年金アドバイザーのhirokiです
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よく、厚生年金計算に5.481とか7.125っていう数字を使って計算しますがこれは一体何を意味する数値なのか。
500,000円÷1000×5.481×480ヶ月=1,315,440円とか。
過去に何回か記事にはしましたが、時々質問を受ける部分でもあるのでブログにもまたザックリ書きます。
この7.125とか5.481というのは厚生年金の報酬に比例した年金を支給する場合に用います。
もともと、この1000分の5.481っていうところは、昭和61年3月までの旧年金は1000分の10だったんです。
昔は大体雇用が30年程度と見込まれていて、現役男子の給与に対して30%の報酬比例部分を支給する形になっていました。
で、報酬に比例する部分の年金と一緒に定額部分(今の老齢基礎年金の前の年金みたいなやつ。昭和60年改正で廃止したが支給開始年齢引き上げに伴い経過的に今も支給してる)と配偶者加給年金も合わせて60%台になる設計だったですね。
つまり、(報酬比例部分の年金)と(定額部分の年金+配偶者加給年金)が概ね1:1になる形。
ちょっと話を戻しますが、1000分の10なら0.01ですよね。
30年かけて30%の報酬比例部分の年金を支給するなら0.3÷30年=1000分の10=0.01になるわけです。
しかし、雇用者が昭和30年(この時点はまだ約840万人)から昭和50年(雇用者が約2,400万人)にかけて急増し、20歳から60歳まで40年かけて働くような事も増えつつありました。
40年だと、報酬比例部分30%支給が40%支給になっちゃうんです。
もうこうなっちゃうと、報酬比例部分と定額部分+配偶者加給年金の比率を1:1で支給してしまうと、現役時代に比べて、80%以上の年金を支給してしまうから過剰給付になっちゃうんですね。
現役時代に対して80%以上も年金支払っちゃったら、年金給付と現役世代の保険料の負担のバランスが崩れてしまう。
だから、昭和60年改正の時に20年かけて生年月日に応じて1000分の7.5まで引き下げたんです。
7.5にする事で雇用が30年から40年に延びても過去の標準報酬月額に対して30%の報酬比例部分の年金になるように変更した。
30%の報酬比例部分の年金を40年加入で割ると、0.3÷40年=1000分の7.5=0.0075になりますよね。
で、報酬比例部分と定額部分+配偶者加給年金が1:1の割合だったのを、定額部分を昭和60年改正で廃止して老齢基礎年金に改めて、「報酬比例部分と夫婦2人の老齢基礎年金」を合わせてなんとか男子の現役時代の給与に対して60%台の年金となるようにしました。
ところが、平成12年改正の時にこの乗率7.5から5%下げたんです(5%適正化という)。
7.5-5%=7.125。
適正化っていうのは、引き下げって事。
なぜ5%更に引き下げたのかというと、これからの現役世代の負担を過剰にしないためで、なんとか給与に対して20%以内の保険料負担に収まるようにするためだったんです。
そして、同時に平成12年改正の時に報酬比例部分の年金の支給開始年齢を65歳に引き上げる事を決定した。
これにより、将来の年金給付を2割削減と同時に保険料負担を20%以内に収めたわけです。
大体給与に対して保険料負担のピークは30%くらいをみていたんですが、平成9年の金融危機で更に景気が悪くなって企業の負担も20%以内が限界になってきたから(平成16年改正により、今年9月で18.3%上限)。
そして、次は平成15年4月から賞与も年金に反映するようになった。
平成15年3月までは給与(標準報酬月額)にしか保険料を徴収しなかった(賞与からは特別保険料として1%徴収してたけど年金には反映せず、年金財源に充てていた)。
賞与には保険料かからなかったけど、厚生年金保険料って労働者と事業主が折半して保険料支払うから、事業主が負担を軽減させるために、給与の引き上げを抑制して、その分賞与を高くして保険料負担を逃れるという抜け道があった。
これを防止する為でもあったんですけどね。
平成15年4月以降は賞与による年金増額分が数理計算により1.3倍と見込まれたため、7.125÷1.3=5.481となり、平成15年3月までの年金と平成15年4月以降の年金がほぼ平行になるように5.481にあらためたわけです。
賞与からも保険料を徴収して、年金額に反映させれればその分平成15年3月までの厚生年金より増えるからですね。
でも、賞与が貰えないと実質的には年金の引き下げなんですけどね(^^;;
ちなみに僕が、ブログやメルマガで事例計算する時、平成15年3月までと平成15年4月以降だと計算を別々にしないといけないからあんまし平成15年3月までの記録を話したくないのはこの為です(笑)
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