たいせつなこころと体―プライベートゾーン
2年生
みんなむかしはあかちゃんだったーいのちのルーツ
3年生
子どもの権利条約って知ってる?
4年生
10歳のハローワーク LSWの視点から
考えようみんなの凹凸―あつまれたしなんの星
5年生
愛?それとも支配?―パートナーシップの視点から
スマホについて考えよう
6年生
家庭について考えようー結婚・子育て・親子関係

中1
脳と体と心とわたしー思春期のトラウマとアタッチメント
中2
リアルデートDV―支配と依存のメカニズム
思春期の情報モラル教育―誹謗中傷を考える
中3
社会の中の「親」と「子」
社会における「子どもの権利」


体育館に張り出された教材がまたすごい❗️

これだけで鳥肌物






子どもがつまずくこと、社会に出て問題となる根っことなること、トラブルのもととなること、行きづらさの原因となることが、その成長過程にドンピシャで組まれています。

子どもたちの集中した顔や、中学生でもどんどん発言が出ている様子こそがこの授業の価値を教えてくれました。

そんな様子をお伝えしたいところですが、授業中の写真はNGでしたので、公開されている過去の資料から。こちらの写真



他にもたっぷり授業提案から資料まで公開されています。

生野南小学校(再編され田島南小中学校になっています)本校の研究


そして、授業に完成はないと、熱心に準備し、授業をされている先生方。

しかも、千葉でも若手の先生が多いですが、若い先生の比率は千葉よりも多いように見えました。学校事の差もあるとは思いますが。まだ経験の浅い先生方が、相当な指導力が必要となる授業を全力で展開していました。先生方への支援や環境つくりも気になります。


社会に子どもたちが巣立っていくに当たり、自分を大切に思い、大切に扱い、他者を大切に思い、扱うための自分の心の在り方、関わり方の根っこを気づくことができる内容になっていました。
様々な人生観や価値観、宗教観などがあるなか、公教育ができる可能性の最大限で子どもの精神的、物理的自立を促せる授業展開だと思うのです。
これは大阪だけでなく、本当に千葉でも必要。
学校では子どもの抱えている問題があっても、なかなか踏み込めない、親からのクレームなどで疲れ切る、そんな事例をいくつも見聞きしますが、
それでも日々子どもたちのためにと働いてくださっている先生方の共通する思いが見えたように思います。

そして、この公開授業を知るきっかけとなって、この教育を一緒に作り上げて来た方、ずっと直接お話をお聞きしたかった辻先生にお会いでき、講演もお聞きできました!想像通りパワフルで素敵な方でした!

辻先生が「生きる教育」のことを分かりやすく紹介されている記事を貼っておきます。「生きる教育」その2~「性」を学ぶことは「命」を学ぶこと  大阪府子ども家庭サポーター 辻 由起子




他にも富田先生、西澤先生、西岡先生といった豪華な先生方からの講演までお聞きできるという豪華な内容でした。

小中への取組、そしてすぐに社会に出なくてはならない高校生へ、デートDVや経済的自立、精神的自立の内容は、少しでもいいから、早く、学べる時間を取り入れてほしい。
毎年学校をやめる子もいます。
どう提案していくか、巻き込んでいくか、やってみます。

本も買ってきたので、読みたい方は声かけて下さい!
『生きる』教育」: 自己肯定感を育み,自分と相手を大切にする方法を学ぶ (第1巻) (生野南小学校教育実践シリーズ 1巻) 

ちょうど帰り道、後ろにいたのは他校の先生方だったようで、
感想を熱心にシェアしあい、やる気に満ちている会話が聞こえてきました。
こうやって1人の影響力が、子どもたちの影響力が,広がっていくんだなと、私もがんばろうと励まされました。