中欧旅行記最終章。
駅に着いて、まず滞在先に向かい、早速楽器コレクションの素晴らしい目当ての博物館・・・へ行ったらなんと開いてない!!!!ブダペストの図書館のデジャヴ状態・・・。しかも隣接する新設された博物館別館に行ってみたところ、なんと先月から『5年間』の改装期間に入ったそうな。5年!?そんなバカな!!
プラハは町全体が世界遺産。なんてったってWW2でほとんど破壊されずに済んだため、古い建物なんかが焼けずに残っているのだとか。それもあって、ここの楽器コレクションはすばらしいのです。
動揺を隠し切れないままではありましたが、この旅でようやく青空にめぐりあえたので気を取り直して市内観光へ。博物館の楽器が見れないなら、街中の古い楽器、オルガンをめぐる日に!
とりあえず旧市街の一番大きい広場へ。
ムファットも訪れたティーン教会と、ヤン・フス像。
時計台・・・の鳴るのを待つ人を眺めたり。(性悪)
ティーン教会はすでにしまっていて、入れず。しばらく歩いてヤコブ教会に行くが、入れず。シモン・ユダ教会も、入れず。
仕方ないのでスペインシナゴグ前のカフカ像で記念撮影w
音楽的には驚くほどに収穫ゼロ!!で疲れてきたところでふらっと入った教会のオルガンがすごくきれい!だったのですが、ミサの最中だったのであまりふらふらもできず、、、
なので、最後はチェコ名物マリオネット劇でドンジョヴァンニを見てきました。一度見たかっただけに、内容はともかくマリオネットワールドに心酔。終演後はモルダウの夜景を散歩。
最後以外これでもかというくらい不完全燃焼な一日だったので早めに帰ってチェコビール。。明日は良い日になるように願いながらじっくり下調べをしなおして就寝。
7/28午前中から街へ出動。午前中は、お目当ての教会を廻りつくす!!ということで、まず広場のミクラーシュ教会から(これは目当て外なのでジャブ・・・)。そして、プラハで一番人気と噂のオルガンのあるヤコブ教会。そのあとシモン&ユダ教会はモーツァルトやハイドンが弾いたオルガンがあるのですが、結局入れず。そして午前の最後は、ここのオルガンが出来た翌年にムファットが訪れたと思われるティーン教会。名曲ヴァイオリンソナタはプラハに自筆譜ありますからねえ、うっとり。
ティーン教会に入るにはCD屋を通り抜ける、という道もあるのですが、ここのお店はすごかった!!
我々のようなオタクな目的で来た人のニーズを完璧に分かってらっしゃる。
今昔チェコ作曲家のコーナー、チェコ国内歴史的オルガンのコーナー、チェコ民族音楽のコーナーが大漁。
コントラバスな私的には、ピッヒル・ヴァンハル・コジェルフ・デュセック・フンメルあたりがわっさわっさ出てきて面白かったです。
午後は橋を渡って、お目当ての国立博物館「分館」音楽史博物館へ。
いやー、出てくる出てくる!古い弦楽器たち。グァルネリ・テストーレ・アマティ・アマティ・ガリアーノ・・・みたいなイタリアンヴァイオリンのショーケース、M.I.シュタットルマンのヴィオラダモーレ、ティールのヴィオラ、D.Aシュタットルマンのヴァイオリン、J.J.シュタットルマンのバリトンの並ぶウィーンなかほりのショーケース、地元の職人が作ったちょっと無骨で味のある弦楽器群の部屋、などなど・・・。リュート系も相当充実してました。ティーフェンブルッカーというウィーンで国宝級の扱いを受けている17世紀イタリアの当代イチの楽器も。残念だったのは16世紀後半ニュルンベルクで製作、表板は18世紀?というContrabass viola da gambaは修復中で不在だったこと・・・。大きさも含めて是非見たかっただけに、うーん。
