専業主婦の年金とその期間の離婚時年金分割による年金の増額。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちは!
年金アドバイザーのhirokiです。
 
 
あのー…、僕はお菓子類ってあんまりというかほぼ口にしないんですが(嫌いではないんですが…)、最近サツマイモ(焼き芋とか蒸し芋)にハマってます(;´∀`)
そこら辺の菓子より全然おいしいわチュー
自然の甘味の素晴らしさを感じさせてくれる!
 
栄養も食物繊維もたっぷりだから最高だぜチュー!!
 
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では本題です。
 
この間は専業主婦(主夫)の年金についてお話ししましたが、今日はその専業主婦の年金と離婚時年金分割ですね。
 
 
この記事では主に専業主婦を対象に話を進めます。
 
 
主夫もいる事は居ますが、99%は主婦なので…(;´∀`)
 
 
サラリーマンの専業主婦は年金保険料を支払わなくても年金が貰えるから恵まれてるって言われます。
 
 
結局何が一番いい方法なのかは何十年も議論されながらも答えが出なかった事ではありますが女性の年金権を確立するためにもそれは必要だったと思います。
 
 
ただ、これで専業主婦だった人が離婚したりした時は個人名義で年金が貰えるから安心だって言われるほど恵まれてはいない。
 
 
 
今の時代にはそうそういないでしょうけど、20歳から60歳まで完璧にサラリーマンや公務員の専業主婦期間だったとしても、老齢基礎年金満額780,100円÷480ヶ月×480ヶ月=780,100円(月額65,008円)にしかなりません。
 
 
まあ、夫(妻)の加給年金から配偶者の老齢基礎年金に付いてくる振替加算(大正15年4月2日~昭和41年4月1日以前生まれで最大年額224,500円~15,028円)とかありますが、そんな大した額でもない。
 
 
国民年金第三号被保険者になるために必死で年収を130万円未満に抑えるという涙ぐましい努力がいいのかどうかなのかは疑問ではある。
 
この130万円の壁のせいで働く女性の幅を狭めてしまっているという批判もある。
確かに僕もその辺はそう感じたりする。
 
パートの人がその年収を超えないように、経理の人が労働時間にピリピリしていたのが印象強かった。
 
 
130万円未満を死守してきた結果、少ない老齢基礎年金のみという結果になる。
 
 
最近は個人型確定拠出年金(イデコ)が第三号被保険者も加入する事ができるようになってるからそういう積立を利用して年金を増やす事も必要になるでしょう。
 
確定拠出年金は基本的には60歳までの掛け金拠出や積立運用(運用は70歳までできたりするけど)なので、既に60歳前後の方が多い僕の読者様には今更ご案内はしない。
 
 
あと、話す事が所得控除で節税、運用益が非課税、年金受け取り時も公的年金等控除が使えるから税金が安い等おおむね言う事がみんな統一されてる感じなので特に僕の記事ではそんなに案内してない。
 
確定拠出年金の本は今はもういっぱい乱立して発売されてるから、運用とかは自己責任で個人の好きなようにやってもらえればいい。
 
 
それか65歳以降年金を貰わないで、最高70歳まで年金貰うのを遅らせて年金を最大42%増やす年金の繰下げとか。
 
 
まあ今日はその辺は置いといて専業主婦の年金と、年金の離婚時分割による年金額の増額です。
 
 
1.昭和39年2月9日生まれの女性(今は55歳)
 
18歳の年度の、昭和57年8月に厚生年金に加入しているサラリーマンの男性と結婚。
 
まだこの時は20歳未満なので国民年金には強制加入しなければならないという年齢ではない(厚生年金とか共済組合は20歳前でも加入できます)。
 
 
20歳になる昭和59年2月から国民年金に強制加入になると思っていたが、昭和61年3月31日までのサラリーマンの夫の専業主婦は強制ではなくて任意加入だった。
 
 
この時、老後のためにもと思って国民年金に任意加入した。
 
ついでに付加年金(月々400円の保険料)も国民年金と一緒に昭和61年3月までの26ヶ月間納めた。
 
 
昭和61年4月からサラリーマンの夫(以下、国民年金第2号被保険者と書いたりします)専業主婦は国民年金第3号被保険者として、強制的に国民年金の被保険者となった。
 
 
ただし、自ら国民年金を納める必要は無くて、夫の厚生年金保険料に第三号被保険者の分の財源も含まれてる状態。
 
 
かといって別途、夫は国民年金保険料を負担するのではなく、厚生年金保険料のみを支払う。
 
 
というわけで昭和61年4月から平成31年2月現在までの395ヶ月は国民年金第三号被保険者。
 
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※注意
任意加入の時に付加年金にも一緒に加入していましたが、国民年金第三号被保険者は付加年金には加入不可。
自ら国民年金保険料を納めてる人は付加年金にも加入できる(免除者や未納者は納めれない)。
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平成31年3月中に離婚する事になった。
 
