正直を言うと、、、
TBSのドラマはそれなりに楽しめるし、民放地上波の中では最も質が高いと思うのだが、でも「感動した」とか「もう一回見たい」というドラマは、あまりない。
脚本:大石静、主演:阿部サダヲ/松たか子 というと、まず間違いないと思ってもいい。
阿部・松の二人は「スイッチ」でとても息の合った演技を見せていたので、このドラマも大いに期待していた。
全9話のストーリーは主演の2人の演技力と、脇を固める俳優陣のレベルの高さ、大石静の大御所らしい安定感ある脚本で十分楽しめるのだが、残念ながらそこまでだ。
「北の国から」の再放送を先日見終えた。また別途ブログにあげるが、30年前の地上波ドラマは作り手の熱い想いがそれこそ重苦しいくらいに伝わってくるし、やりたいことがすべて表現されていたからこそ、作品としての完成度も高かったと感じた。
なんでも許される時代、もあったとは思う。
せっかくいい脚本、いい役者をそろえても今の時代、地上波放送局ではこれが限界なのだろうか。
でも3年前に関テレが制作した「エルピス-希望、あるいは災い-」のように、地方局の可能性はまだあると思う。そこに期待か。
裕福な一家、鈴木家の一人娘ネルラ(松たか子)と、一流弁護士の原田幸太郎(阿部サダヲ)が、病院で運命的な出会いをし、結婚するところから物語は動き出す。
あくまで勝手な思い込みに基づく理論だが、富裕層の家族というのは2種類ある。
表向きは幸せな一族を装いながらも、その実は家族崩壊を起こしている家族。
もう一つは、一般市民には理解しえないほどの「血の結束」によって、気持ち悪いほどの親密さを見せる家族。
鈴木家は、まさに後者である。
ネルラと結婚し、鈴木家が住むマンションに同居することになった幸太郎は、その気持ち悪さを目の当たりにする。そしてこの一家には、ある秘密があった。
それは15年前の、ネルラの元婚約者・布施夕人(玉置玲央)の不審死。
捜査の結果は事故死とされたが、当時から婚約者のネルラが疑われていて、15年前のこの事件を警視庁捜査一課の刑事・黒川(杉野遥亮)が再捜査を始めたことで、ネルラ、幸太郎そして鈴木家は運命の大きな波に飲み込まれていく。
中盤から終盤にかけての緊迫感はまずまずなのだが、終盤からラストにかけてはそうなんだ。。。。という盛り上がりの薄さで、そこがとても残念。
民放ドラマでは、ここまでなのだろうか。
阿部サダヲ、松たか子という役者をそろえたら、もうちょっと盛り上げてほしかった。
途中からはこの二人の演技だけを一生懸命観ていた気がする。
そこだけは、本当に素晴らしかった。
鈴木家は、段田安則、岡部たかし、板垣李光人。
そのほか、金田哲、小松和重、堀内敬子、馬場徹、戸塚純貴、小雪、野呂佳代、赤間麻里子、野間口徹(メガネレスの、悪い役の野間口くん)、山内圭哉、片桐仁、小手伸也らに加え、佐々木蔵之介がちょい役で出演している。
ドラマを観始め、ブログに書くようになってはや4年。
毎シーズン、数多ある中からどれを見ようか選ぶのに苦慮しているが、そろそろ数を絞り込んでも良いかなと思う。
自分の本当に見たいドラマだけ見る、、、、
次の秋ドラマはそうしてみるかな。
最後に、主題歌の Oasis「Don’t Look Back In Anger」は良い選曲でした。