
TBSの韓国子会社と韓国のドラマ制作会社と共同制作、更に原作も韓国の漫画という新しい試みにあふれたドラマ。
だからなのか物語のスケールも大きく、韓国の俳優さんとのコラボも自然で良い仕上がりだった。
あんまりこういうガチな恋愛ドラマは見ないほうだ。
清原果耶が主演ということだったので観たのだけど、結論から言うと意外と?楽しめたドラマだった。
おそらくだが「結婚できない男」のような、お互いの相手への気持ちを気づいていながら素直になれず、中学生のように頑なな態度をとるいい年をした大人のもどかしい恋愛ドラマが好きなのかもしれない。
清原果耶と成田凌は4年前の「まともじゃないのは君も一緒」でも、似たようなもどかしい恋愛を題材にした映画で共演している。
それもあったのか、この作品では息の合った演技で安定感があった。
韓国財閥系の裕福なセレブ達と日本の市井の人たちとの交流が、冒頭から一匹の犬をめぐって繰り広げられ、ミステリー要素に恋愛要素が絡み、コメディタッチに軽やかに展開されていく。
こういったドラマ脚本次第だが、そこは金子ありさが小気味よい筆致でリズムの良い展開を見せてくれるので安心だ。
また韓国の漫画が原作だけあって、山あり谷ありなんでもあり?の韓流ドラマのいいところが物語に刺激を与えている。
清原果耶は16歳の時に主演した「透明なゆりかご」で、すごい女優さんだと認識して以来ずっと好きな女優さんで、ほとんどの出演作を観てきた。
だからなのか、彼女の女優としての成長をずっと追いかけているので、このドラマで大人っぽい大人の女性を演じていたのが、なんだか嬉しかった。
でもただ大人っぽくなっただけではなく、ちゃんとコメディもこなせる実力の持ち主であることも証明したし、演技者としての可能性の広がりを感じさせた。

清原果耶。
ずっと追いかけているのは彼女と有村架純の二人だけ。
清原果耶演じる駆け出し弁護士の花村愛子を好きになる二人の男性に、動物病院の院長・白崎快(成田凌)、韓国の新興財閥「ウロアグループ」の御曹司・ウ・ソハ(ナ・イヌ)。
特に、ナ・イヌは長身、イケメンとまさに韓国俳優の王道のよう。
少女漫画から抜け出してきたようなかっこいい大人な男性となると、日本人は韓国人には適わないのだろうか。ナ・イヌの演技はクサいセリフも行動も、なぜか納得させてしまうほどの説得力がある。
韓国駐在時代に江南の街並みを失踪するランボルギーニやフェラーリをよく見かけたが、ドラマ冒頭でソハがソウルの街をランボのウラカンで疾走するシーンは、さまになっていた。
共演者は、この手のドラマの中ではしっかりとした役者をキャストしていて好感が持てた。
白崎動物病院のスタッフに、なだぎ武、野呂佳代(最近すごい)、萩原莉久、円井わん。
愛子の所属する弁護士事務所の所長に岸谷五朗、宮澤エマ。
ドッグカフェの店長に深田恭子、店員に永瀬莉子。
坂井真紀、森崎ウィンらも脇を固める。
宮澤エマはこのドラマでもバイプレイヤーとして安定した存在感を披露。
美人なのだが、その美貌を消して色々な役ができるのが彼女の強み。
主演もやれるほどの実力があると思うのだが、、、

宮澤エマ。
本当に美形だと思う。
演技力は折り紙付きなので、いつか主演作も見てみたい。
無理やり笑いを取ろうとするのではなく、くすっと笑えるような控え目な演出がMATTには心地よかった。それぞれの役者も嫌味が無く、全体的にバランスの良い恋愛コメディとして良作だった。そして清原果耶は、半年前の「マイダイアリー」では頬がこけて覇気が無く、ドラマ自体もイマイチ盛り上がらなかったので心配していたが、本作では女性らしい美しさや女優としての可能性を強く感じることができたのは収穫だった。
次回主演作が楽しみだ。