吉澤嘉代子。

NHKの夜ドラ「いつか、無重力の宙で」のエンディングテーマ。

この曲を聴くと、木竜麻生、森田望智(なんと、朝ドラヒロイン確定。おめでとう)、片山友希、伊藤万理華の4人の笑顔が浮かんできて、あの感動が蘇る。

推しの4人が奇跡的にキャスティングされただけでも感動だったのに、この曲が更にドラマのクオリティを上げたと感じる。

玄人好みする音作りに、声の質。
「初恋、ざらり」の主題歌を歌っていたヒグチアイを発見?した時のような嬉しさというか。
名作ドラマにガチっといい曲がハマった時の気持ちよさ。

これからもそういった曲にできるだけ多く出会いたい。

会社の入っているビルには、お昼を食べるのに3つの選択肢がある。

 

地下の食堂、1階の日本食レストラン2つ。

そのうち食堂は朝ごはんはまだいいが、お昼は高くてイマイチと中国人にも評判が悪い。

日本食レストランは味はまずまずだが、平均して60元前後と値段が高いし、毎日食べると飽きてしまう。

 

そこで活躍するのが、会社のビルから数分歩いたところにある地下のレストラン街。

だが問題は冬になると、その数分のウォーキングがかなり辛くなること。

今はまだいいが、本格的な冬将軍到来となると昼間でも氷点下になるので、地下通路の無いレストラン街に行くのは至難の業となる。

そうなると、日本食レストランでの地獄のルーティンになってしまうか恐れが大だ。

 

昨日はGaoさん、Fuさんとレストラン街へ。

魚のスープが美味しいお店ということで、初めて入った。

選んだ一品は白身魚が入った酸っぱくて辛いスープ。

ご飯はお替り自由。

酸っぱ辛くて野菜がたっぷり入ったスープは滋味深い味で、好みの味。

これは気に入った。

 

たっぷり食べて33元。安い。

 

今日はBUNさん、Liuさんとで同じレストラン街の来州ラーメンのお店に。

広州で行った、あのラーメンだ。

今日は麻辣入りの辛いのを選択したが、これがいい塩梅の辛さで旨い。

 

麺が日本だとおそらく二人分は入っているかというボリュームで、お腹いっぱいに。

これで煮卵トッピングを入れて30元。普通のラーメンなら20元弱というから安い。

 

ローカル飯は安くて旨い。

できれば毎日、とっかえひっかえいろんな店で食べたいのだが、これから寒くなってくるとしばらくは我慢、となるかもしれない。。。。。。涙

この秋ドラマは、民放ではこれと、「小さい頃は、神様がいて」だけ見る、と決めていた。(後者はまだ観れていないが)

最近の民放キー局のドラマの劣化がひどいからだ。

だからもう、NHKのドラマ以外の民放地上波は、ほんとに面白そうなドラマしか見ないことにした。

 

タイトルのインパクトに加え、夏帆と竹内涼真のカップルというのが、ドラママニアにはそそる。

また、彼がこんなにコメディのセンスがあるとわかったのは収穫だった。

昭和気質の堅物の変人、長身でイケメン。

あの名作ドラマ「結婚しない男」を思い出すではないか。

阿部寛演じる桑野信介が、竹内涼真演じる海老原勝男とかぶる。

阿部ちゃんがあのドラマで役者人生の大転換を遂げたように、竹内涼真にとってこのドラマが大きな飛躍のきっかけになったらいいな、と思う。

 

夏帆は年齢を重ねるごとに、演技の深みが増してきた。

彼女が演じる山岸鮎美の実在感がリアルすぎて、もはやそういう女性が本当にいるようにしか見えない。それほど鮎美というどこにでもいそうな普通の女の子、という役の作りこみが素晴らしかった。今まで彼女の演技をたくさん見てきた身からすると、途中から夏帆に見えなくなって、鮎美という女性が演技しているのを見ているように思えたほどだ。

 

海老原勝男という、亭主関白をヨシとする特異さや、その両親(菅原大吉と池津祥子が、また味があって。。。)らの時代錯誤な昭和な夫婦のキャラの立ちっぷりが物語を面白おかしくしていて、昨今の昭和ブームに乗っかった形だが、このドラマの本質は実はそこではない。

 

