2017年公開の表題タイトルと、2019年公開の続編「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり」の2本をタイトルに記入しようとしたら、文字数オーバーで入らなかった。
意外に許容度低いのね。。。。
それぞれ135分、169分と長編。
この週末はゆっくり体を休めるため、ぼーっと観られる映画を探していたら、この2本に行きついた。
1作目は何度か見返したが、続編は観た気でいたのに初見であったことに気づく。
人間の記憶とはあいまいだ。
その人間の「記憶」が、この作品のキーアイテムの一つにもなっている。
今回2本をぶっ通しで観てみて気づいたのだが、この映画、ホラーに分類されているが実は子供たちが精神的に成長していく過程を描いたガチの青春映画だった。
ペニーワイズの凶悪でグロテスクな描写で、ホラー色濃厚なのにすっかり騙されていた。
1作目は少年・少女の自立を阻む身勝手で偏狭な大人たちから逃れ、自らの手で人生を切り開いていく過程を、Main州のDERRYという(架空の)小さな田舎町からの脱出、ペニーワイズという子供を襲う悪の権化(見方を変えると、少年・少女たちを自由から遠ざけて、常識に縛り付ける大人たちの暗喩?)との命がけの闘いを通じて描いている。
続編はその1作目で一緒に命を懸けて戦った仲間の友情と、大人になって薄れていく子供のころの美しい記憶、嫌な記憶との邂逅や葛藤から、失ったものの尊さや今を生きることの幸せを見せている。
こうやってみると、まさに本格的ジュブナイルなわけだが、とにかくペニーワイズを中心とするグロいクリーチャーと、これでもかと出てくる血、血しぶき、血の海のため、これらの刷り込みのおかげで鑑賞後の記憶が書き換えられてしまうようだ。
そんなわけで、あらためて映画「IT」を観て、スティーブン・キングの原作は、やはり奥が深いのだよなあ、、、と感心した次第。
それらを差し引いても、「スタンド・バイ・ミー」に通じるアメリカの片田舎の原風景、旧き良きアメリカの思い出などは、キングらしいといえる。
キングの原作は多数映像化されているが、ホラーものでいうと地味だが「1922」という映画は、マジメに怖い映画でお勧め。
全体的に絵柄も話も暗く、100年前の貧しいアメリカの農村地帯での出来事を淡々と綴っており、心に残るホラーの傑作だ。
ペニーワイズのモデルが、あの有名な凶悪殺人鬼のジョン・ウェイン・ゲイシーではという考察は有名な話だが、だからこそこの作品のリアリティが担保されていると思う。
穏やかに見えるアメリカの片田舎の日常に潜む、グロテスクな悪意。
その光と陰のコントラストの激しさが恐怖であり、キングの描きたかった世界なのだろうか。
7人の少年少女の中で紅一点のベバリーを演じたソフィア・リリスは1作目当時まだ15歳。
まじか、、、、欧米人ってほんとに大人びていて驚く。
でも15歳ながら堂々と難しい役を演じ切っていて〇。
虐待を受けていた変態の父親から髪を触られて、自ら髪を切った後のベバリー。
男の子より強い女性を演じていたが、それでもまだアメリカは男社会なのだ。。。

