年金の過払いが発生すると、年金を返さないといけない! | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

年金の過払いというのはその名の通り、年金が通常より多く、年金受給者に支払われてしまったという事です


この支払いすぎが起きてしまうとどうなるかというと、当然、年金機構に返済しないといけません


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皆さんが時々ニュースとかで耳にする年金受給者が死亡したにもかかわらずその事を隠蔽し、配偶者や子、孫等がその年金を受給し続けるような犯罪は論外として、年金過払いが起きてしまう原因は細かな事書くとキリがないのですが、ダントツで多いのは配偶者加給年金の払い過ぎですね


特に気をつけてほしいのは、離婚した時(離婚したのに年金機構に報告してない)や、自分の年金に配偶者加給年金が支給されてるけど、配偶者の年金記録に厚生年金期間や共済年金期間が20年以上あって支給開始年齢に達して、年金が支給されるにもかかわらず配偶者が年金の請求をしていなかったりした時です(だから年金請求は速やかにしてほしいというのもあります)。
これを見逃すとかなり高額な過払い金が発生しかねません。
本来、配偶者が20年以上の期間を有する厚生年金や共済年金を受給する場合は、配偶者加給年金は停止しなければいけないんです


また非常に厄介だったのが、20年以上の期間がある共済年金を配偶者が受給してるのにその事実を年金事務所に知らせてないような時です(まだ共済年金と年金機構は別物だから情報のやりとりをしてないため、共済年金を貰い始めたら年金機構に自分から加給年金を停止する手続きしないと加給年金が支払われ続けてしまいます。平成27年10月からは解決してくるはず…おそらく…)。

今は配偶者加給年金の年額は390,100円なんですが、例えば夫の老齢厚生年金に加給年金が支払われていました。
そして妻が60歳から共済年金(20年以上期間があるやつ)貰い始めました

でも妻が60歳から65歳になるまで年金事務所に夫が夫自身の老齢厚生年金に付いてる加給年金を停止する手続きをしてませんでしたとかなると…1,950,500円(390,100×5年分)もの配偶者加給年金を返済しないといけません(特に何もなければ配偶者加給年金は配偶者が65歳になるまで貰えますが…)。




年金…返してもらわないといけないですねー200万円くらいっ(^_-)テヘッ☆




…って宣告しなきゃいけない時とかもう、恐ろしいのなんのo(;`ω´ )o!!!!


早く共済年金と厚生年金を厚生年金に統一(今年10月からの被用者年金一元化)してほしいというのはこんなとこにもあるんですねー(^^;;

加給年金を受給する際の注意点は年金請求の時に説明は受けると思うんですが、受給し始めるとなかなか「?」な事も多いのが年金制度なので、どうしても忘れてしまいがちです



さて、前置きが長くなりましたが、年金の過払いを起こした場合、過払い分を返済する際は基本的に毎回払われる年金から返済に回されます
(ただし、厚生年金での過払い分をまだ現在制度の違う共済年金から引く事は出来ない)

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年金から天引きみたいになるんですが、偶数月に支払われる年金からはどんなに返済に回されても半額までが最大となります。


例えば返済額が100万あって、8月とかの偶数月に30万の年金が振り込まれるとします。
その30万の年金すべてを返済にはまわされません。

15万までしか引くことは出来ません。

ただし、税金や社会保険料が引かれてる場合は、30万から税金などを引いた後に残った年金額の半額が、返済に回せる最大の額です。
例えば、30万のうち2万が税金と社会保険料だったら28万の半分、つまり14万円までは返済に回されます。


なぜ半額が最大かというと、年金全部返済にまわしたら生活が困窮するからです。(っていうか半額も返済に回したら十分生活が困窮してしまうような…
あせる)


生活保障になりません。


ただし、手続きのタイミングなどの何らかの事情で奇数月に年金が支払われた場合は全額、返済にまわされてしまいます


なお、返済は基本的にはこのように半額返済ですが(もちろん返済額が少なければその金額だけ)、その負担がちょっと重い…という人は返済額を99分の1まで抑えることができるので年金事務所に相談されて下さい。
何も相談しなければ半額返済になります。
あと、年金から引かれるのが嫌なら納付書での返済も可能です。

とはいえ、いずれにせよ、過払い金返済は5年以内で完済が目安とされます。

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