原作者の辻村深月といえば、「ハケンアニメ!」が有名だ。
良い映画だったが、連ドラでやってほしいほど濃密な作品だったと記憶。
昔、TVドラマで観て面白かった2012年放のNHK夜★ドラ「本日は大安なり」(主演:優香)も、辻村深月の原作と、今知った。
2013年のWOWOWドラマ。
5人の女性が遭遇する日常の様々なタイプの事件、そしてそこで彼女らが取った行動がその後の人生を大きく変えていく。
女性が主人公のオムニバス作品はこれまでも何度か観たが、思考が単純な男と違って、その行動が持つ意味やバックグラウンドを想像するのが楽しい。
5つの物語を5人の個性的な女優陣が主人公を演じる。
第1夜「芹葉大学の夢と殺人」
二木未玖 - 倉科カナ
雄大- 林遣都
坂下元一 ‐ 矢島健一
未玖の母 ‐ 朝加真由美
まだ20代だった倉科カナが初々しい。この頃の彼女の作品では「もう一度君に、プロポーズ」での演技がよかった。最近だと何といっても「TRUE COLORS」だろう。
若き林遣都のクズ男ぶりも最高。やはり彼は上手い役者。
物語はサスペンス調。クズ男の雄大といったんは別れるも、離れられない未玖。
雄大の生き方を否定しながらも、実は今の自分の殻を破れず停滞している己をダメ男に投影していた。それがラストでの復讐的な自殺行為へとつながる。
複雑な心理状態のヒロインを演じるカナちゃん、やはり実力者である。
第2夜「美弥谷団地の逃亡者」
浅沼美衣 - 成海璃子
陽次 - 大東駿介
浅沼真理子 - 高島礼子
成海璃子という女優さんは好きなタイプだ。表情でいくつもの感情を表現できる力を持っている。特にこの話で見せたような、陰を引きずっているような女性を演じると魅力的。
最近あまり出番が無く見かけないので残念。まだ33歳なのだ。
この話でも大東駿介のクズ男ぶりが光る。「岸辺露伴は動かない 懺悔室」でのポップコーンを必死に食べる演技は必見である。
ヒロインの美衣は幸せとは程遠い辛い日常を送っているのに、全編呑気な空気が流れているので、なんとなく嫌な予感を抱きつつ、ラストシーンで衝撃的な事実を知るという展開は〇。
第3夜「石蕗南地区の放火」
笙子 - 木村多江
大林- 大倉孝二
朋絵 - 南明奈
神主 - 徳井優
笙子の母 ‐ 丘みつ子
多江さん、若いのだが今とあんまり変わらないのがこの人のすごいところ。
そしてこのお話はコメディタッチなのだが、彼女のコメディエンヌの才能は昔からあったということを再認識。松雪泰子と並んで薄幸の美女の筆頭だが、コミカルな役もとても上手い。
大倉孝二演じる大林との掛け合いも良い。
ラストで自信過剰だった自分を恥じる多江さんが、滑稽で可愛い。
多江さんの魅力を堪能できる佳作だった。
第4夜「仁志野町の泥棒」
ミチル- 高梨臨(小学生時代:木村真那月)
律子 - 佐津川愛美(小学生時代:川島鈴遥)
律子の母 - 安藤玉恵
ミチルの母 ‐ いしのようこ
高梨臨のドラマといえば、推しの土村芳の可愛さが記憶に残る「恋がヘタでも生きてます」しか観ていない。ちょっと期待して観るも、佐津川愛美とともに、子役が演じる少女時代が物語の中心のため、あまり出番が無かったのが残念。
高梨演じたミチルの少女時代を演じた木村真那月(当時12歳)は、少し陰のあるタイプの印象的な女優さんだが、その後引退したのかもわからない状態らしい。
いい線いっていると思うのに、もったいない。
木村真那月。
この話はこの子が主人公と言っても過言でない構成。
当時は期待の逸材だったと思うのだが。
芸能界というのは厳しい世界だ。
少女時代のほろ苦い友情の思い出が、大人になって再会したらまさかの、、、という悲劇。
自分の想いがどんどん膨らんだ結果、過去の記憶のあいまいさとともに、知らなきゃよかった。。。と後悔することは誰にでもあるだろう。
安藤玉恵も昔からあんまり変わらないのね。。。
最終夜「君本家の誘拐」
君本良枝 - 広末涼子
照井理彩 - 原田夏希
君本学 ‐ 岡田義徳
最近は色々と大変な広末涼子。
マジメに一生懸命子育てに取り組んでいくあまり、精神的に追い詰められる若い母親の役、というのが、現実の彼女に重なってしまい少し辛くなった。
13年前すでに、女性が一人で子育てすることの難しさが社会で問題になっていたと知る。
ラストはハッピーエンドなのだが、その後の広末涼子の私生活は順風満帆ではなので、ハッピーエンドを期待したい。

