私としたことが遂に1か月以上ブログを留守にしてしまいました。既にFacebook、twitter、instagramと色々SNSがあってブログにさて何を書いたものか、というのが正直なところですが。
 
さて、学生に戻ったように利益度外視で弾きまくっていたのが終わりました!最終的に更にひとつ増えました。ちょっとずつコメントして備忘録としておきます。
 
5/10 チェロ 
ヘルテル:チェロ協奏曲
バッハ:結婚カンタータBWV202
バーゼル出身ですでに音楽学校でも教えているチェリスト。それだけあって学生よりもバーゼル界隈で活躍しているスイス人音楽家もたくさん来場。よくお世話になってるオーケストラで知り合った仲なので、共演者もほぼそこの人たち、観客にはそこのシェフも。なんだか打ち上げもやたら盛り上がり2時まで飲んでしまいました。
 
5/19 オルガン 
ビーバー:5声のソナタ1番
ブクステフーデ:おお神の都 O Gottes Stadt BuxWV87
東京時代から通奏低音の面白さが印象的だったオルガン奏者で先日のコンクールでも一緒に弾いた仲。趣味も渋くて最高。
 
最後のブクステフーデ『Te Deum Laudamus』が圧巻のパフォーマンス。満点を貰った上、最優秀オルガニスト賞も、一度目の修士に続き今回も受賞したそうでめでたい!
 
5/31 ヴィオラ 
グラウプナー:ヴィオラダモーレのための組曲
ヴィヴァルディ:ヴィオラダモーレ協奏曲 RV546
2012年アンブロネイの夏ツアーで知り合い、その後バーゼルで再会したヴィオラ弾き。ヴァイオリン科しかないこの学校で1つ目の修士ではヴィオラを、今回はヴァイオリンとダ・モーレ。「弾きたい人と弾きたい!」を体現して、外部の信頼するチェロ奏者などを連れてきた関係で、リハ一日!ゲネプロは私が参加できない!レッスンもなしというバタバタながら度胸で勝負。素敵な演奏会に仕上がっていました。
 
6/6 ヴァイオリン
ベートーヴェン:七重奏曲 op.20
アンサンブル仲間でもちろん先日のコンクールでも一緒に弾いたフランス人。プログラムは、ボッケリーニの弦楽四重奏とこの曲だけ、ということで、新しめのレパートリーをヒストリカルに真面目に再現することに尽力。確かにこの時期はぎりぎり顎あても肩当てもないのだろうけど、それにしてもヴィルトゥオーゾな曲!
私としてはこの曲をヒストリカルセッティングで出来る日が来るなんて感激!といったところ。バリトン5重奏でも毎度お世話になってるホルンの達人の右横で、音楽的にも楽しかったし、その『音程職人』ぷりに感心しながら弾いてました。合わせ回数も結構あったけれど嫌な感じもなく、むしろ大曲をうまく我が物にするにはいい機会でした。
 
6/7 歌(アルト) 
バッハ:カンタータ54番『罪に手向かうべし』
モーツァルト:
女性アルトとして、カウンターテナー優位なこの環境で活躍しているドイツ/ロシア人。学位試験の時に続き、修士でも助演。
 
この助演者の数、そして、取り上げるレパートリーがトムキンス、ジェずアルド、バッハ、モーツァルト、ムソルグスキー、アメリカのジャズなどもう色とりどり。役者のように演じ分けていた、というのが正直な感想。表情、声色、ジェスチャー、発声、コロコロ変わって真にエンターテイメントでした。
 
