実は時代劇好きのMATT。

幼い頃は、田舎のじいちゃんと加藤豪の「大岡越前」をよく見ていた。

 

そして、一番好きな時代劇が「暴れん坊将軍」である。

福知山時代には、再放送で記念すべき第一話も観た。

今ではすっかり貫禄のついてしまった松平健も、その頃は25歳。

眉目秀麗なシュッとしたイケメンだった。

 

暴れん坊将軍について語り始めるときりがないので割愛するが、今回の作品は三池崇監督、大森美香脚本ということで、新解釈の意欲的な作品だった。

 

息子である徳川家重(西畑大吾)との愛憎劇が描かれたり、年を重ねて晩年を迎えた吉宗の人生の悲哀を感じさせたりと、長らく暴れん坊将軍を観てきたファンにとっては、新鮮味もありつつ、吉宗の一生を観ているという満足感もある。

 

もちろん不満な点もある。

冒頭のまるで現代のホストクラブのような描写は面白いとも思う反面、ちょいやり過ぎ感もないわけではない。

松平健の殺陣も、往年のキレはさすがになくなったものの、71歳の年齢を考えたらやむを得ないし、むしろ凄みを感じる。

 

まだそれらは許せる。

許せんのは、立ち回りのシーンにかかる、テーマ曲が軽い。。。。

ブラス、ティンパニー、すべてにおいてアレンジ、音質が軽く、あれはアカン。

オリジナルの楽曲を使ってほしかった。

せっかくの松平健の殺陣があれでは台無しだ。

三池監督、次もし続編を撮る機会があれば、BGMはぜひ見直しお願いしたい。

 

キャスティングはまずまず良かったと思う。

物語の軸になる町娘役には藤間爽子。

ずっと彼女は気になっていた女優さん。

日本舞踊の家元の娘だけあって着物を着ての演技は品がある。もう少し背が高かったらよかったのに、、、と思うが十分雰囲気あってよい。

藤間爽子。祖母、母と三代続いて「暴れん坊将軍」に出演。

今作でのヒロインは必然だった。

 

もう一人、家重のお庭番のひさめに尾碕真花。

「虎に翼」に出演し、注目を浴びた期待の女優さん。

凛々しいアクションで魅せてくれた。

尾碕真花。彼女も楽しみな女優さん。

 

小野武彦、高島礼子、生瀬勝久、小沢征悦、勝村政信、GACKT、神保悟志、渋川清彦、マギーらが共演。

冒頭の立ち回りシーンでは、本田博太郎が悪代官役で登場。

見事な豹変ぶり=お約束の「上様がかようなところにおられるはずがない、こやつは上様の名を語る狼藉者じゃ!斬れ!斬り捨てい!」というセリフも完璧で、素晴らしいやられっぷりであった。

 

キャスティング、ストーリーなど総じてファンにとっては十分楽しめた。

問題は今後、松平健の年齢を考えるとこれ以上は無理かなという点。

完璧な吉宗と違い、ハンデを負った努力家の家重という新しい時代のヒーローもありかとは思う。けど、「暴れん坊将軍」ファンとしては、やはり吉宗にもっと活躍してほしいと願うのも本音。

 

でも時代はどんどん変わっていくものだ。

新しい時代を受け入れる覚悟も必要なのだろう。