2つ以上の老齢厚生年金貰いながら給付金貰うとどのように年金がカットされるのか? | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちは!
年金アドバイザーのhirokiです。


ブログというのはタイトルがすっごく大事だと思ってるんですが、もうね、毎っ回記事のタイトルって何て書いたらいいのか悩むんですよ(^^;;

記事は書けどもタイトル決まらず…





さて前回、老齢厚生年金(60〜65歳まで支給される老齢厚生年金を特別支給の老齢厚生年金という。以下、老齢厚生年金と略)を貰いつつ、厚生年金に加入して、60歳時みなし賃金よりその後の賃金が75%未満に下がると、雇用保険から高年齢雇用継続給付金が支給されると同時に年金がカットされる事を書きました。



なお、60歳以降の給与が60歳時みなし賃金より61%未満に下がると、最大で下がった給与の15%の高年齢雇用継続給付金が支給されますニコニコ

※注意
60歳時みなし賃金というのは、60歳到達日以前6ヶ月に貰った賃金を180で割って30倍したもの。





厚生年金加入中だと年金の停止額が適用されて支給された高年齢雇用継続給付金の約4割が年金からカットされます。





というわけで、今回は日本年金機構から支給される老齢厚生年金だけでなく、共済組合から支給される老齢厚生年金も合わせて貰ってる場合の人で考えてみましょう(^-^)/




日本年金機構から支給される老齢厚生年金を第1号老齢厚生年金と呼び、国家公務員共済組合から支給される老齢厚生年金を第2号老齢厚生年金と呼んでいますニコニコ
※参考
地方公務員共済組合から支給される老齢厚生年金を第3号老齢厚生年金、私立学校共済組合から支給される老齢厚生年金を第4号老齢厚生年金と呼ぶ。



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前記事と同じく、昭和31年10月生まれの男性で考えてみましょう。
来月60歳になり、62歳から第1号老齢厚生年金、第2号老齢厚生年金の受給権が発生します。



年金額はそれぞれ、
①第1号老齢厚生年金➡︎月額70,000円。
②第2号老齢厚生年金➡︎月額10,000円。


とします。


あと、

60歳時みなし賃金は400,000円。

60歳以降、再雇用で給与が200,000円に減額。
賞与は支給されないものとします。



減額率は60歳時みなし賃金に対して給与が50%になり、60歳時みなし賃金に対して60歳後の給与が61%未満に下がっています。

だから、月の高年齢雇用継続給付金は200,000円✖️15%=30,000円



で、老齢厚生年金貰いながら厚生年金に加入すると月額給与(直近1年に貰った賞与を12で割ったものも含む)と年金月額との総額が28万円超えてくると年金がカットされます。
厚生年金加入中に支給される老齢厚生年金を在職老齢年金と言います。





しかし、第1号老齢厚生年金70,000円と、第2号老齢厚生年金10,000円とこの人の給与(標準報酬月額)200,000円だからなんとかギリギリ28万円に納まってるから在職してる事による年金のカットは無し。




だから、一応62歳以降の月の収入合計額としては、給与200,000円➕高年齢雇用継続給付金30,000円➕第1号老齢厚生年金70,000円➕第2号老齢厚生年金10,000円=310,000円。



でも、高年齢雇用継続給付金貰ってるから年金がカットされます滝汗




60歳時みなし賃金400,000円に対して標準報酬月額(⬅︎年金の停止額算出の時は給与ではなく標準報酬月額を使う)が200,000円に下がり、61%未満に下がってるから標準報酬月額✖️6%が年金からカット。



よって200,000円✖️6%=12,000円が年金から削られる。




さて、この男性は第1号老齢厚生年金70,000円と第2号老齢厚生年金10,000円で合わせて80,000円貰いますが、どっちから12,000円がカットされるんでしょうかびっくり






この場合は12,000円の停止額を按分します。
つまり、日本年金機構から支給されてる年金額と、共済組合から支給されてる年金の割合で停止額を分けるって事。


どう按分するかというと、こんな感じ。




第1号老齢厚生年金は全体の年金総額80,000円に対して70,000円支給されています。



だから停止額12,000円÷(全体の年金➡︎第1号70,000円➕第2号10,000円)✖️70,000円

⬇︎

12,000円✖️(70,000円÷80,000円)=10,500円⬅︎第1号老齢厚生年金から停止する額





次の第2号老齢厚生年金は全体の年金80,000円に対して国家公務員共済組合から10,000円支給されてます。


だから、停止額12,000円÷(全体の年金➡︎第1号70,000円➕第2号10,000円)✖️10,000円

⬇︎

12,000円✖️(10,000円÷80,000円)=1,500円⬅︎第2号老齢厚生年金から引く停止額。




よって、支給されるそれぞれの老齢厚生年金は、
第1号老齢厚生年金70,000円➖高年齢雇用継続給付金を貰う事による停止額10,500円=59,500円


第2号老齢厚生年金は10,000円➖高年齢雇用継続給付金を貰う事による停止額1,500円=8,500円




だから、月の収入合計額としては給与200,000円➕高年齢雇用継続給付金30,000円➕第1号老齢厚生年金59,500円➕第2号老齢厚生年金8,500円=298,000円。

となりますニコニコ


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※追記
共済組合からの老齢給付は退職共済年金(60〜65歳までのを特別支給の退職共済年金という)といいますが、この特別支給の退職共済年金は平成27年9月30日までは、特別支給の退職共済年金貰いながら民間企業で厚生年金に加入しても高年齢雇用継続給付金を貰う事による年金からのカットはありませんでした。

退職共済年金も平成27年10月からは高年齢雇用継続給付金の停止額が適用されています。



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