年金保険料払ってても年金貰う前に死んだら完全に掛け捨てなのか。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちは。
年金アドバイザーのhirokiです!



結構世間で、年金保険料支払ってきても貰う前に死んだら払い損じゃないか!ってよく力強く言われますが、そりゃ年金は保険だから保険事故(老齢になる、死亡した時に一定の遺族がいる、障害になる)がなければ掛け捨てにはなりますよ(^^;;



民間の定期保険とか医療保険なんかも保険期間中に万が一がなければ基本的に掛け捨てなわけで…



でも民間保険はそれを承知で積極的に加入していきますよね。
掛け捨てに関する批判もあまり強くはない。




さて、公的年金に関しては掛け捨てと言われても国民年金に関しては掛け捨て防止の制度はあります。


とはいえ、本人が死んだ時に遺族に支払われる場合ですけどね。
死亡一時金といいますが、まずは遺族年金の話から入りますね
ニコニコ



20歳になると国民年金には国民全員が加入しますが、自らの意思で国民年金保険料を支払っていく形の国民年金第1号被保険者と呼ばれる自営業や農業とかフリーター、無職、学生みたいな人にはもしその人が死亡した時には遺族基礎年金という年金が支給される場合があります。


この遺族基礎年金は、死亡当時生計を維持していた「子供がいる配偶者」、または、「子供のみ」に支給されます。
生計維持されていたというのは、簡単に言うと死亡者と同居していて配偶者は前年の収入が850万円未満のような場合を指します。


子供っていうのは18歳年度末未満の子供をいいます。
なお、18歳年度末までに障害等級1、2級くらいの障害を有する子供であった場合は20歳までが子供として扱われます。


まあちょっと例として挙げてみます。

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1.昭和45年9月25日生まれの女性(今は47歳)
・何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)

20歳から27年間国民年金保険料を納めてきたが、平成29年10月に亡くなった。


配偶者は45歳の夫(前年の収入は850万円未満)と、15歳の子供が1人。


遺族基礎年金は子供のある配偶者、または、子供に支給する権利が発生します。
なお、この女性が死亡した月の前々月までに3分の2以上は保険料を納付したか免除期間でないといけません。
または死亡した月の前々月までの直近1年間に滞納が無い事が必要。

ちなみに、この女性は既に25年以上の納付をしてるのでこの前々月までの記録を心配する必要はありません。




また、配偶者と子供に遺族基礎年金を貰う権利が発生しますが、この場合は配偶者が優先されます。
子供がいる配偶者として。



よって、配偶者である夫は遺族基礎年金779,300円+子1人の加算金224,300円=1,003,600円の支払い。



ちなみに子供自身の遺族基礎年金は配偶者(父親)が貰ってる間は停止の状態なだけで貰う資格を失ったわけじゃない。
この父親が貰ってる場合に、父親が死亡したり、子供と生計を同じくしなくなったら父親の遺族基礎年金は消滅して、子供の停止されていた遺族基礎年金が停止解除されて子供が貰う事になる。


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さて、遺族年金というのは基本的には終身年金ではありますが、それは厚生年金や共済年金の事であり、この国民年金から支給される遺族基礎年金は子供が18歳年度末を迎える事で消滅します。



つまり、有期的な年金なんです。




だからもし、せっせと国民年金保険料を支払ってきても、残された配偶者にそもそも18歳年度末未満の子供が居なければ遺族基礎年金は貰えずに今まで支払った国民年金保険料は完全に掛け捨てになってしまいます。



遺族基礎年金は有期年金に対して、厚生年金から支給される遺族厚生年金は基本的に終身年金だし遺族の範囲も配偶者、子、父母、孫、祖父母までと広いから受給者の数も全然違います。
遺族基礎年金が支給されてる人は11万人くらいしかいないけど、遺族厚生年金受給者となると500万人くらい居ます。



だから、国民年金に関しては遺族基礎年金貰う条件が厚生年金より厳しいから、一定の掛け捨て防止の独自制度が設けられています。




それが死亡一時金と寡婦年金と呼ばれるものです。

上の例だとなんとか、この女性がちゃんと納めてきた国民年金保険料は遺族基礎年金として遺族に支払われたので掛け捨てにはならなかったですが、そうじゃないと完全に掛け捨てになるので掛け捨て防止として死亡一時金や寡婦年金という制度が設けられています。



ちなみに、寡婦年金は寡婦だけに支給される60歳から65歳までの年金なので、上の例みたいに遺族が寡婦以外だと関係が無い。
まあ寡婦年金は過去に遺族基礎年金貰っても貰える。

とりあえず寡婦年金については次回のメルマガで話す事にして…今回は死亡一時金について。



上の例で、もし妻の死亡時点で夫と18歳年度末を超えた子供であれば遺族基礎年金は支給されません。




つまり妻が今まで支払ってきた国民年金保険料は掛け捨てになりました。



ただし、国民年金保険料を納めた期間が死亡月の前月までに3年以上あるから死亡一時金が支給される。

金額は国民年金保険料を納めた期間により120,000円~320,000円となる。
免除期間も含むが、ちょっと月数の数え方が違う。

例えば国民年金保険料を1ヶ月分ちゃんと納めたら1ヶ月にカウントするけど、仮に4分の1免除だったら「4分の3ヶ月」としてカウントする。
4分の1免除期間が36ヶ月なら、36ヶ月÷4×3=27ヶ月って事。

・死亡一時金(日本年金機構)


死亡一時金が支給される遺族の範囲は配偶者、子(年金と違って18歳年度末とかは関係無い)、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順で一番上の順位者が請求する。



遺族年金は本人死亡当時の遺族の前年収入を見るけど、死亡一時金は収入までは見ない。
同居みたいに生計を同じくしてるかどうかを見る。



で、仮に上記の妻の国民年金保険料納付期間27年(324ヶ月)で支給される死亡一時金を見ると、夫の請求により220,000円の死亡一時金になる(定額)。


なお、請求する人が複数の場合(子が3人居たとか)は、1人がした請求により支給した死亡一時金はその3人全員にしたものとみなされる

220,000円は自由に分けるという事。

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※追記
死亡一時金が支給されるのは、死亡した本人が国民年金第1号被保険者として国民年金保険料を納めたり免除にした部分だけを月数にカウントする。

厚生年金や共済組合に加入してた人(国民年金第2号被保険者)や、配偶者の扶養に入っていた人(国民年金第3号被保険者)の期間は死亡一時金の月数にはカウントしない。




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