まず・・・・・『新宿ゴールデン街』の解説である。

 

新宿ゴールデン街商店街振興組合と新宿三光商店街振興組合の二つの組合によって管理されている。およそ2000ほどの狭い区画に低層の木造長屋が連なっており、200軒以上の小さな飲食店が密集している。かつては文壇バーなど個性豊かな店も多く、常連客として作家・編集者映画監督俳優といった文化人が多く集まることで知られていた。このような背景から、東京におけるサブカルチャーアングラ芸術の発信地の一つとなっている。

1980年代後半のバブル景気の最盛期には激しい地上げに見舞われたが、飲食店の店主ら有志が「新宿花園ゴールデン街を守ろう会」を結成し、団結して地上げや再開発への反対運動を展開した。1990年代に入るとバブル崩壊により地上げは終息したが、地上げに屈して閉店した空き店舗が多数放置され、一時は客足も滞ったことから、さながらゴーストタウンのようになった。そのため、飲食店により構成される組合が中心となり、街の活性化やインフラストラクチャーの整備などを推進してきた。2000年代に入ると新規出店が相次ぐようになり、客足も戻ったことから、再び活気を取り戻した。近年では、ヨーロッパなど海外からの観光客が多く訪れることでも知られている。

 

 

 

この日に、東京・新宿にやってきたのは、友人との飲み会があったからである。

今日は二人だけの飲み会である。

 

数年前までは、3人であった。

さらに、その前は4人であり、さらに・・・・・その前は5人であった。

この5人とのお付き合いは実に長い。その頃は偶数の月に、会っていたが、彼らとの交友は生きがいでもありましたね。

もう・・・・・50年以上にもなる。

 

 

その頃は、無論、誰もが若かった。

この時代の数年間が、その後の今日に至る濃密な数十年の交友を支えた。いつでも会えば、会話は昨日の話の続きのように、様々なことに、及んだ。そして・・・・あの若かったころのように、まさに常に談論風発でした。

話題は、あらゆることに及んだ。時には、その家族にも及んだ。

 

 

それが・・・・・いまは二人になったが、それでも、その勢いの良さは・・・・・少しも変わらない。

この飲み会のときの待ち合わせは、新宿駅の東口交番の前と決まっており昔から変わっていない。

ここで待っていると、皆さんが、ぽつぽつと顔を現したものである。

約束の日は決めるが時間は特に決めない。もう時間は常に1時と決まっていたからである。

 

 

今日、会う友人とは、福島県内の同じ高校であった。彼は隣りのクラスであったし、大学も違ったから、本来なら、彼との出会いはなかったはずだが、まことに、ひょんなことに、卒業後の就職先で偶然にも一緒になった。

そこから永い交友が始まった。仕事が同じ雑誌編集であったが、彼との交友は、そのことも少なくない、重要なことであるが、大きな柱は互いに組合運動に関心をもったことから始まった。

学生の時は、学生運動に身を入れたわけでもないのに、そういう空気のなかにあったことに大きな影響を受けた。

 

 

会社の組合は、いわゆる御用組合で、会社の言いなりであったが、身の回りの若者たちは、そのことに納得しなかった。我々は、そのことに憤激したものでした。

この5人は、組合の役員に立候補したりしたが、他の社員は組合に大した関心もないから、私たちは簡単に役員になれたりして、組合の主導権を握ることもできた。

しかし、私たちが熱を入れたのは組合運動だけではなかった。それと同じくらいに、仕事の専門性の向上にも力を入れた。休日には誰かの家に集まり勉強会に励んだりしたしたものです。

しかし・・・・こうしてみんなが、一緒だった時期は、家の事情などもあり、実は長くはなかった。皆が完全に一緒だったのは、数年であった。

とにかく、この数年こそが、その後の数十年の濃密な交友を支えた。

 

 

私は少々・・・・・どころか、大分せっかちだから、いつも早めに着いてしまう。

この早めに着いた時間つぶしに、最近は、この新宿ゴールデン街巡りが、最近の定番というか、ほとんど癖のようになっている。

戦後になって、この大して広くもないエリアに密集して、というだけでなく、乱雑とも見える光景が何とも、まあ…・要は素晴らしい景観が何度見ても飽きないのですね。

無造作が集合した、ある種の芸術であるのかもしれない。

 

そう思う人は少なくないようである。

すっかり有名で、国内だけでなく、この乱雑な世界を見たいと思う者は広範囲で、外国人旅行客のような皆さんの姿も必ず見掛けるのですね。

私は夜は来たことはないが、夜は主に飲み客だけだろうと思うが、こうして訪れた皆さんの中には、夜の『新宿ゴールデン街』探訪に訪れるものも少なくないのであろう。私も、夜のゴールデン街も探訪したいものです。

 

 

 

(第11929回)