年金はいくら貰えれば安心なのか。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

おはようございます!

年金アドバイザーのhirokiです。
 
だいぶ前からではありますが、ヤバいとかエグイっていう言葉がよく使われてますよね。
特にユーチューブなどの動画ではこのような言葉で溢れてたりします。
 
正直、聞いててあまり印象の良い言葉ではないし、違和感が強いので自分は使わないように意識しています。
他の言葉を使って表現するようにしています。
 
大人になって思いますが、語彙力って大事だなって思いますね。
なので自分も語彙を増やすように数年前から勉強に取り入れています。
 
昔から国語嫌いですがコツコツやっています^^
 
 
・まぐまぐ大賞2021語学資格部門2位と知識ノウハウ部門3位のダブルで頂きました(6年連続受賞)
本当にありがとうございました。
https://www.mag2.com/events/mag2year/2021

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では本題です。
 
 
最近は物価の上昇で生活必需品などの値上げがひっきりなしですね
 
さすがに困りますねあせる
 
 
日本は平成になってからはほとんど物価上昇しませんでしたのでもうこれ以上物価が上がる事は考えにくいだろうと思われていました
 
物価が上がらない事は無いだろうけど、そんなに影響があるほど上がる事はもはや無いのかなあ…と考えたりもしました。
 
 
しかしながら今回突然のロシアの軍事侵攻のせいで一気に世界中が物価上昇に見舞われました。
 
 
何か予期しない大変な事が起こると、案外簡単に物価上昇が起きるものなんだなと思いました。
特に戦争は。
 
 
そういえば物価の上昇で生活に特に直撃したのは、第二次世界大戦後の昭和20年前半と昭和48年の石油危機の時が有名ですよね。
 
戦後すぐの日本はどこもかしこも焼け野原だったので、供給するモノがほとんどないような状況でした。
 
 
モノがないのに戦後に海外から帰ってきたり、戦争終わったから軍人も戻ってきたりしたので、約700万人程の人が増えてしまったためモノが足りないので猛烈な物価上昇が起きました。
 
 
人が多いので何かを買いたいという需要は高くなったけど、供給するモノが無いからひたすら物価は上昇しました。
 
 
物価が200倍ほどになって、ハイパーインフレと呼ばれました。
 
まあ、100円で買えていたものが2万円出さないと買えないような状況ですね。
貨幣の価値は200分の1になってしまってますね。
 
物価が上がると貨幣価値が下がってしまうので、それまで老後のためなどに貯めていた積立金はもうほとんど価値を失いました。
 
 
積立金などの価値を失ってしまったので、昔の人はその時のトラウマがあるのか長期的な積立金や保険などに対しては疑り深い面があります。
 
お金が溢れてしまってるのにモノは少ないままだとインフレが止まらないので、市場に出回ってるお金の量を力ずくで少なくするために、当時は一定の金額が銀行から引き出せないようにしたりする預金封鎖も実施されました。
「今持ってるお金はもう使えなくなりましたので、持ってるお金は全部銀行に入れて新しいお金にしましょうね」という事にもなりました。
 
つまり、例えば今持ってる1万円札が今日から使えなくなりました!紙切れです^^って事になったわけですね。
紙切れだからとりあえず銀行に有り金全部預けて、新しい紙幣にしてねって事になり、その時に引き出し預金を制限しました。
 
 
昔の人が、モノを手放したくないという執着心が強めなのもそういう経験があるからなのだろうか…
 
 
あと、昭和48年の時も物価が2年で40%ほど上昇しました。
日本から非常に遠い中東での戦争が引き起こした物価上昇でした。
 
アラブの人がイスラエルを支持してる国には石油は売らないよ!高くするよ!と、イスラエルを支持してる国には石油を裏無くしたり価格を4倍くらい引き上げた事で世界が混乱した。
 
 
 
このように世界にとって大きな事件…特に戦争が起こると、簡単に物価が上昇してしまうのであります。
 
さて、ここで話は変わりますが、こう考えると「年金はいくらあったら安心」だと思いますか?
 
