Lester Brown(2004年)によると、山西省最大の河川で黄河の支流「汾河(註1)」は、全く水が流れていないそうだ。彼の著書の当該箇所は1998年の資料を参照して書かれている。ということは遅くとも1998年以降流れていないと考えられるわけだ。
山西省の首都太原市では水の供給を地下水に頼っており、次第に涸れる井戸がでてきているという。(註2)
おお、なんということだ。それはいつかきっと悲惨な結果を生む。あの地域がどんなに乾燥していることか。
10年以上前に、華北に3カ月ほど滞在したことがある。
北京から陝西省西安市に飛行機で移動する途中、太原市の上空を飛んだ。下は見渡す限りの黄土高原。
空から見ると、黄色というより灰色っぽい。森林は全く見あたらない。
そう、華北のつらいところは、森林も草原も貧弱で、それゆえに水も足りないということだ。人口は多いが。
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註1:「汾水」という表記はどうも古いらしい。
註2:「汾酒」(フェンチウ)という度数60度の有名な酒があるが、水が無くなったら生産不能になるに違いない。
Angela の初予算案が固まったそうだ。
FT.com 2月21日付記事 "German budget shies away from cuts"
http://news.ft.com/cms/s/3bb297b8-a2fc-11da-ba72-0000779e2340.html
Eurozone 共通の目標「対GDP比3%以下の財政赤字」はまたもや未達で、3.4%。
野党はいいとして、Bundesbank も予算案に批判的らしい。
「ドイツの中央銀行は、もし政府が経済成長を促進する政策にかける支出を控えめにすれば、今年3%以下に赤字を抑えるのは可能だ、と述べた」
というくだりがある。
ん? Bundesbank は景気を良くすることに反対なのか?
付加価値税率は予定通り16%⇒19%の増加。
Yahoo! Japan ニュース 2月21日付記事:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060220-00000514-yom-soci
大陸移動を引き起こす地殻変動によって地殻が長い年月の間に曲げられてできた山脈を褶曲山脈(しゅうきょくさんみゃく)と呼ぶ。
日本列島も全体としては褶曲山脈と言っていい。
北米のロッキー山脈
南米のアンデス山脈
中印国境地帯のヒマラヤ山脈
北アフリカのアトラス山脈
みな褶曲山脈だ。
イラン、トルコ、アフガニスタンなどは日本同様「国中が褶曲山脈」状態だ。
なんでこんな話をいきなり始めたかと言うと、地理的に偏在している石油の主な埋蔵地域2種類のうち1種類が褶曲山脈の周辺だからだ。(全てがこの2種類に該当するかどうかまでは知らない)
埋蔵地域は主に以下の2つ。(一部両方にかぶっている地域がある。そういう地域はなぜか埋蔵量が豊富だという印象がある。関係があるのだろうか?)
(1)大陸内の巨大な盆地状地形 ・・・ マンチュリア、渤海、タリム盆地、カスピ海、北海、ペルシャ湾、西シベリア など
(2)褶曲山脈の周辺 ・・・ ペルシャ湾~メソポタミア、カスピ海南部、タリム盆地北部、ペルー~エクアドル~コロンビア~ベネズエラ、メキシコ湾岸、スマトラ島 など
秋田県や新潟県には古くから油田があったが、小規模なものばかりだった。「日本は褶曲山脈なのに、どうして油田に恵まれないのだろう?」と長年思っていた。
ひょっとしたら案外埋蔵量があるのかもしれない。
メタンハイドレートと石油の生成が同一だという確実な証拠はまだ無いが、それでもある種朗報には違いない。
今回発見された海底は佐渡島と直江津の間。
しばらくご無沙汰していた。
今回はちょっと飛び入り。
Yahoo! News 2月18日記事: "800 years on, Genghis Khan still casts long shadow in China"
http://news.yahoo.com/s/afp/20060219/ts_afp/chinamongoliakhanhistorypolitics_060219034610
そういえば、800周年だ。
私見だが、こういう記事を読んでいると、中共政権は「我々は清帝国の後継者だ」という発想を持っていることが、断片的ではあるが、伺える。
いずれ、論じたいと思っている。
副題:商業振興・通貨(その4)
銀だけでは拡大する通貨需要をまかなえなかった。
昔も今も銀はシナ大陸ではあまり産しない。銀は外部から移入しなければならなかった。江戸幕府 がやった「銀山を直轄地とする」といったことは困難だった。
そこで、実質的な政府紙幣が2種類導入された。
片方は「塩引」と呼ばれた。塩との交換を保証する証券を政府が発行した。こちらは高額紙幣だった。
