本当はこっちを先に観てから、Ⅱを観ないといけなかった。
なおWikipediaによると、友近サスペンス劇場Ⅱの紹介として「『道後ストリップ嬢連続殺人』では、ライターにカメラマンという、『火曜サスペンス劇場』の「小京都ミステリー」風の内容であったが、今作は『土曜ワイド劇場』等の「西村京太郎トラベルミステリー」風の作品である。」とあった。昭和~平成世代のサスペンスファンであれば日テレの「火サス」とテレ朝の「土ワイ」が同じ推理サスペンスドラマであっても、明確な違いがありそれぞれの個性を発揮していたことが懐かしく感じられるはず。
ちなみにサスペンスドラマ隆盛のこのころ、死体役で海に浮かんでいた役者がその後大成している、などはよく聞く話。
キャストは友近、芝大輔の主演二人に加え、時任ぁみ、大浦龍宇一とⅡに比べ有名俳優のキャスティングは控えめ。その分サスペンス劇場あるあるのシロウト役者が多数出演し、らしさを垣間見せている。
友近はじめスタッフが特に力を入れたという粗く画質の低い映像作りは、昭和のブラウン管テレビで観ていたころが蘇り懐かしく、こだわりがしっかりファンに伝わっていることがわかる。
予算も少ない中で様々な工夫を凝らし、役者の衣装、髪型、話し方までしっかりと80年代の色を強調し、ドラマのリアリティを極限まで追求している。
芝大輔演じる奥野茂の友近演じる黛京子への言動、行動のすべてが現在のコンプライアンス基準では「アウト」の内容ばかりであることは、地上波で容易に放映できない理由であろう。だが、それらを削ぎ取ってしまうとドラマとして成立しなくなる。あの昭和の猥雑で今では考えられないほどの許容性こそが、サスペンス劇場の真髄でもある。
今、ドラマコンテンツとして昭和の時代(特にバブル前後の80年代~90年代初頭)が注目されているのも、かつての日本が今よりも自由でワイルドな時代だったことへの憧憬が根底にあるのかもしれない。
これからも昭和の懐かしいドラマ文化を大切に後世に残していこうとしている友近を応援したい。

