キュウリは栽培期間が短いから
割と早い段階で採種果の選別を済ませておくといいね
これは固定種に限ってのことです
登録品種の採種はご法度ですし
F1品種に至っては採種すること自体が無駄
良く興味本位でF1品種からの採種を試みる方いますが
採種の修練に留めておく程度が無難でしょうね
キュウリの採種関する注意
固定種のキュウリから採取するには
まず交雑させないことが重要です
更にキュウリの特徴としては
受粉しなかった雌花は自家(自動)受粉することが起こります
勿論自動受粉した若い果は肥大しても成熟したタネができない
これは株の成長段階で一番花が実った場合
同品種他株の開花が観られない状態
端的に言えば
栽培株数が極端に少ない場合におきやすいです
特に株の下側で付けた実は一番果が肥大したと考え
早々に摘み取ります
これはウリ科全般に言えますが
肥大した果を早どりしても中のタネは未熟で
摘み取った後では追熟が効かないですね
だから
摘みとらないで完熟に至る事が採種のコツになります
またキュウリの場合
タネの周り・・・俗にいう「ワタ」の部分は
ゼリー状の果肉の中にタネがあります
タネの周りに纏わりつくことで発芽を抑制しています
これが液化してタネが露になるまで待つのですが
いちいち中を確認することができません
そこで外見で判断します
果が熟してくると
成熟時の緑色が抜けて黄色く変化し更に肥大します
完熟に至ると果全体が柔らかくなり
果皮は濃い黄色を呈してきます
そのままの状態で放置すると
果肉全て液化発酵しつつ肥大し果皮が破れます
発酵した果肉が外気に触れた段階で腐敗に転じます
その手前で収穫
発酵液化することで発芽抑止効果は失われるので
タネが果内で発芽行動を起こす場合が起きてきます
その数歩手前を見極めるのが
成熟したタネのとり方になります
どの段階で見極めるかは
数を熟して慣れるしかないので
ある意味難易度が高いといえばそうかもしれません
では熟した状態と
完熟に至った状態で採種したタネの違いは明確で
マクワウリの例を挙げると
これが熟した状態
タネの外皮(外殻)が淡く色付く程度で膨らみも薄い
タネに成熟が進んでいると
色味が深くなり膨らみもやや厚くなります
朽ちるほどに果が完熟に至っていると
内包しているタネの色味は更に濃くなり
外殻も硬く膨らみも充実しています
まとま
果菜類全般に言えることですが
早熟採種は発芽の不揃いを起こしやすく
発芽後の生育に差が出やすいかな
なので・・・
ゼリー状のワタが液化するのは → 発芽抑制効果が薄れる
果肉が液化して発酵することは → タネの免疫性が上がる
このことを頭に入れて採種するといいかもです
この点からウリ科に限らす「採種は熟成させるのが近道」