銅銭の代替物としての紙幣「交鈔」も導入され、発行準備を用意した上で発行された。こちらは小額紙幣だった。
塩引を発行するにあたって、銀を対価として支払わせた(註1)。
塩引を政府に差し出せば、政府しか販売できない塩といつでも交換できることから、塩引は信用され流通した(註2)。
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註1:塩引はモンゴル以前からシナ社会にはあった。通貨(=銀)供給を補うことを目的として発行するようにしたのは、モンゴル政権の特徴だ。
註2:塩引売却収入が政府の歳入に占める割合も次第に大きくなっていき、後には8割に達するようになったらしい。
今日アメリカがドル紙幣を刷りまくっているが、それに少し似た緩やかなインフレ政策だと考える。
副題:商業振興・通貨(その3)
政局安定の目的もあって、クビライはモンゴル帝室や政権内有力者にときどき銀を賜与していた。(註1)
彼はこの銀の単位を決めた。「錠」という単位が定められた。約2kg。この単位はモンゴル支配下のユーラシア各地において共通する単位となった。
地域によってはモンゴル語の「スケ」、或いはペルシャ語の「バーリシュ」、ウイグル語の「ヤストゥク」などと呼ばれた。
帝室や有力者に賜与された大量の銀を、彼らはオルトクへ出資した。オルトクはユーラシアの広範な領域で活動し、各地で納税した。それがまたクビライの下へと還流した。
銀を基準とする、通貨流通が整備されていった。
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註1:帝室に対しては定例賜与と臨時賜与と両方あった。定例だと年間5000錠賜与だった。
註2:モンゴルが勃興する前から、ユーラシア中央~中東・北アフリカでは銀が通貨として使われていた。モンゴルはこれを拡大した。宋代までのシナでは、通貨は銅銭だった。
副題:商業振興・通貨(その2)
クビライは財務専門の中央官庁を設置した。後に尚書省と呼ばれる組織である(註1)。この組織に重商主義的と言って良い財政運営をさせた。
歳入には2つの柱があった。塩の専売収入(註2)と、小売商人の営業活動に課された売上税(註3)だった。
中央政府は農業に課税しなかった。農業への課税は地方政府に任された。
税制の簡素化・一律化により、遠隔地間の商業活動がさかんになった。
中央アジア・西アジアから来たムスリム商人、旧ウイグル遺民、漢人などが「オルトク(註4)」を組織して商業活動に参入した。
ただし、クビライはオルトクの行動範囲に許認可の枠をはめた。「勅許」を与えたオルトクだけがモンゴル帝国内のどこへでも行くことができ、また交通インフラを自由に使えるようにした。
商業活動をさかんにする上でなくてはならないのが、通貨体系の整備だ。通貨制度はこのオルトクとも結びついていた。
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註1:設置当初は「制国用使司」と呼んだ。今日の日本で言うと、経済財政諮問会議・金融庁・財務省・経済産業省・国土交通省を全部一つにしたような組織だった。
こういう経済官庁としての中央官庁が大々的に組織されたことは、それまでシナ諸政権では無かった。
クビライはムスリム商人出身者を尚書省のトップに起用した。
註2:面積の割りに海岸線が短く、内陸部が広がっているので、シナ内陸部には塩を外部から移入しなければならない地域が広大に拡がっている。だから、塩を専売制にすると国庫の見入りはとても良くなる。
専売制自体は漢代からある。もちろん、長い歴史の間には、塩の密造・密輸も少なくなかった。
註3:卸売り段階では課税せず、最終消費、すなわち小売段階或いは政府への売却段階でのみ課税した。税率は一律に1/30、即ち3.3%で、これは実質的な大幅減税だった。それまで各都市を経由する度に課税されることによる「中間搾取」が無くなったからだ。織田信長が導入させた「楽市・楽座」はこれと良く似た政策だ。
註4:「胡と漢(57)」で述べた、民間企業体。
ところで、純ちゃん、あんたアメリカ人と仲が良いんだろうが、それにしても、彼らに協力的だよね。
個人的には賛成しかねることを結構やっているようだが、それでもそこまで味方すれば立派なものだと思う。
そう。味方するなら、どうせ味方するなら、徹底的に味方する方が確かにいいね。特に強い奴に対してはね。Machiavelli がそう言ってるが、俺もその点については同意する。
長期的に見れば、シナ人は反日にこだわる必要は無いと俺は思っている。中共政権が倒れてしまえば、「反日運動は共産党のやったことだ。共産党政権は独裁政権で、逆らえば殺されても文句は言えなかった。生き延びるためには心にあろうが無かろうが、反日を叫ぶしかなかった」って言えば、済んでしまう。
日本人は水に流すのは得意だから、そこそこ仲を維持できるようになるだろう。
中共が倒れて大陸の反日運動が下火になったら韓国人はどうするつもりだろうか?