通夜の夜。

斎場内にある宿泊施設に泊まることになった。

繁華街も近いので、夜はぶらっと好きなものを食べに行こうと思っていたが、、、

 

建物が古く、玄関扉の建付けが悪いため中と外で二人同時に引き戸の鍵の部分を抑えないと施錠できないという事態が発覚。

 

斎場のスタッフのおばさんが、「夜の7時ころまではいますので、どうぞお食事してらしてください~」と親切に言ってくれたのだが、その時すでに6時。一時間しかない、、、

 

仕方ないのでぶらり食べ歩きの旅は諦めて、近くにあった居酒屋に飛び込んだ。

 

引き戸を開けると中は15人も入ったらいっぱいの店内。

平日6時だが、すでに常連さんらしい客で埋め尽くされていた。

カウンターが空いていたので店員のおじいちゃんに声をかけるが聞こえないらしい。

すると常連さんの女性が声をかけてくれて、カウンターに着く。

 

狭い厨房では大将がワンオペで忙しく動き回っている。

おじいちゃんは、たぶん先代なのだろうか。

調理に時間がかかるものを頼むと1時間では帰れなくなりそうなので、できているものを中心にオーダーする作戦をとる。

 

とりあえず生中と、どて焼き3本セット、おでん(ちくわ、大根、卵、スジ)を頼む。

お通しはなんだったか、忘れたが美味しかった。

 

途中でホールには女の子、厨房にはお兄さんが入って来て4人態勢になったものの、戦力はやはり大将一人のようで、忙しさはあまり変わらず。

 

作戦は変更せず、追加で自家製ポテサラをオーダー。

しかし、やはり違ったものも欲しいということで、牛ホルモン焼きのみ頼んでみる。

一品なら時間かかっても大丈夫だろうと。

それから追加で生中をオーダー。

 

カウンター後ろは同じ会社の仲間の飲み会だろうか。

右隣りは若いカップル、左は夜のお店のママかな。

銀ジャケのハラミ焼きで一杯、と粋な飲み方。

帰り際に会釈して行ってくれるあたり、客商売しているだろう余裕を感じる。

Lの字になったカウンターの向こうには、幼い娘を連れた母親が。

夜のお仕事っぽくなかったので、会社の帰りに託児所に寄ってそのまま、ってとこか。

 

周りでは大阪弁が飛び交い、なんとなくふるさとに帰ってきたなという妙な居心地の良さを感じた。できればゆっくり飲んで行きたかったが、残念ながらこの日は1時間ほどで帰らないとならない。

 

ホールの女の子に会計を頼んだら、3090円。

安い。。。。

特別なものもすごくおいしいものもないのだが、これぞ居酒屋という雰囲気に、リーズナブルな料理と酒があれば、それでいい。

 

こんな大阪の夜をいつかまた楽しみたい。