螻蛄の嘆き
那由他 圭

螻蛄は嘆く
目が回るほど変わり行く環境に

螻蛄は途方にくれる
何処まで行けばいいのだろう

螻蛄は鳴く
何処まで手をかければ気が済むのか

山も川も土の中も
いろいろの生き物が棲みつき
数多の樹網と草花が育ち

その栄枯盛衰は、
やがて川の流れに乗り海に運ばれる
新たな命の糧となる
その理を知っているのだろうか

螻蛄は考えた
時計を動かす小さな歯車でも
それよりはるかに大きい歯車を動かしている

螻蛄は呟いた
灯台もと暗し