6/8 ヴァイオリン
ロカテッリ:ヴァイオリン協奏曲 A-Dur
スーパー直前に頼まれたもの。しかも本番が一時!2013年に革命直前のキエフに演奏旅行に行った仲。その時のツアーは最初から最後までカオスで、未だに学校の中で語りぐさになっている笑。
ロカテッリの協奏曲は、曲自体は単純ながら本当にバロックヴァイオリンのためかと疑いたくなるほどの超絶技巧の嵐。しかもオケバックで弾いている時間の1.5倍くらいの書かれたカデンツァがついていて、独立して演奏されることもあるそう。なんだかとってもロックンロールな演奏になりました。
ところでこの曲のあとに演奏したベートーヴェンの弦楽三重奏ハ短調op.9は1797-8年に作曲され、1799年ウィーンで初演。少し遅れながらも全く同時期に作曲された七重奏曲をつい2日前に弾いたばかりだったので、その間に増えたパレットと世界の広がり方を噛み締めました。どちらもウィーン古典派をうまく昇華していて素敵
 
6/9 ヴァイオリン 
グラウン:ヴァイオリン協奏曲 d-Moll GraunWV C:XIII: 75 
フライブルクから通っている勤勉な日本人!
自分の試験もあるのに他人のもものすごい数お手伝いしていて、移動もあって、一体いつ準備していたの?と思わざるを得ない。しかも自分の弾く分はきっちり。尊敬
バッハとベルリン、と題されたプログラムは、後期バロックの終わりからギャラントという隙間のつき方がすでに素敵。
グラウンの協奏曲といえばガンバのものを前に弾いて、変な曲だなと思ったのですが、ヴァイオリンの協奏曲は技術的な問題が更に少なくなったためか、更に変な曲という印象。その割に一度も全員で音を出すことがなく体に曲が入らず(集まる人によって聞こえてくる音が違うため)、しかも譜面も手稿譜で本番のドキドキは今年一番でありました。。
今回初めてタッグを組んだチェロの韓国人がそれはそれは素晴らしく、音楽の捧げものの通奏低音など本当に目を見張りました。向こうも私と弾くのを楽しんでくれたようで今後の展開に期待!
 
6/12 歌(ソプラノ) 
モンテヴェルディ:サルヴェ・レジーナ2番
このソプラノのドイツ人のみ、今回まで知り合いでなかったのですが、デュオの相方の紹介で助演することに。
8フィートのヴィオローネで、オルガン、ハープ、テオルボ、リローネとともにモンテヴェルディを伴奏できて、かなりいい経験になりました。複数の歌手の揺れと語りに音楽的につけていくということ。セコンダプラティカのようなスタイルは、コントラバス奏者としてはなかなか触れることができませんゆえ。。
そして何より、この音響体!これは何者にも変えがたい上、百読は一聴に過ぎずといったところ。自分が中に入れば、なおよろし。
 
6/27 チェロ 
ロンベルク:三重奏曲
最後は、室内オーケストラを立ち上げたときからの仲間。日本人の彼女のおかげで飲み会などで会う機会も多く、ここのところ日本語でほぼ会話している。タイ語(母語)、英語、ドイツ語、中国語、日本語を、卓上の勉強なく耳で習得しているツワモノ。強烈なインフルエンサーで、私にジオキャッシングを教えた師でもあり、別の友人はウィスキーに土ハマりしている。
しかし、なんというか音楽一辺倒ではないからこその視野の広さ、彼自身の美意識を垣間見るような演奏、絶妙なタイミングは、本当に周りの人を惹きつけます。特に共演仲間からは、「彼の頼みだったらどこにでも弾きに行く!」と複数人に言い切らせるなど、人望の厚い人です。
今回も揉めることなく、煮詰まることなく、超楽しくリハーサルし、本番も好評でありました。単純な曲+不思議な音響体。自分たちが楽しくプレゼンテーションしたものがいい反応だと嬉しいですね。
ちなみに、この曲はG大の入試課題曲としてチェロパートをコントラバスで弾いた甘酸っぱい思い出も。こんなところでまた違った形で触れ合えてうれしい限り!この実演録音は、自分で聞いてもそんなにつらくない珍しいものとなりましたw
 
なんだかとーーっても長くなってしまいました。
今年も(卒業して4年たちますが)ありがとうございました、スコラカントルム!