現在(悪い意味で)世間を騒がせてしまっている永野芽郁主演。
共演の佐藤健とは「るろうに剣心」「半分、青い。」と、縁があるようだ。
昨今、漫画原作のドラマ、映画は多いがこの作品も例にもれず。
漫画→アニメ→実写ドラマ・映画の順でオリジナルの面白さは薄れていくケースが多いと思う。きっとこの作品も漫画はとても面白いのではないか、と思う。
ただ映画版もエンタテインメントとしては、肩の力を抜いて楽しめるものだった。
監督の武内英樹はゴリゴリの映画監督ではなく、元テレビマンらしく軽快でわかりやすい面白さの作品を得意としていると感じる。
人間の体内を可視化する、というコンセプトというと、1966年の古典映画の名作「ミクロの決死圏」を思い出す。小学生の頃、母親と一緒にTVで観て、当時としては画期的だった特撮のすごさと神秘的な内容に感動したのを覚えている。
原作者の清水茜はまだ31歳なので、さすがにこの作品は知らないだろうか。
ディズニーチックな世界はひとつ的ハッピーワールドなオープニングから、癌細胞化した白血球の登場以降のシリアスな展開の大きなGAPが本作の魅力かもしれない。
それは平穏で幸せな日常が急転して暗黒の毎日になる、すなわち健康で何一つ不自由なかった生活が、病気で一転、苦しみと隣り合わせの日常になる、ということから身近に感じるからなのか。
赤血球役の永野芽郁のピュアな印象(ちょっと、今回の騒動の件でミソが付いてしまったが、、、、)や、白血球役・佐藤健のキレのあるアクションとヒロイックな側面が本作では実によく生かされている。
また、共演も多彩でそれぞれの細胞の印象にマッチしたキャスティングで違和感はない。
細胞役には、今や肉体派?の山本耕史、へそ出しアンジェリーナ・ジョリー風の仲里依紗、ゴスロリファッションが異様にハマっている松本若菜。
血小板の少女たちの一人には、今や子役No1の人気者の磯村アメリ。
白血球には塚本高史、白血病細胞にFukase、赤血球には板垣李光人、高橋諒らも。
そのほか、染谷将太、深田恭子、片岡愛之助、小沢真珠らも。
一ノ瀬ワタルは外肛門括約筋役。面白いがちょっとかわいそう、、、
松本若菜演じる免疫細胞のマクロファージ。
可憐なお姫様風だったのが、一転、大きな鉈を振り回し戦闘を繰り広げるこのGAPがたまらん。松本若菜、さいこー。
へそ出しルックがかっこええ、仲里依紗。
細胞たちが宿る親子役には阿部サダヲと芦田愛菜。
「マルモのおきて」以来の共演で話題になった。
また芦田愛菜の交際相手の先輩役は、これまた「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」でいじめっ子、いじめられっ子役で共演の加藤清史郎。
物語後半では、急性骨髄性白血病に倒れた芦田愛菜の体内で、永野芽郁、佐藤健らによる文字通りの死闘という緊迫した場面が繰り広げられるが、現実世界では芦田愛菜と阿部サダヲによる、息の合った親子の愛憎劇が展開され、芦田愛菜の最高の泣き演技でまた涙腺を崩壊させられてしまう。
愛菜ちゃんの泣くシーンは、どうしても「mother」を思い出してしまうので150%もらい泣きしてしまう。。。
おだやかな連休中にサクッと観るには最高の作品。
笑いあり、涙ありでこういう映画は映画館で観る価値がある、と思う。
(TVで見ていて何を言う、、、と言われそうだが)