9話でよりを戻した勝男と鮎美が、最終話ではお互いの感覚が少しずつずれていくことに気づく。この展開の前に、杏花演じる勝男の後輩・南川がミナト(青木柚)に「海老原さん見てると、人間って変われるんだなって思った」というシーンがある。

これが伏線、それも逆貼りの伏線になっていて、すっかり騙されてしまう。

 

人間ってそんなにすぐには変わらない。

いや、変わったらいけないのだ。

変わってしまったら、そもそもその人ではなくなってしまう。

 

勝男も鮎美も、お互いの関係性においては変わったことを自覚しつつも、人間としての本質の部分は変わっていないことに気づく。

だから、笑って別れようと言えたのだ。

だがそれは決してネガティブなものではなく、変わらない自分という人間を受け入れたからこそ。本当の自分をさらけ出して生きることの大切さを知ったから。

 

今は一緒にいても、以前と同じ互いの感覚にGAPを感じて、お互いに苦しくなる。

別々にお互いの道を歩み始めたのも、またもしいつか、二人が一緒にいて幸せを感じることができる日が来たら、その時に新しい人生を始めればよい、と。

 

これまでの民放ドラマだと、薄っぺらく終わってしまうところを、よくもまあこんなアクロバティックなエンディングにしたな、とちょっと嬉しかった。いい脚本だったと思う。

 

共演者では、南川役の杏花がとてもよい。

彼女は生方美久のドラマの常連だが、今回はちょい役ではなくしっかりとした役をもらった。

注目していたが、キュートさと意地悪さが同居した雰囲気は彼女ならでは。

杏花。

小動物系の可愛らしさに隠れた気の強さみたいなものが魅力。

 

平原テツ、前原瑞樹、中条あやみ、サーヤら個性派が脇を固める。

 

また、勝男の兄弟も、塚本高史に深水元基と個性豊か。西原亜希、知花くらら、しゅはまはるみ、草村礼子、菊池亜希子、星田英利といった面々も。

芋生悠が、ミナトと遊んでいるちゃらい役で出ていて、こんな役もやるんだと新鮮だった。

 

カップル、夫婦ものでは「結婚しない男」、「1122(いいふうふ)」が考えさせられるなあ、と思っていたが、この作品も仲間入り。

昭和カルチャーのGAPの面白さに隠れて、人間って、男と女って、と色々考えるきっかけになる、良作だと思う。

 

最後に。

このドラマ、一貫して料理がお話の真ん中にあった。

タイトルにもあるように日々、女が作る料理への男の経緯の無さがテーマにもなっている。

そこでふと、MATTが敬愛する土井義晴先生の教えを思い出した。

「お母さんは毎日品数豊富にしなくていい。もっと楽をしていいのです。ごはん、お味噌汁、香の物があればそれでいい。」

料理研究家が言うからこその金言。故人だが小林カツ代もそう言っていた。

主婦はもっと楽をしていい。そう思う。

「夜ドラ」は、派手さはなくとも良質な原作、脚本・演出にキャストで、ここ数年数々の名作を生んでいる。

 

頑張っている人たちに、そんなに頑張らなくてもいいんだよ、とささやきかけるようなドラマが最近多いと思う。

たまに昔のTV番組やニュース、ドラマを観ると、ほんの30年くらい前までの日本って、今の感覚からすると随分と乱暴で粗雑で、他人のことをそれほど気にせず、好き勝手にやっていたように見える。実際、世の中もそうだった。

それが今や、何かすると細かいことを指摘され、やれ謝れ、やれ反省しろ、、、、

行き過ぎた「気遣い」がもたらした息苦しさに、みんな疲れている。

 

岡山天音演じる生田ヒロトは、他人から見ると怠惰で社会の落ちこぼれに見えるかもしれない。しかしそんな彼も、一生懸命生きた結果、疲れて壊れてしまった一人だった。

 

物語は、ひょんなことから仲良くなった和田はなえ(根岸李衣)というおばあちゃんが亡くなった後に引き継いだ旧い平屋に、田舎から上京してきた漫画家志望の美大生・なつみ(森七菜)が、日々のんびりと暮らすさまを描いているだけ。

大きな事件も起こらないし、ギョッと驚く展開もない。

 

だがこのお話の巧みなのは、ヒロトを中心にいくつかの人間模様が小気味よい脚本・演出で描かれている点。一つ一つの人間関係の描写が丁寧で、なぜ彼・彼女がそういう生き方をしているか、視聴者は共感しやすくなっていて好感が持てる。

