あかん、、、、、

 

藤井道人監督作品は、「デイアンドナイト」でかなりがっかりし、「正体」は、横浜流星はじめ、役者さんの頑張りでまあまあ観ることができたが、この作品は正直言うと、またがっかりだった。

 

おそらく、だが彼の作品は映画をよく観る人にとっては何かが足りない。

何が足りないのかというと、物語を構成するいくつかのキーアイテムを結び付けて表現する力が足りないような気がする。

 

「ヴィレッジ」というタイトルと、村社会特有の閉鎖性、ゴミ処理場という社会的にもタブーが多々潜んでいる環境、過去に犯罪を犯した人間の葛藤、コミュニティに引き継がれる能という文化の継承、これらが密に絡み合うことで、物語に複雑な陰影を与えると、深みのある話になるのだが、どうもこの監督さんはそれができないのか。。。

主題は閉鎖的な村社会に生きる虐げられた男の苦悩なのか、ゴミ処理場という公共性ある事業の闇なのか、幼馴染の二人の切ない恋物語なのかが全く読めず。

 

ちょっとストーリーに踏み込む気も起らないのが無念。

展開も前半の一時間で色々なことがまったくわからないままゆったりと進み、その後急に話が動き出すが、最後は結局父親と同じ過ちを犯してしまうという、結局何を伝えたかったのだろうと悩む。

 

横浜流星、黒木華、奥平大兼といった今が旬の俳優さんを揃えておきながら、これはないだろう。。。と思う。

横浜流星はまあ、よかったのだが、黒木華はなんか無駄遣いっぽい気がする。

 

一ノ瀬ワタルは彼の持ち味のいかれたワルの役だが、この映画でも早々に死体になってしまう。「アンナチュラル」でも「ハヤブサ消防団」でも結構死体役の多い彼。

現在放映中の「対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜」では、多部未華子の旦那役だが、強面の彼が優しいパパを演じていて、そのGAPが新たな魅力を引き出している。

今回の映画では黒木華を襲うシーンもあるが、ドラマ「獣になれない私たち」で共演しているらしい。

 

古田新太、中村獅童、木野花、西田尚美、作間龍斗、杉本哲太らが共演。

戸田昌宏は出ていたのがわかったが、淵上泰史はどこに出ていたんだよ、、と思ったが、横浜流星の父親が彼だったのか、と今思い出す始末。

 

もうこの人の映画はたぶん見ないだろうな、、、と思う。。。