今年のクリスマスは僕にとって特別な夜になるはずだった
しかし何時間も待っても彼女は現れない
胸騒ぎとともに待ち続ける裕也
そんななか突然携帯が鳴り響く
「もしもし神城です」
「あ、こちら警察の者ですが。藤崎ゆきさんご存じでしょうか?」
「は、はい」
「実は藤崎さん交通事故にあわれまして。至急島田総合病院まで来ていただけませんでしょうか?」
「え?交通事故?わかりました!し、至急伺います」
こうして僕は病院に駆けつけ彼女の変わり果てた姿と対面したのだった
「ゆき、何寝てんだよ。冗談もたいがいにしろって
早くしないとレストランしまっちまうだろ!な!ゆき
いい加減にしろって言ってるだろ!早く起きろよ!」
揺さぶり起こそうとする僕に先生は辛い現実を突きつける
「神城さん。お気持ちはわかりますが8時10分彼女はお亡くなりになりました」
「うそ・・・嘘だ~!僕は・・・僕は今日彼女にプロポーズするために指輪かって待っていたんだぞ!
それなのに こんなのって・・・こんなのってありかよ?ふざけんな~!」
病院を飛び出し 裕也は町をさまよい気がつくととある協会の中にいた
「な、神さんよ!クリスマスってプレゼントくれるもんだよな
なのに・・・なのになんで僕の大切な人奪うんだよ
僕がなんか悪いことした?
僕が悪いことしたなら懺悔でも命でも何でもやるからゆきを帰してくれよ
頼むから僕にはゆきが必要なんだよ!ゆきなしでは生きていけないんだよ」
泣きじゃくりながら眠ってしまった裕也
そして1年後のクリスマスの夜再び訪れた協会
祈りを捧げていた裕也の背後に人の気配を感じ振り返る
「裕也・・・久しぶりだね」
「え?ゆき?本当にゆきなのか?」
「うん!裕也がまだ私のこと思って悲しんでいるから神様に頼んで会いに来ちゃった」
「これからず~と僕のそばにいてくれるんだよね」
「ううん それはできないの クリスマスの夜が終わるまでって約束だから」
「そっか・・・じゃあさ去年のクリスマスの続きしよう」
そして裕也とゆきはいままでの時間を取り戻すかのように楽しんだのあった
楽しい時間は過ぎ去り残酷にも別れの時間がやってきた
「もうすぐお別れだね」
「な!また会えないかな?」
「・・・・」
「私のことなんか忘れていい人見つけないと」
「そんな僕はゆき以外の女性を好きになるなんてできないよ
僕はゆきを幸せにするって大切にするって誓ったから
ゆきのいない人生って考えられないから一生独身でいる!」
「そんなこと言わないで
私は裕也に出会えて本当に幸せだったんだよ
裕也の幸せは私の幸せ
だから裕也には前に向かって歩んでほしいの」
「だったらせめてこれを受けとってくれる?」
「これは・・・?」
「あの夜渡そうと思ってた婚約指輪」
「ありがとう これでもう思い残すことないよ
裕也に出会えて幸せでした ありがとう そして さようなら」
「僕もゆきに出会えて幸せでした ありがとう そして さようなら」
こうしてクリスマスの夜の奇跡は終わり美しくも悲しい鐘の音だけが響きわたったのでした
神谷勇希

