最初に聴いたのは確か高1の夏だった。スポティファイの無料プランで、おすすめに出てくるやつをひたすら流していた。
そのときはまだはっきりと好みがわかっていなかったし、ジャンル名を言われてもそれがどんなものを指しているのかさっぱりだった。
だから、洋楽の有名どころ、とはいえポップスではなく90sのイギリスのロック、つまりブリットポップと呼ばれるものを聴いていた。最初にハマったのはBlur。オアシスはその後知った。(めずらしい)
それからちょっと時代が進んだあとのThe Strokes, Franz Ferdinand, Arctic Monkeysとかを聴いていたと思う。時々80sのThe Smiths, New Order, Talking Headsなども。最初にしては渋いチョイスだなあ。
何が何で誰がどうしてるのかも知識がなく、オアシスとブラーは仲が悪いくらいの知識だった。
その中でちょろっとおすすめに出てきたのがホラーズの「V」。
それまでちょっと昔の音楽を聴いていた事もあって、2017年リリースは比較的新しかったので、「たまには最近のも聴くか」とJKらしからぬセリフとともに再生した。
中学生の頃は電子音楽にハマっていたので、そっちの耐性はあったからロック頭になってた当時でもすんなりと聴けた。「おっ、なんかおしゃれでいいじゃん」と思って通して聴いた。ジャケットにカタカナでバンド名とタイトルが書かれていたからてっきり日本のバンドだと思ったが、曲名も歌詞もすべて英語だったので、ただただそういう装丁にしているだけなのかなとは予想がついた。
スポティファイは曲の再生画面をスクロールして一番下に行くとアーティストの情報が見れるのだけど、アー写がめっちゃ奇抜、というか、なんか変形してるし変な格好だし背景がド緑で、なんじゃこりゃ…という感じだったのでロックバンドじゃないと思った。逆に。
何この人たち…と
しかもバンド名が、ホラーズ…?なにその適当に付けたみたいな名前は。たしかに見た限り名前負けしてないどころかホラーそのものですけど…
ただVはお気に入りになって、ライブラリに入れておいた。
そんなことも忘れた半年後、その頃にはスポティファイの有料プランを試していた。
広告が流れてこないし音質も良い!!最高!!!
調子に乗っていたのでお皿洗いのときに音楽をかけていた。
どれにしようかな〜とおすすめをスクロールすると、なんだか惹きつけられるジャケットを発見
そのアルバムが後に俺様を狂わせるなんて、誰が予想できただろうか。
これがPrimary Coloursだった。
シューゲイズのシの字も知らなかった私は、「音の輪郭ぼやぼやだな…」と思ったものの皿洗いの作業用BGMにそれを採用した。
でも聴いているうちに引き込まれる。聴いたことない音だった。今思えばそれが初めて耳にしたシューゲイズだった。
理由はわからないが「これはきっとすごい作品だな」と直感的に感じた。でも脳みそが足りなかった当時の私はそれをライブラリに追加することなく終えてしまった。
ちょっとあとになって「あれ、前に流してたあのアルバムのバンドって、あの変な見た目のバンドと一緒?」と思い出したがそれまでにとどまってしまった。
音楽を聴いて、そこから別の価値を読みとるのは一種の能力で、感性の中に特定の音を取り込んで変換するための受容体があるかどうかで好みと呼ばれる傾向が出来上がっているように感じる。
それは先天的な要素もあるが、成長する部分もある。
このときの私にはその成長が足りていなかった。これは悔しい。
シューゲイズを理解るようになったのは最近で、マイブラを最初聴いたときはメロディにしか目が向かなかった。でもそれはシューゲイズの本質ではない。マイブラのLovelessの曲たちの構成要素の10%ほどでしかない。残りの90%が読み取れないなら、それは「理解る」ことから程遠いだろうな。うん。
今となっては自らシューゲイズを求めるまでになったが、そのきっかけは前述したアルバムだろう。
つまり、すべてはJoshua Haywardのせい
ホラーズはジャンルに左右されないのだけど、それだけだと説明がつかないほどに個々の趣味がにじみ出ていて、ジョシュはノイズ、シューゲイズ狂いだからバンドのサウンドのシューゲイズ部分は99%この人。
そしてその虜になってしまった私はホラーズが好きというよりむしろジョシュが好きなのだ。
永遠に聴いてられるトレモロやディレイの使い方。
そして彼自らが作ったエフェクターペダル。
完全オリジナルとはまさにこのこと。
彼は過小評価されている。
世界はこいつに気づいたほうが良い。
批評家気取りの音楽アカウントどもは全員ホラーズを聴け。
バンド自体が過小評価されているんですけどもね。なんでもっと売れないんだ…(困惑)
余談だけど、この人たちのファンベースは本国イギリス、日本、メキシコであり、例年アルバムを出したら日本に必ず来てくれる。
ですから!!!!来年には来るでしょう!!というか、来て。
ジョシュアloverより