前沢集落に入るには有料である。
個人の場合、300円。高校生以下は150円という。
未就学児は無料である。町民も無料である。
前沢集落の茅葺屋根の建物のほとんどは、住民の皆さんが居住しているらしい。
こういう茅葺住宅にお住まいというのは大変なことです。
近くにある大内宿の場合も、実際に皆さんが居住されているが、大変なことですね。もっとも・・・大内住宅の場合は観光住宅の趣でもある。
いつ行っても、多くの観光客の皆さんが訪れている。十分に観光で生活が成り立っているのでしょう。住民の皆さんが一体となって、地域を維持しているという趣が伝わってきます。
前沢集落の場合は、十分に面白い趣きを示しているが、果たして、どうなのでしょう?私たちが行ったときは、時間的にも早く、観光客らしい皆さんは、まだまだパラパラという状態でしたが・・・・面白さは十分であるのに・・・・エリアが観光地として成り立っているのか・・・・。
前沢集落は、文禄年間(1592年~1595年)に横田城主・山内氏勝の家臣、小勝人道沢西が主家が滅んだ際に移り住んだことに始まったと伝えられています。
江戸時代には南山御蔵入地と呼ばれる天領だったという。
家屋(主屋)は、茅葺屋根でその構造から直家とL字型の中門造(曲家)に分類され、中門造が多くを占めています。
中門造は、かつて家族同様に大切にされてきた農耕馬と人が一緒に生活する構造となっており、妻面には、明かり取りの窓、梁と貫の木組み、前包の彫刻、狐格子など意匠性の高い造りとなっているのだという。
目にしている光景は、私が子供の頃、田舎に住んでいたが、その頃に見た光景そのものですね。我が家は商家だったから、親に連れられてお客さんである農家を訪れる機会もしばしばあったが、その頃に見た景色そのものなのですね。
実に懐かしい。
これは・・・・まさに私にとっての・・・・「原風景」ということでしょう。
(第11967回)