必ず覚えておきたい!厚生年金額を出す際に用いる平均標準報酬月額と平均標準報酬額! | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちは!
年金アドバイザーのhirokiです。


昨日は標準報酬月額標準賞与額についてお話しましたが、わかっていただけたでしょうか?!



厚生年金額を計算する際はとても重要なものなので必ず覚えていてくださいね!




で、今回は平均標準報酬月額平均標準報酬額についてです。





なんか、2つの用語ですがパッと見ると同じようですが、若干違いますよね。



そう!平均標準報酬「月額」と、平均標準報酬「額」となっています。



すごーく似てますけど、違うんですね。


{31BB14DE-2E06-4C60-8E0C-BD9FEDAC8AD5}



ちなみに、平均標準報酬月額は平成15年3月までの記録で、平均標準報酬額は平成15年4月以降を言います。



平成15年3月以前と平成15年4月以降の厚生年金加入記録でなんで、平均標準報酬月額と平均標準報酬額と分けてるんでしょうか?




これは単純に平成15年4月からは賞与(標準賞与額)も年金額に反映するようになったから。





平成15年3月までは賞与は年金額に反映せずに、標準報酬月額だけを用いていました。





だから、厚生年金額を算出する際は平成15年3月までの平均標準報酬月額と、平成15年4月以降の平均標準報酬額で分けて計算します。





「平均」という言葉を使ってるので、実際に老齢厚生年金額を出す際は過去の標準報酬月額や標準賞与額をぜーんぶ足して、全ての厚生年金加入期間で割って平均します。




だから標準報酬月額や標準賞与額が高かった人は高い厚生年金額になるし、低かった人は低い厚生年金額になる。





つまり報酬に比例するわけです。




平均を出すのはとんでもない作業なので…日本年金機構や共済組合の年金記録に任せます(笑)





例えば平成29年9月から平成30年8月までの12ヶ月は標準報酬月額が40万円でした。
平成29年12月に120万円の標準賞与額でした。


平成30年9月から平成31年8月までの12ヶ月は標準報酬月額が36万円で、平成30年12月に標準賞与額が100万円と平成31年7月に標準賞与額80万円でした。



平均標準報酬額はいくらになるか。


{0654EF63-9405-4E7C-BE0A-50BBE19DA084}



まずこの24ヶ月の間に、(標準報酬月額40万円×12ヶ月+標準賞与額120万円+標準報酬月額36万円×12ヶ月+標準賞与額100万円+標準賞与額80万円)=12,120,000円ですよね。


この12,120,000円を24ヶ月で割ると505,000円となり、つまりは平均標準報酬額が505,000円となります。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※補足
過去の低い標準報酬月額や標準賞与額をそのまま使うと年金額が下がってしまうから、現在の貨幣価値に直すために「再評価率」というのを標準報酬月額や標準賞与額に掛けていつも年金額は算出してます。

例えば昭和50年代くらいの標準報酬月額が15万円くらいだったら、この年代の再評価率は約1.3~2.0くらいだから仮に標準報酬月額15万円×再評価率2.0=30万円で標準報酬月額を再評価して、年金額が極端に低下しないように配慮される。

厚生年金額を出す時は過去すべての標準報酬月額に再評価率を掛けないといけないから手計算を求める人はドSやね(笑)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



じゃあ実際に老齢厚生年金額をザッと計算します。


平成15年3月以前の厚生年金期間は180ヶ月で、平成15年4月以降は160ヶ月でした。


平均標準報酬月額35万円で、平均標準報酬額が50万円でした。





老齢厚生年金額はいくらになるか。



・老齢厚生年金(報酬比例部分)→平均標準報酬月額35万円÷1000×7.125×180ヶ月+平均標準報酬額50万円÷1000×5.481×160ヶ月=448,875円+438,480円=887,355円



となる。




おっと、ここで7.125とか5.481って数字が出てきましたよね。
これを給付乗率といいます。




でも、見てみると標準賞与額を含むようになった平成15年4月以降の平均標準報酬額に対しては平成15年3月以前の7.125から5.481と低くなってしまいました。



{8F656651-87AF-4E15-8C1B-F853EC041281}



つまり給付水準を引き下げたような形になっています。





平成15年4月からは標準賞与額も含むようになったから、そうなると賞与を計算に含まなかった平成15年3月以前の期間より単純に年金額は高くなるって事ですよね。





こうなると加入した期間によって年金額の高低が生じるから、標準賞与額を含む前と後で年金水準が概ね平行になるように、7.125から5.481に引き下げたんです。



ちなみに7.125を1.3で割ると5.481という数字が導かれます。




これはどういう事かというと、12ヶ月の給与に対して賞与が平均的に3.6ヶ月分支払われると仮定されています。




つまり、12ヶ月:3.6ヶ月=1:0.3という事になる。



賞与額を含むと1.3倍高い水準になってしまうから、賞与額による増額分を引き下げる意味で1.3で7.125を割っているんです。



これで平成15年3月以前の記録と平成15年4月以降の記録でも厚生年金額が概ね平行になるように設計されてある。




でも非正規労働者が30年前の約650万人より、3倍の約2,000万人ほどになった現代では賞与なんてそんなに出ないよ!っていう人にとっては実質的な引き下げですよね…




※毎週水曜日20時に有料メルマガ発行! 
ここだけのオリジナルの内容を発信しています。
まぐまぐ大賞2016年知識ノウハウ部門2位、まぐまぐ大賞2017年メディア部門MAG2NEWS賞12位受賞、メルマガ殿堂入りを機に有料版も始めました。
様々なパターンの事例形式でお送りしております。
月額756円(税込)で登録初月は無料。 
なお、月の途中で登録されてもその月に発行した過去分は全て読めます。 
 
 
過去の有料メルマガバックナンバーは下記にて月単位で購入する事ができます。
なお、バックナンバーは初月無料が適用されませんのでご注意ください
購入後は即時にその月に発行した記事は全て送付されます。
※2018年有料メルマガバックナンバーリスト
 
※2017年有料メルマガバックナンバーリスト
 
 
※注意
有料メルマガや有料メルマガバックナンバーを購入するには、無料のまぐまぐマイページを作成する必要があります。
マイページ作成は30秒〜1分くらいでカンタンにできます。