大満足のうちに今度は違うミクラーシュ教会へ。こちらはモーツァルトがよく弾いていたオルガンがあります。見てみたら、パイプの上に天使たちが楽器を持って飛んでいるのですが(これはよくある)、左上にはファゴット・コントラバス・チェロをもった三人衆が!なんかうれしくなっちゃいますねえ。
カレル橋を渡って昨日見つけた、前情報なしのジル教会を訪ねるがまた入れず。
歩いていたら、大道芸人に遭遇www実は今回ボヘミア地方起源のハーディガーディという楽器の情報にあたったら面白いなあ、などと思ってたのですが、こんな形で!さすがのオーラでした。
時計台に上って街を一望。ちょうどトランペット吹きが時報をお知らせしてました。
そして、コスプレさせてもらって撮影ww(サーセンw)
楽譜屋に行って、3度目の正直でジル教会のオルガンを拝み、マクドナルドで時間つぶし腹ごしらえをしてからチェコビールとナゲットを持ってモルダウ越しにプラハ城の夕焼けを見に行って終了。飲みまくり。
7/29今日は最終日にしてモルダウの向こう側を攻める日。まずロレッタ教会。たどり着くまでの坂・階段に心折れそうになりましたが、その甲斐ありまくりなきれいな教会!
ついに城へ。プラハ城といえば、なくなったと思われていたハイドンのチェロ協奏曲1番が出てきたところですね!夢がある!いざ!!・・・と行きたいところですが、まず城の横の、昔は楽器職人だらけだった『元リュート製作家通り』へ。チェコでは住所の番地が付けられる前まで家紋や、家業のわかるエンブレムを軒下につけていた、ということで、ここの通りには今でも3代続いたヴァイオリン職人のエンブレムが残っております。今はワインバーだけど・・・。
んで、その坂の一番下のビアバーで一杯!!300円!?やっす!
腹ごしらえ(喉ごしらえ?)も済んだところで城内へ。
13世紀にギョームドマショーも訪れたという聖ヴィート大聖堂でミュシャのステンドグラス見たり、ブオナメンテのオペラの初演をしたという旧王宮を見たり、一番古いイジー教会を見たり、カフカが住んでいたという黄金小径に行ってみたり。
さて、絵画でも見に行こうか・・・と敷地を出ようとしたところで気になる建物発見。
ロプコヴィッツ家プライベートコレクションの博物館とのこと。地球の歩き方にも載っていないし、音楽と美術の旅ガイドにも載っていないし、ノーマークだったのですが、垂れ幕に「Music instruments」の文字を発見し、あまり期待せず入ることに。
そしたら!!!!!!そしたらすごかった!!!!!!
Beethoven Roomと名のついた展示室。ベートーヴェンの交響曲3番、4番、5番の、初版譜でもなく自筆譜!!モーツァルトが編曲したメサイヤの自筆譜!!!!そして、この家が所有していた楽器群、つまりこのベートーヴェンなどの初演にオーケストラが使った楽器一式!!つまりヴァイオリンが20丁以上、チェロ2、バス2、管楽器も一通り。。てぃんぱにも。ここは楽器は家が所有して、奏者は雇われてそこの楽器をひいていたのですね・・・。しかもそのオーケストラの編成表も展示。
その何代か前は、奥様がリュート愛好家だったそうで、当代の超有名なリュート奏者を教師に雇っていた、とかで、ヴァイスと思しき手書きの教則本やら、ありえない良い状態のルネサンスリュートやら。。
そこまでの展示はほぼ素通りだったのですが、ここで呆然状態でなめるように観察して出ました。プライベートコレクションだけあって、撮影できなかったのが残念。でも、説明書きだけ撮ってきましたw
そんなわけで予想外の収穫があり、結局絵画は見れずw
残った時間は、再び先ほどのビアバーにて、ビール。
いや、最後のは、本当にびっくりした。
そんな感じで、バーゼル行き夜行に乗り込んだのでした。
長文お付き合いいただきありがとうございました!