ヒロトを軸に、はなえとの出会い、なつみとの共同生活、ヒデキとの腐れ縁の友情、よもぎとの微妙な関係。。。。これらが時に絡み合い、物語の世界に奥行きを与える。

 

岡山天音のヒロト、森七菜のなつみ、吉岡里帆のよもぎ、吉村界人のヒデキの四人の主要キャラは、みんな個性あふれるキャラで実力者ならではの演技が見られるが、中でも吉村界人のヒデキは、彼のこれまで演じてきた様々な特殊キャラの延長線上にいながら、このほのぼのしたドラマにピタッとハマっているところがすごい。

主演を食う、とはまさにこのこと。欠かせないキャラだと思う。

 

森七菜は出番が少ないにもかかわらず、「国宝」での演技が高い評価を集めているようだが、彼女は昔から役にぐっと入り込むタイプの役者だ。

なんとなくだが、個人的にはのん(能年玲奈)に近いタイプに思える。

芸能界のスタートダッシュを失敗して、そこから這い上がってきたところも似ている。

ブレイク前から気にしていたので、復活してくれたのはとても嬉しい。

 

このメインの4人に加えて、根岸李衣やヒデキの妻役の蓮佛美沙子らが脇を固めている。

また、「気になる女優さん」でも書いた、あかり役の無名の新人・光嶌なづながとても良い。

演技がどうとかいうより、持っている雰囲気がよいのだ。

無名ながらNHKのドラマで主要な役に抜擢されるというのは、何か光るものを見出されたのだろう。今後注目の若手女優さんだ。

 

光嶌なづな。

この子の持っているほんわかした柔らかさは、天性のもの。

久しぶりにビビっと来た女優さん。

 

ゲストには、ヒロトがバイトする釣り堀の常連にベンガル、斉木しげる、ヒロトの役者時代の映画監督に光石研、マネジャーに山中聡。なつみが漫画を連載することになった出版社の編集者に駿河太郎。なつみの大学の同級生に福室莉音など。

 

最終週はかつて、ヒロトが壊れそうになった時に助けてくれたヒデキ自身が壊れそうになったのを、ヒロトが助けるというお話で綺麗にまとまった。

また、よもぎがヒロトのことを気にしているようなそぶりも見せたりと、これはシーズン2があるのでは・・・・という匂わせもあり、ぜひ続編を期待したい。

 

原作への忠実なオマージュ、舞台となった平屋も300軒の候補から60軒に絞り込み、現地調査のうえ決めたという。真摯なドラマ作りをしているからこそ、NHKのドラマは信頼して観ることができるのだろう。

 

 

この曲と出会ったのは、もう40年も前になるだろうか。

 

当時も今でも、ドラマや映画の主題歌、挿入歌が好きだ。

最近もドラマの主題歌中心に聴いている。

40年前はラジオの音楽番組からエアチェック(死語…)して聴いていた。

それこそジャンル問わずに。

 

当時売り出し中のアイドルだった志賀真理子が歌うこの曲は、アニメ「魔法アイドルパステルユーミ」のエンディングテーマ。アニメを観たことは一度もないが、「フリージアの少年」は、当時のアイドルが歌う正統派メロディが心地よい、隠れた名曲だと思っている。

彼女にとっても一番売れた曲だったようだ。

 

志賀真理子は生きていたら、MATTと同い年だった。

というのも、彼女は20歳の時に留学先の米・アリゾナ州のフラッグスタッフ近郊で、自動車事故で亡くなっているからだ。

 

彼女の曲もエアチェックしたテープでよく聴いていたのだが、なぜか滅多にミスをしないのに、この曲はテープの残り時間を見誤って、途中で曲がブチっと切れていた。

彼女の人生が、ある日突然終わってしまったように。

フルコーラスでどんな曲なのかは知らずじまいだった。

 

今日なんとなくi-Tuneを見てみたら、2020年Remaster版があったので購入して聴いてみた。40年ぶりに初めてフルバージョンを聴いて、ちょっと不思議な感覚になった。

彼女が事故で亡くなったのは1989年11月23日。36年前の今頃だ。

 

アイドルとして、歌手としてこれからという時期で色々な想いや夢もあったろうに。

だが彼女がいなくなっても、歌はこうやって時を超えて残る。それは素晴らしいことだ。

心から冥福を祈りたい。