給与が高すぎると老齢厚生年金が全額停止される場合があるが停止されない部分もある。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

おはようございます。
年金アドバイザーのhirokiです。
 
 
何日か前にセブンイレブンに寄ってお会計の時に、クジ引くことになりました。
箱を出された瞬間、手を突っ込んだら「酒・たばこ」のクジ箱だったから、おっと!!っと思いながら「一般商品」の箱に手を入れ替えた。
今はお酒たばこ類と一般を分けてるんですねキョロキョロ
 
引いたらお菓子だった。
当たるんであれば水がいいと思ってたら、お菓子のグミだった。
 
こういうお菓子って食べないんだけどなあ…と思ってましたが、一応どんな味か一口食べてみたけど呑み込めずに結局袋ごと捨ててしまった。
ケーキとかプリンみたいなのは好きだけど、スナック菓子類とかジュースのようなものって昔からほとんど口にしないんですよね(;´∀`)
お酒は去年の断酒まではたくさん口にしてきましたが…(笑)
 
では本題です。
 
 
60歳以上で老齢厚生年金を貰いながら、厚生年金に加入すると給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)と老齢厚生年金の合計額によっては老齢厚生年金が停止になる事がありますというのは今まで何度も言ってきた事であります。
 
 
停止になる場合は65歳前と65歳以後では停止基準が異なり、65歳以上では年金が停止されている人はそこまで多くはありません。
 
 
今回はその65歳以上の人の場合を見ていきましょう。
 
 
なお、厚生年金には70歳までしか加入できませんが、70歳以後も厚生年金に加入できるような基準で働くと老齢厚生年金は停止になる事があります。
 
 
ただ、停止といっても老齢厚生年金のすべてがそうなるわけではありません。
 
 
あくまで老齢厚生年金の報酬比例部分に該当する部分の年金のみ(この記事では厚生年金基金の部分は省いて話は進めます)。
 
 
70歳以上も停止するようになったのは、平成19年4月1日以降からそうなりました。
 
 
生年月日で言うと昭和12年4月2日以降生まれの人(平成19年4月1日時点で70歳以下)は年金が停止されることになったという事ですね。
 
昭和12年4月1日以前生まれの人はその停止からは免れていたんですが、平成27年10月の被用者年金一元化から同じように停止の対象になりました。
 
image
 
というわけで事例。
 
1.昭和26年5月24日生まれの男性(今は67歳)
 
 
高校を卒業した翌月である昭和45年4月から平成3年8月までの257ヶ月は厚生年金に加入。
国民年金強制加入する20歳到達時は昭和46年5月。
 
平成3年9月から平成12年6月までの106ヶ月間は海外に在住した(この期間は国民年金には加入する事はできるが加入しなければカラ期間)。
 
 
平成12年7月から再度厚生年金に加入したが75歳である2026年4月までは働くつもりで現在も代表取締役。
国民年金強制加入が終わる60歳到達月の前月は平成23年4月。
 
今現在は給与は毎月100万円で直近一年間に貰った賞与は無いものとする。
 
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一旦この人の65歳時点の年金額を算出する。
 
まず、平成15年3月までの290ヶ月の給与平均(平均標準報酬月額)を47万円とします。
 
平成15年4月から65歳到達月の前月までの平成28年4月までの157ヶ月の給与と賞与の合計額の平均(平均標準報酬額)を51万円とします。
 
 
・老齢厚生年金(報酬比例部分)47万円÷1000×7.125×290ヶ月+51万円÷1000×5.481×157ヶ月=971,138円+438,864円=1,410,002円
 
・老齢基礎年金779,300円÷480ヶ月×362ヶ月(20歳から60歳までの期間である昭和46年5月から平成23年4月までの期間)587,722円
 
 
また、この人は老齢厚生年金から経過的加算(差額加算)という年金が支給される。
 
・差額加算1,625円(平成30年度定額単価)×(290ヶ月+157ヶ月→447ヶ月)-779,300円÷480ヶ月×362ヶ月(20歳から60歳までの厚生年金期間)=726,375円ー587,722円=138,653円
 
 
年金総額自体は、老齢厚生年金(報酬比例部分1,410,002円+差額加算138,653円)+老齢基礎年金587,722円=2,136,377円(月額178,031円)
 
 
でもこの男性は65歳以上も厚生年金に加入して働いてるので老齢厚生年金の報酬比例部分1,410,002円(月額117,500円)が停止される場合がある。
なお、給与は毎月100万円ですが標準報酬月額の上限は62万円なので62万円を停止額計算に使う。
 
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・年金停止額を算出→{(62万円+年金月額117,500円)-年金停止調整額46万円}÷2=138,750円(月の年金停止額)
 
 
つまり、年金月額117,500円ー年金停止月額138,750円=-21,250円という事で、金額が0円以下になるから老齢厚生年金の報酬比例部分の支給はない。
マイナスになってるけどそのマイナス分まで余分には年金から引かない。
 
 
したがって、この人は今現在は老齢厚生年金(差額加算)138,653円+老齢基礎年金587,722円=726,375円(月額60,531円)が支給されながら働いてるという事。
老齢厚生年金の差額加算と老齢基礎年金は年金停止の対象外。
 
 
ちなみにこの男性は報酬比例部分が全額停止されてるので、仮に65歳未満の生計維持してる配偶者が居ても配偶者加給年金389,800円は全額停止されてしまう。
1円でも報酬比例部分に相当する部分が支給されてれば配偶者加給年金389,800円は全額支給。
 
 
さて、この男性が70歳になると65歳から70歳までの60ヶ月働いてきた分で年金額が増額されます(70歳到達時改定という)
 
image
 
この60ヶ月間をそのまま標準報酬月額62万円で働いたとしたら、単純計算ですが62万円÷1000×5.481×60ヶ月=203,893円の報酬比例部分が増額。
だから1,410,002円+203,893円=1,613,895円に増額。
 
 
一方、差額加算は447ヶ月から60ヶ月足すと507ヶ月になりますが上限が480ヶ月。
 
・差額加算→1,625円×480ヶ月ー779,300円÷480ヶ月×362ヶ月(20歳から60歳までの厚生年金期間)=192,280円に増額。
 
 
よって、70歳時点の年金総額は老齢厚生年金(報酬比例部分1,613,895円+差額加算192,280円)+老齢基礎年金587,722円=2,393,897円
 
 
ただし、退職するのは75歳の予定なので、この給与の条件で働き続けるとすれば75歳までは報酬比例部分は全額停止されて差額加算192,280円+老齢基礎年金587,722円=780,002円が支給総額になってしまう。
 
 
 

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