このドラマ、2013年に韓国に駐在していた時に、韓国ローカルでやっていた日本のドラマコーナーで観た。

12年前のことで、当時は今ほどドラマに精通していなかったこともあり、面白いドラマだったなという印象のみ。あらためて見返してみたら、よくできたB級グルメ作品だった。

 

原作よりも刑事ドラマっぽい作りとなっているそうだが、なんといってもタチバナ刑事を演じる佐藤二郎の役作りとセリフ回し、そしてB級グルメを実に旨そうに食べる演技が、このドラマを「飯テロ番組」として一流なものにしている。

 

メインキャラを見ていて気付いたのだが、破天荒な警察官タチバナ、おぼっちゃまな同僚の五島警部補(鈴木身来)、婦人警官の村中巡査(河西智美)という設定は、「こち亀」の両さん、中川、麗子とかぶっている。オマージュとしたのだろうか。

 

一話から怒涛のB級グルメ紹介が炸裂する。

豊富な知識・知見で、その食品・商品の歴史から業界での位置づけ、特徴、強み・弱み、そしてアレンジレシピをタチバナが紹介して飽きさせない。

 

各話さまざまな食品をテーマにあげている。

立ち食いソバ、袋入りラーメン、缶詰、カップ焼きそば、名古屋めし、ポテトチップス、牛丼、レトルトカレー、中華チェーン、東京みやげ、うどん、コンビニアイスと幅広い。

昭和を生きてきたMATTのような世代にとっては、それぞれの商品の発売時期や、経歴などは実に興味深い。

ここでは取り上げられていないが、ハンバーガーチェーンや、チョコレート、菓子パンなどもやってもらいたいものだ。

 

ちなみに各話の商品のいくつかで、MATTの推しはというと。。。

袋めん > サッポロ一番みそ味

缶詰 > サバ缶

カップ焼きそば > 一平ちゃん

名古屋めし > 本編には出てこなかったが、土手焼き

ポテトチップス > カルビー のり塩

牛丼 > 吉野家

レトルトカレー > 迷う、、、、決められない

うどん > 丸亀製麺

アイス > アイス饅頭

 

タチバナは刑事は元は本庁の有能な刑事という設定なので、飯バナで取り調べ中の犯人を追い込んで落とす、というのがお決まりのパターン。

事件解決後、村中巡査とその同僚の婦人警官と3人で結成している甘味部による、スイーツ談議も甘いもの好きのMATTにはたまらない。

キャピキャピギャル(死語)が、美味しそうにスイーツを食べる姿は、タチバナ刑事が上手そうにB級アレンジグルメを食べるのとは、また違った良さがある。

 

レギュラーキャラには、小沢仁志、温水洋一がおり、めしばな論争ではタチバナと喧々諤々やってくれて、熱のこもった議論の広がりを楽しめる。

河西智美演じる村中巡査の冷めたつっこみも絶妙だ。

 

犯人役のゲスト陣は、現在ドラマで活躍している俳優さんたちが見られる。

野間口徹(佐藤二郎とは信州大学の同窓生)、堀部圭壱、阿部亮平、山本圭祐、マキタスポーツ、浪岡一喜、戸次重幸、小手伸也、逢沢りな、竹財輝之助ら。みんな若い。

蛍雪次郎のようなベテランも。

 

最後に、12年前のドラマなので作中に出てくる商品価格が面白い。

デフレ時代の日本は、こんなに安かったのねとあらためて気づかされた。

現在ではどの商品もほぼ1.3~1.5,6倍に値上がりしている。

12年で生活はこんなに変わるのか。

 

あまり変わっていないのは、佐藤二郎だけだった。。。。笑