魔夜峰央が原作の漫画を描いたのが1982年と聞いて納得した。

MATTが都内で大学生活を送っていた1990年頃、千歳烏山より先は田園風景が広がっていた。80年代の埼玉は、本当に田舎だったろう。

 

魔夜峰央らしい耽美的な世界観で、ひたすら埼玉をディスるこの作品。

地理・地図好きのMATTにはとにかくハマる。

 

大阪出身だが人生55年生きてきて、関東での生活が36年目になる。

関東は東京・神奈川という強力な都市部以外はすべて田舎、とでもいわんばかりである。

対する関西は、大阪、兵庫(神戸)、京都という御三家以外は、特色ある奈良、滋賀が控え、和歌山のみ田舎、三重は東海か近畿かイマイチはっきりしない、という具合にそれぞれの県が主張しているように見える。

 

そんな状況だからこそ、翔んで埼玉のようなエキセントリックな設定がはまるのかもしれない。

ただこのシリーズ、関西を舞台にシーズン2が公開されたのでこちらも観たい。

 

主演の麻実麗を演じるGACKTは魔夜峰央の美青年・美少年を体現するにはぴったりのキャスティング。

共演の二階堂ふみ演じる美少年・壇ノ浦百美もナイスな配役。

二人とも埼玉とは全く関係ない沖縄出身というのも面白い。

 

二階堂ふみ。この人、なんでもできちゃうところが凄いです。

 

終盤、麻実麗率いる埼玉解放戦線と、伊勢谷友介演じる阿久津翔率いる千葉解放戦線が、東京都・警視庁の機動隊とぶつかるシーンで、機動隊がジュラルミンの盾を地面にガンガンと打ち付けるシーンを見て思い出した。

 

浪人時代のこと、現代文の講師は元学生運動の活動家で、時折授業中に脱線して昔話をしてくれた。

彼が言うには機動隊がジュラルミンの盾を押し付けてくる間はまだよい。

本気になってくると盾を地面に平行に持って、盾の縁の部分で殴り掛かってくるという。それはもう痛いらしい。

あと昔、門真警察署に何かの用事で行った時、警察署の入り口にボコボコになった盾が立てかけてあったのを見て、何かの魔除けかよと思った。

 

閑話休題。

 

この映画で栃木はほとんど出てこない。

麻実麗と百美を埼玉まで運ぶ馬車を引いていた男が栃木出身、というくだりくらいだ。

だが劇中で百美の父で東京都知事の壇ノ浦建造(中尾彬)の大好きな、崎陽軒のシウマイの創業者の野並茂吉が実は栃木県・鹿沼出身であることはあまり知られていない。

そのためか、鹿沼市はシウマイが名物で宇都宮は餃子の街、鹿沼はシウマイの街と言っているらしい。

らしい、というのはMATTも、宇都宮市民のかみさんすらも知らなかったからだが、、、笑

 

また話が逸れた。

 

お国自慢は日本のみならず、世界中のどの国にもある。

アメリカでも中国でも、こんな話は作れそうだ。

そしてきっと盛り上がるに違いない。

誰か作ってくれないかな。