NetflixでやっとUPされたので、観てみた。

正直なところ、観る前は少々不安でいっぱいだった。

それは、ドラマの良い部分が薄れ、下手に映画らしい話にしてしまい、ドラマ版の世界観がぶち壊しになっていないだろうかという不安だ。

 

だがそれは杞憂であった。

2時間の映画は、まさにドラマのスタイルが2時間の尺の中に詰め込まれ、伊藤家の人々の何気ない日常と、人生を生きるための知恵が詰まったエピソードがいつものようにテンポよく描かれていて、ファンは安心して楽しめる内容だった。

 

吉田鋼太郎はじめ、MEGUMI、木南晴夏、佐久間由衣、武田玲奈の伊藤家の面々、浜野謙太、太田莉菜らをはじめとしたレギュラー陣も健在。

ゲストに宮世琉弥、野村周平、中尾明憲、浅川梨奈、六角精児、松下由樹らがキャスト。

 

傘を横に地面に平行に持ってぶんぶん振りながら歩く男、蕎麦屋の天抜きや、尻を出して寝るクセのある里香(佐久間)、尖がったブラのシイナさん(美香ちゃん、早くいいブラを教えてあげて・・・・)など、ドラマ版を見ていたら懐かしいと思えるエピソード、ネタもふんだんにちりばめられていて、嬉しい。

 

映画版はドラマ版よりも源太郎さんの圧がかなり強くなっている。

正直ウザいほどにハンサムなことばかり言うのだが、終盤のクライマックスで美香を助けるためにヤンチャな若者たちに大々的に説教をする時の源太郎さんは、まさに面目躍如ともいえる大活躍だった。

舞台役者の吉田鋼太郎の演技力に圧倒される名シーンだ。

 

それから伊藤家のオムライスの話も興味深い。

源太郎さんの自論は「オムライスの主役はチキンライスだ。卵は一個、薄い卵焼きでよい。卵たっぷりフワトロなど言語道断!!」。

実は最近、敬愛する土井善晴先生がTVでまったく同じことを言っていたのだ。

試しに土居先生のレシピでオムライスを作ってみたら、ほんとに美味しかった。

なんか、今までオムライスについては間違っていたことに気づかされた・・・・笑

 

しかし最も感動してウルっときたのは、千鶴お母さん(MEGUMI)の幼少期のエピソード。

お父さんよりも前に一番目に好きになった男の人の話を家族にするシーン。

子どもの頃、母親は食堂をやりながら女手一つで育ててくれた。

母親不在のある日、店に来た男性の注文に見様見真似で焼きそばを作ったが、その出来は酷いものだった。しかしそんな焼きそばを文句も言わず完食、お金を払う時にありがとう、と言って去って行ったその男性が、お母さんにとっての初恋の人だった。

何気ないお話だが、「おいハンサム‼」が大事にしているテーマを象徴するようなエピソードだった。

 

それは日本人が最近忘れてしまいつつある、他者を思いやる気持ち、感謝の気持ち、足るを知るということだ。

これはこのドラマが一貫して大切にしていてそれを劇中、事あるごとに源太郎さんが熱く語っている。

 

こんなことを書くと愛国主義者かと誤解されそうだが、今こそ日本人の持っている美しい精神、心をもっと一人ひとりが意識して生きるべきではないかと。

海外に出て生活したことがある人はわかるだろう。

日本人で良かった、と思える瞬間があるはずだ。

 

「おいハンサム‼」は、そんな言葉にすると少し恥ずかしい気持ちを代弁してくれる。

また続編を期待したい。

次回もぜひ、同じメンバーで!!