 
平成31年3月分からは自ら国民年金保険料を納めなければならなくなった。
 
 
再婚の予定はなく、平成36年(新元号6年)1月までの59ヶ月間は国民年金に強制加入で保険料納付義務がある。
 
 
なんとか保険料免除制度を申請して、平成36年1月まで国民年金保険料の全額免除(老齢基礎年金の2分の1に反映)をしようと考えた。
 
 
でもなんだか年齢的にも将来の年金が気になってきて、年金事務所で見込み額を出してもらった。
 
 
65歳からの老齢基礎年金額→780,100円÷480ヶ月×(26ヶ月+395ヶ月+59ヶ月÷2)=780,100円÷480ヶ月×450.5ヶ月=732,156円
 
あと、付加年金が26ヶ月あったので、200円×26ヶ月=5,200円
 
 
65歳からの合計年金額は老齢基礎年金732,156円+付加年金5,200円=737,356円(月額61,446円)
 
 
 
これだと非常に不安だった。
 
 
年金が増えないかどうかを調べた所、年金の離婚分割制度を知った。
 
 
 
夫から半分の年金貰える!やった爆  笑!と。
 
離婚分割には夫婦で話し合う合意分割と、第三号被保険者期間の部分を強制的に分割してもらう3号分割がある。
 
 
なお、3号分割は平成20年4月1日にできたものであり、平成20年4月以降の国民年金第三号被保険者期間のみが分割の対象となる。
合意分割は平成19年4月以降の離婚に限られるが、過去の婚姻期間の分割も可能。
 
 
平成31年3月16日に離婚後、3号分割自体は合意など不要でこの元妻の請求だけで半分分割できる
 
 
ちなみに分割するのは期間を分割するのではなく、夫の厚生年金保険料の納付記録(婚姻期間中の給与とか賞与の記録)を分割し、妻に厚生年金記録を持たせる事であります。
 
 
たとえば、50万円稼いだ月の、その50万円を夫婦で25万円ずつ稼いだ事にしようねえーって事です。
 
 
考え方としては、第三号被保険者を有する厚生年金被保険者(国民年金第三号被保険者)が負担した保険料は夫婦が共同で負担したものとするという事ですね。
 
 
 
とりあえず、まず3号分割だけを行おうとした。
 
 
分割する期間は、国民年金第三号被保険者だった平成20年4月(ここから3号分割制度ができたから)から平成31年2月(離婚月の前月)までの131ヶ月間。
 
 
この131ヶ月間は元配偶者の合意など無くても問答無用で分割できる(請求は離婚日の翌日から2年以内)。
 
 
この期間の夫が稼いだ給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)の合計額は、7,860万円(←月収入を60万円で131ヶ月間で換算してます)とします。
 
 
7,860万円を半分こするから、3,930万円の記録が第三号被保険者だった妻のものとなる。
 
 
くどいようですが、妻に131ヶ月間の期間を渡すわけじゃない。
 
 
というわけで元夫から厚生年金記録を分割してもらったから、将来この女性も老齢厚生年金が貰える。
 
65歳からの老齢厚生年金(報酬比例部分)→平均標準報酬額30万円(3,930万円を131ヶ月で割ったもの)÷1000×5.481×131ヶ月=215,403円
 
 
次に合意分割をしたいと思っていたが、平成31年5月に元夫が死亡した。
 
 
元配偶者が死亡した場合は死亡した日から1ヶ月以内に分割を請求しないといけない(3号分割も同じ)。
 
 
一応、合意の割合は決めていたが、正式に公正証書とか裁判所からの謄本や審判書謄本等の客観的に明らかにされていたわけではなかった。
 
 
そういう公的な書類などで明らかにされていなかったので、平成20年3月以前の記録の合意分割は出来なかった。
 
元配偶者が死亡した場合は、既に分割できる状態が整ってないと分割請求ができない。
 
 
これにより、この女性の65歳からの年金総額は、三号分割による老齢厚生年金215,403円+老齢基礎年金732,156円+付加年金5,200円=952,759円(月額79,396円)
 
 
※追記
本来はこの女性の生年月日だと、63歳から厚生年金が貰える年齢。
 
ただし、この女性は女性自身の厚生年金や共済組合、または両者合わせての記録が1年以上無いため、老齢厚生年金が完全に65歳支給となっている。
 
離婚による3号分割により131ヶ月分の厚生年金の納付記録が分割されてるが、くどいようですが期間を分割するわけではないのでさっきの厚生年金や共済年金の1年以上の記録があるとはみなされない。
 
 
なお、この女性は今は55歳なので、63歳になるまでにこの女性個人で1年以上の厚生年金期間を作っておくと63歳から老齢厚生年金が貰える。
 
 
合わせて離婚分割による老齢厚生年金215,403円も63歳から貰えるので、1年だけでもどこかの会社で厚生年金に加入して働いておくと良い。
 
それでは今日はこの辺で!


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ここだけのオリジナルの内容でお送りしております。

2月13日の第72号は「国民年金保険料は上限決められたはずなのに、なぜ毎年金額が違うのか?そのウラと国民年金の生き残りをかけた歩み」

この間、物価や賃金が発表されたから年金額だけでなく国民年金保険料も変わりました。
 
国民年金保険料はもう上限が決められたわけじゃなかったの!?って話ですが、そんな単純ではないですね^^;
ただ、新しい保険料が発表されましたってだけなら小学生1年生でもできる話。
 
今回発行する記事の内容を読んでもらえればその中身はバッチリとマスターできます。
 
これさえ読めば国民年金保険料の仕組みはわかる!!
わかれば難しくないからチュー!!
 
そして、合わせて頭に入れていてほしいのですが、国民年金保険料を上げる事がどうしてそんなに必要な事だったのかを理解してもらいたいと思います^^

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