 
 
え?そうだなあ…やっぱ30万円は無いとね!って思いますか。
 
 
 
でも正直、いくらあれば安心という事はありません。
 
 
巷で人気の金融商品なんかは、ウン千万円は必要ですというような事をよく言いますが、そのくらいのお金があればもう何が起きても大丈夫と言えるのでしょうか。
 
 
もちろんお金を貯める事が無意味だなんて言いません。
 
むしろ貯金はあったほうがいいでしょう。
 
 
しかし、それでいくら貯めたら安心という事は無く、今回のように物価が上昇するとお金の価値は下がっていきます。
 
例えば2000万円貯めたとして、それがこれから何十年先も同じ2000万円の価値ではないという事です
 
 
 
物価が今後2倍になれば、その2000万円のお金は1000万円の価値になりますし、物価が10倍になれば200万円程度の価値しかありません。
 
今は気楽に変えているモノが、迂闊に買えなくなってしまう。
 
 
今の生活必需品が迂闊に買えないものになってしまったら生活が非常に困難になります。
 
 
このように単純に見た目の金額では将来はどうなってるのか全く分からないのであります。
 
 
どこかで戦争があろうものなら簡単に物価が上がってしまう。
 




 
じゃあ、また話を戻しますが年金はいくらあれば大丈夫なんでしょうか?
 
つまりこれはわかんないですよね。
 
 
 
でも、将来も今と同じように必要なモノが買えれば安心ですよね?
 
例えばいつも買ってる300円の肉が、今後物価が上がって3000円になっても現在と同じように買う力があればいいですよね。
つまりこれから先も、今と同じ購買力があれば生活が成り立つわけです。
 
 
そこで現在の年金制度はどうなってるのでしょうか?
 
 
そう、物価上昇や賃金上昇率に毎年度スライドするような仕組みになっています。
 
 
これはどういう事かというと年金が物価にスライドするって事は、購買力が下がらないようにできてるって事です。
 
 
よく人気のある積立金は物価には対応できませんが、公的年金は物価にスライドするので将来どんなに物価が上がろうが今現在と同じように必要な生活必需品を買う事が出来るという事になります。
 
 
公的年金にはこういう強みがあります。
 
 
 
超高齢社会になり、人生90年とか100年と言われる日本ですが、長い老後を送る中でこれからも必要なものを買う力を失わずに過ごすというのはとても重要な事なのであります。
 
 
老後に物価上昇して、迂闊にモノが買えなくなったらそれこそ安心して老後を過ごせないですよね^^;
生活が苦しいから働こうとしても、それは高齢になってからは非常に難しいわけです。
 
 
世の中にはいろんな民間の金融商品などが溢れていますが、まずは物価の上昇にスライドする年金を押さえた上で民間の金融商品などを利用するというのが鉄則であります。
 
 
年金は生活資金の基礎であります。
 
 
何事も基礎をしっかり固めなければ、その上は成り立たないし簡単に崩壊します。
 
基礎が固まっていればそう簡単に崩壊しないのであります。
 
 
※追記
現在の年金制度は物価や賃金にスライドしますが、現在の仕組みはやや複雑になっているため、完全にスライドしない事もあります。
 

※年金変動の仕組みなど(2022年3月の有料メルマガバックナンバー)
参考
https://www.mag2.com/archives/0001680886/2022/3



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https://www.mag2.com/m/0001680886

6月15日の第246号は、「昔とは時代が大きく変化したために欠かせないものとなった年金や介護保険と、旧年金制度を絡めた年金事例」

6月22日の第247号は、「年金は比較的貰いにくいものだったのに、どのように変化しながら貰いやすくしていったのか」。


6月29日の第248号は、「そんなに年金保険料を納めていないのに、こんな事で貰える資格を満たした事例3つ」

6月1日の第244号.創設から早い段階で危機に陥った国民年金と、15年かけて国民年金を約4割引き下げた過去(1)を発行しました。

6月8日の第245号. 創設から早い段階で危機に陥った国民年金と、15年かけて国民年金を約4割引き下げた過去(2)を発行しました。