配偶者が繰下げ増額された年金貰ってたのに遺族年金にはそれは反映するのか。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちは。
アドバイザーのhirokiです。
 
 
昨日ブログ書いて見直してたら重大な勘違いに気付いて、もうやる気失くして1から別ので作り直しました(;´∀`)
 
 
もーなんていうか、記事の下書き保存する前に記事が消滅した時並の衝撃ですね…
 
毎回思うんですが、自分が頭でわかってる知ってる理解してると思ってても実際文章として書き出すスキルって全然違うんですよ汗
読み書き話しのスキルって全く別物のように。
 
僕は年金のことを主に書いてますが、発信する場合は年金知識だけじゃダメなんですよ。
 
年金知識理解×ライティングスキル等が合わさらないといけない感があります。
 
もう何年も書いてるけど、こればかりは書き続けて訓練するしかない。
口では何とでも言えても書くとなるとそうはいかない。
 
 
 
では本題です。
 
今回は繰下げ増額した老齢厚生年金を貰ってた人が亡くなった場合の遺族厚生年金の取り扱いについて。
 
 
というわけで事例。
以下の年金額は便宜上すべて平成30年度価額です。
 
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1.昭和18年3月13日生まれの夫(今は74歳)
 
20歳になる昭和38年3月から昭和40年3月までの25ヶ月は専門学校に通っていたが国民年金保険料を未納にした。
平成3年3月までの学生期間は国民年金任意加入と言われますが、専門学校や専修学校は昭和61年3月までは強制加入だったため保険料を支払わなかったらカラ期間にはならずに単なる未納になる。
 
 
 
 
昭和40年(1965年)4月から60歳到達月の前月である平成15年(2003年)2月までの455ヶ月間は厚生年金に加入。
 
この455ヶ月間の平均的な給与(平均標準報酬月額)は42万円とします。
 
 
昭和22年12月19日生まれの生計維持している妻り(60歳になるのは平成19年12月18日で65歳になるのは平成24年12月18日)。
 
 
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60歳からの老齢厚生年金額(報酬比例部分)は、42万円÷1000×7.543(昭和21年4月1日以前生まれの人は生年月日により乗率が高め)×455ヶ月=1,441,467円
 
 
 
あと、61歳からは老齢厚生年金の定額部分が支給され始める1,625円×1.134(昭和21年4月1日以前生まれの人は生年月日によりかさ上げされる)×444ヶ月(定額部分上限月数)=818,181
 
 
 
61歳到達時時点に65歳未満の生計維持している妻が居たから配偶者加給年金356,600円支給とする。
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※注意
昭和18年4月2日生まれの人は配偶者加給年金は389,800円(配偶者加給年金224,300円+特別加算165,600円)ですが、昭和18年4月1日生まれの人の配偶者加給年金は生年月日により金額が低め。
この男性は356,600円(配偶者加給年金224,300円+特別加算132,300円)。
 
なお、特別加算は昭和9年4月2日生まれの人にしか付かない。
 
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61歳からの年金総額は老齢厚生年金(報酬比例部分1,441,467円+定額部分818,181円)+配偶者加給年金356,600円=2,616,248(月額218,020円)となる。
 
 
 
 
 
 
・65歳からは老齢基礎年金779,300円÷480ヶ月×455ヶ月=738,711円が発生する。
 
 
 
 
65歳からの老齢厚生年金は報酬比例部分1,441,467円。
 
 
そして、定額部分と老齢基礎年金の差額を埋める経過的加算(差額加算)→1,625円×1.134×444ヶ月(上限月数)-779,300円÷480ヶ月×455ヶ月(20歳以上60歳までの厚生年金期間)=818,181円-738,711円=79,470
 
{10534866-C889-46F3-899B-6588A0DB4877}
 
 
よって夫の65歳時点(平成20年3月12日)の年金総額は老齢厚生年金(報酬比例部分1,441,467円+差額加算79,470円)+配偶者加給年金356,600円+老齢基礎年金738,711円=2,616,248円となり、65歳前の年金額とは変わらない。
 
 
 
 
 
さて、この男性は70歳(平成25年3月に繰下げ請求)まで老齢厚生年金を繰下げしていて、その増額分を70歳到達月の翌月から受け取っていた。
65歳から老齢基礎年金の738,711円のみ受け取っていた。
 
なお、老齢厚生年金の繰下げ中は配偶者加給年金356,600円も支給されないし、加給年金自体は繰下げ増額はしない。
 
 
 
 
 
 
65歳から70歳まで繰下げすると0.7%×60ヶ月=42%増額になる。
 
 
 
すると、70歳からは報酬比例部分1,441,467円+繰下げ増額分1,441,467円×42%=報酬比例部分1,441,467円+繰下げ増額分605,416円=2,046,883円の報酬比例部分の老齢厚生年金。
 
 
 
差額加算は79,470円+79,470円×42%=79,470円+繰下げ増額分33,377円=112,847
 
 
 
なので、70歳(平成25年3月)の翌月からは老齢厚生年金(報酬比例部分1,441,467円+報酬比例部分の繰下げ増額分605,416円+差額加算79,470円+差額加算の繰下げ増額分33,377円)+老齢基礎年金738,711円=2,898,441(月額241,536円)
 
※注意
妻が平成24年12月に65歳を迎えてるので、配偶者加給年金は消滅する。
 
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2.昭和22年12月19日生まれの妻(現在は70歳)
 
現在貰っている老齢厚生年金は10万円で、老齢基礎年金は50万円とする。
あと、この妻は65歳になった時(平成24年12月)の翌月に夫の配偶者加給年金(この時点は繰下げ中で加給年金貰ってないけど構わない)から振替加算98,692円が老齢基礎年金に加算。
 
さて、この妻はもし夫が亡くなった場合は夫の報酬比例部分2,046,883円の4分の3が遺族厚生年金として支給されると思っていた。
 
 
平成30年5月に夫が亡くなって遺族厚生年金の請求をした。
 
 
本当に2,046,883円の4分の3の額1,535,162円になるのか。
 
 
実は繰下げ増額分の年金は遺族厚生年金には含めず、夫の65歳時点の本来の老齢厚生年金1,441,467円の4分の3の額1,081,100円が遺族厚生になる。
ただし、妻自身に老齢厚生年金10万円があるからその分遺族厚生年金が停止される。
 
だから実際の遺族厚生年金の額は981,100円となる。
 
なお、この妻は昭和31年4月1日以前生まれなので生年月日によれば175,367円の経過的寡婦加算が加算される(夫が20年以上の期間がある厚生年金や共済、または両方で20年以上だった場合等)
 
 
 
よって、遺族厚生年金が発生してからの妻の年金総額遺族厚生年金981,100円+経過的寡婦加算175,367円+妻の老齢厚生年金10万円+老齢基礎年金50万円+振替加算98,692円=1,855,159円(月額154,596円)
 
 
というわけで、夫が繰下げで老齢厚生年金を増やしててもその増額分は遺族厚生年金には反映しないという事です。
あくまで夫の65歳時点の金額を使うのでありますヽ(•̀ω•́ )ゝ✨キラン
 
 
 
 
 
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