今の時期だと
大根・白菜・小松菜・キャベツなど
アブラナ科の根菜や葉物野菜が育っているでしょうね
あとは
人参・ホウレンソウ・玉レタス・リーフレタス・春菊
といった根菜や葉野菜などといった処でしょうか
多分これらのタネをまいて育てるとき
間引き等の作業を行うと思います。
基本的には生長しそうな苗をのこしつつ
間引きの度に株間を競合しない程度に広げていき
絡みそうな苗が近くにあれば二者または三者択一
そこで、よんどころない状況により
発芽苗を移植しなければならない時の対処法について
※よんどころない状況とは
品種が近縁し交雑を避けるため急遽離隔をとりたいとか
異品種同士の生長に際し相互に阻害する可能性がある状況ね
移植の注意点
基本的に根菜類(大根・蕪・人参・ごぼう)は
苗の移植ができないというのが定石です。
特に大根や蕪なの根菜は
白くて細長い部分というのは根であり胚乳なので
上手に肥大させるには白い部分が
土中にしっかり伸びるか否かで決まってしまいます。
その伸長途中で先端が硬い部分に到達するとか
何らかのストレスを感じるとそれ以降は伸びず
場合によれば分岐します(これが二股大根のからくり)
当然ながら胚乳の部分に刺激やストレスを与えると
それ以降の生長が鈍化します。
抜いた苗を上手に移植するには
白くて細長い部分を切らず乾燥させず
なおかつ間髪入れずに植え替える
または、土ごと掘り上げて間髪入れずに植え替え潅水しておく
苗からすれば
「動かした」というストレスを強く与えない手当が大事
この移植作業は意外とデリケートですが
シソ科やイネ科は移植を嫌わないので大丈夫ですね
でもトウモロコシは移植不可です。
なぜ移植が難しいのか?
根の性質
作物の根はウリ科のキュウリなど
土中の浅い部分を広く主根を張り巡らせる性質と
まっすぐに値を伸ばし其の根(主根)を中心に
側根や細根を張る性質をもつ植物に分けられます。
前者を浅根性(浅根型)と呼ぶのに対し
後者を直根性(直根型)と呼びび分けています。
どちらの性質も
主根に強いストレスやダメージを与えてしまうと
瞬く間に生長が鈍化します。
特に直根性(直根型)のほうが顕著で
苗が幼い状態でダメージ受けると
生長が止まり大きく育ちません。
中には、
茎の基部に土よせることで根を伸ばす
例えばシソ科・イネ科(トウモロコシ)などがあります。
それでも主根に受けたダメージはその後生長を左右します。
ホームセンターなどオクラの苗って市場に出回りますが
活着が遅いしあまり丈夫に育たないようです。
市場の苗を購入して植え付けるなら
店頭に入荷したばかりの苗を購入し
早めに植え付けることをお勧めします。
売れ残った苗は狭いポットの中で根が回った状態になり
いくらほぐして植え付けても
根(主根)の生長は鈍化あるいは停滞しているので
張り出した主根から伸びる側根や細根が張るだけです。
当然ながら直根型作物を
「種の直播」と「苗の定植」では根の発達が異なり
後者のほうが倒伏しやすく開花結実数も少ないですね
おまけに病害虫にもかかりやすいです。
ですが
この直根型の性質を熟知していれば
苗の状態で育てても活着が遅くならず
丈夫に育てる確率が上がるかもしれません
発芽が遅いタネの対処法
発芽しにくいタネ(胚芽を覆う外殻が固いタネ)は
あらかじめ発芽しやすい処理すると
発芽をそろえることができます。
タネの発芽適温は概ね24~26℃ですから
タネが均等に浸るくらいの水に浸し約3~7日程度待てば
硬い外殻がふやけて発根してきます。
その白い根が出始めたら伸びないうちに撒く
この方法は固い外殻や外皮を持つタネには有効で
当然ながら水に反応しやすいアブラナ科やシソ科のタネは厳禁
オクラなどは播種前に発根促進を兼ねて
沈殿選別をしておくと間引きの手間が減らせます
苗にしたい場合の育苗ポイントは、
ポット苗にしたいときは根を回し切らないようにする
早めに植え付けることですね
これに倣って
大根やニンジン・ごぼうなども直根型ですが
ポット苗に出来るかといえば無理です
大根は特に胚乳兼根ですから
まっすぐ伸びないと感じてしまえば
それ以上は生長しません
人参やごぼうも同じ理屈です。
だから
小松菜や青梗菜白菜・キャベツ苗の苗があっても
大根や人参・ごぼう苗は市場に出てこないというわけです。